(仮訳)形態および複数遺伝子の系統解析により明らかになったクロアチア地中海地域産の外生菌根菌の新種、Inocybe brijunica
Mešić, A. et al., 2021. Inocybe brijunica sp. nov., a New Ectomycorrhizal Fungus from Mediterranean Croatia Revealed by Morphology and Multilocus Phylogenetic Analysis. Journal of Fungi. Available at: https://www.mdpi.com/2309-608X/7/3/199 [Accessed March 17, 2021] 【R3-08238】2021/3/17投稿

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3行まとめ

クロアチアのブリユニ国立公園で採集された菌を検討し、Inocybe brijunicaとして新種記載した。
本種は傘表面に放射状繊維紋~亀裂を有し、柄が淡褐色~褐色で基部またはすぐ上に橙色~橙赤褐色の膜質の層を伴い、担子胞子が豆形~扁桃形であることなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析でI. glabripesと姉妹群を形成したが、担子胞子のサイズやシスチジアの壁厚などが異なっていた。
Croatia, Istria, Brijuni National Park, Veli Brijun Island

(新種)

Inocybe brijunica Mešić, Tkalčec & Haelew.
語源…ブリユニ(群島)の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Inocybe glabripes(コアセタケ)
地中海地域に分布する
同じコナラ属植物と関係を持つと考えられる
担子胞子のサイズが非常に類似している
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりクロアチアではなくフィンランドなどに分布する
本種と異なりカバノキ属、ブナ属、ヤマナラシ属、シナノキ属、クリ属樹木などと関係を持つことが知られている
本種と異なり担子胞子が豆形~扁桃形ではなく扁桃形
本種よりシスチジアが薄壁
ITS+nrLSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Inocybe pseudobrunnea
担子胞子が豆形
本種と異なりコナラ属ではなくモミ属の樹下に生じる
本種より担子胞子のサイズがやや大きい
本種と異なりシスチジアがアンモニアで明黄色に呈色する反応が稀ではなく顕著である
Inocybe gracilenta
ヨーロッパに分布する
担子胞子のサイズが類似している
本種と異なりクロアチアではなくスウェーデンに分布する
本種と異なりハンノキ属、ヤマナラシ属、ヤナギ属の樹下に生じる
本種と異なり傘が乳頭状
本種より柄の幅が狭い
本種と異なり柄が淡褐色~褐色ではなく白色~微かにクリーム色
本種より柄の形状が細長い
本種と異なり担子胞子が豆形~扁桃形ではなく扁桃形
Inocybe barrasae
ヨーロッパに分布する
コナラ属の森林に生息する
本種と異なりクロアチアではなくスペインなどに分布する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が豆形~扁桃形ではなく扁桃形
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なりシスチジアがアンモニアで明黄色に呈色する反応が稀ではなく顕著である
Inocybe aerea
ヨーロッパに分布する
本種と異なりクロアチアではなくドイツに分布する
本種より柄の幅が狭い
本種と異なり柄が淡褐色~褐色ではなく黄褐色
本種より柄の形状が細長い
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり担子胞子が豆形~扁桃形ではなく卵状~扁桃形
本種よりシスチジアが薄壁
Inocybe pyrotricha
柄表面に橙色~肉桂色またはさび赤色の繊維を伴う
本種と異なりクロアチアではなく北米などに分布する
本種と異なり襞が幼時紫色を帯びる
本種と異なり柄上部が幼時紫色を帯びる
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種より側シスチジアが長い