(仮訳)中国産の地下生腹菌の新種Lactarius sulphosmusおよびハラタケ型の新種Russula vinosobrunneola
Li, G-J. et al., 2018. Hypogeous gasteroid Lactarius sulphosmus sp. nov. and agaricoid Russula vinosobrunneola sp. nov. (Russulaceae) from China. Mycosphere. Available at: https://doi.org/10.5943/mycosphere/9/4/9 [Accessed August 28, 2018].
【R3-05439】2018/8/28投稿

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3行まとめ

中国福建省の亜熱帯林で採集された地下生菌の一種を検討し、Lactarius sulphosmusとして新種記載した。
また、黒竜江省の針葉樹林に発生した菌をRussula vinosobrunneolaとして新種記載した。
前者は白色の乳液と強い硫黄臭、叉状分岐する担子胞子の装飾などで、後者は黄色の胞子紋および担子胞子の網目状装飾などでそれぞれ特徴づけられた。
中国福建省武夷山市武夷山国家級自然保護区黄渓州

(新種)

Lactarius sulphosmus G.J. Li & R.L. Zhao
語源…硫黄の(子実体の臭いから)
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【よく似た種との区別】
Zelleromyces ramispinus
中国に分布する
亜熱帯林に生息する
子実体が腹菌型
担子胞子の装飾が二叉あるいは三叉分岐する丈の高い刺状
本種と異なり外皮が淡黄色ではなく白色
本種より担子胞子のサイズが大きい
Lactarius illyricus
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくスロベニア、オーストリアなどに分布する
本種と異なり子実体が腹菌型ではなくハラタケ型
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国黒竜江省七台河市勃利県西大圏国家森林公園

(新種)

Russula vinosobrunneola G.J. Li & R.L. Zhao
語源…帯ワイン褐色の(傘の色から)
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【よく似た種との区別】
Russula laricina
同じLaricinae亜節に含まれる
中国に分布する
傘の色が類似している
担子器のサイズが類似している
担子胞子のサイズが類似している
側シスチジアのサイズが類似している
本種と異なりヨーロッパなどにおける分布が知られている
本種と異なり担子胞子の装飾がほとんどの場合網目状なのではなくほとんどの場合孤立した疣状
Russula sichuanensis
中国に分布する
針葉樹林に生息する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体がハラタケ型ではなくセコティオイドである
本種と異なり傘が汚白色~淡い帯桃色
本種より担子器が短い
本種より担子器の幅が広い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が球形~類球形
本種より担子胞子の装飾の丈がしばしば高い
本種と異なり傘表皮が粘毛被である
Russula nauseosa
中国に分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりエストニア、イギリスなどにおける分布が知られている
本種と異なり担子胞子の装飾が網目状でない
Russula cessans
担子胞子の装飾が類似している
本種と異なり中国ではなくエストニア、北米などに分布する
本種と異なり傘が桃色~帯ワイン色
本種と異なり肉に変色性を欠く
本種と異なり子実体がやや辛い
本種より側シスチジアの幅が広い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードBではなくAに含まれる)
Russula olivina
同じLaricinae亜節に含まれる
本種と異なり担子器が2胞子性
本種より担子胞子のサイズが大きい
Russula sapinea
同じLaricinae亜節に含まれる
本種と異なり肉が強く黄色を帯びる
本種と異なり胞子紋が黄色ではなく黄褐色
Russula vinosobrunnea
形態的に類似している(混同のおそれがある)
傘が帯ワイン褐色
胞子紋が黄色
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりTenellae節ではなくPolychromidia節に含まれる
本種と異なり針葉樹林ではなくブナ林などに生息する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より子実体ががっしりとしている
本種より傘のサイズが大きい
本種より側シスチジアが長い
本種と異なり傘表皮の菌糸に結晶を欠く