(仮訳)バルト海地域産の平滑な胞子を有する2新種、Inocybe balticaおよびI. suecica
Vauras, J. & Larsson, E., 2015. Inocybe baltica and I. suecica, two new smooth-spored species from the Baltic Sea region. Karstenia. Available at: https://gup-server.ub.gu.se/v1/asset_data/206742 [Accessed April 8, 2017].
【R3-03913】2017/04/08投稿

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3行まとめ

フェノスカンジアおよびエストニアで採集された平滑な担子胞子を有する2種を検討し、Inocybe balticaおよびI. suecicaとして新種記載した。
前者は子実体が大型で石灰質砂質土壌に生じ、ヨーロッパアカマツと関係を持っていた一方、後者は子実体が小型でコナラ属などの落葉樹と関係を持っていた。
前者は傘が褐色で柄が表面全体が粉に覆われ塊茎状、端子胞子が小型で側シスチジアが短いことなどで、後者は傘が褐色繊維状、子実体に精子臭があり、側シスチジアがかなり幅狭いことなどで特徴づけられた。
Estonia, Hiiumaa, Kõrgessaare, Kõpu cape, Kaleste, near the camping place

(新種)

Inocybe baltica Vauras & E. Larss.
語源…バルト(海)の
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【よく似た種との区別】
Inocybe amblyspora
担子胞子のサイズがほぼ同一
側シスチジアのサイズがほぼ同一
本種と異なり柄の基部が非常に明瞭な縁取りを有する塊茎状
Inocybe phaeoleuca
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じSplendetesクレードに含まれる)
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より側シスチジアのサイズが大きい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe splendens
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より側シスチジアのサイズが大きい
Inocybe splendentoides
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じSplendetesクレードに含まれる)
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より側シスチジアのサイズが大きい
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sweden, Västergötland, Alingsås, Nolhagaparken

(新種)

Inocybe suecica Vauras & E. Larss.
語源…スウェーデン(人)の(筆者らの旧友、Juhani Ruotsalainen氏に献名/ファミリーネームが「スウェーデン人の」という意味、および本種の採集地がスウェーデンであることから)
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【よく似た種との区別】
Inocybe sindonia
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTardaeクレードに含まれる)
本種と異なり柄表面の基部近くまでではなく半分以上が粉状
本種と異なり幼時明瞭なクモの巣膜を有する
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe fuscidula(セイヨウトマヤタケ)
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じTardaeクレードに含まれる)
本種と異なり柄表面の基部近くまでではなく頂部の1/5-1/3のみが粉状
ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe microspora
亜寒帯域に分布する
落葉樹林に生息する
本種と異なり柄表面の基部近くまでではなく頂部のみが粉状
本種より担子胞子のサイズが小さい