(仮訳)統合的分類によりN. parile複合種の新種、Nephroma orvoiが明らかになった
Timdal, E. et al., 2020. Integrative taxonomy reveals a new species, Nephroma orvoi, in the N. parile species complex (lichenized Ascomycota). Graphis Scripta. Available at: http://nhm2.uio.no/botanisk/lav/Graphis/32_4/GS_32_70.pdf [Accessed October 25, 2020] 【R3-07807】2020/10/25投稿

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3行まとめ

葉状地衣の一種Nephroma parileを検討し、本複合種が2つの異なる系統からなることを示した。
その片方で、従来「ケモタイプII」として認識されていたものをN. orvoiとして新種記載した。
本新種はN. parileに形態的に非常に類似していたが、裂片や地衣体下面、粉芽の形態、地衣成分などが異なっていた。
Norway, Finnmark, Båtsfjord, the top of the valley Skogdalen

(新種)

Nephroma orvoi Timdal, M. Westb., Haugan, Hofton, Holien, Speed, Tønsberg & Bendiksby
語源…Orvo Vitikainen博士に献名(80歳の誕生日の記念)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Nephroma parile(ヘリトリウラミゴケ)
ノルウェー、フィンランド、スウェーデンに分布する
形態的に非常に類似している(従来同種とされていた)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より地衣体下面が明色
本種より地衣体下面の”pseudotomentum”が薄く、無毛のこともある
本種ほど裂片に小孔および皺状の隆起がない
本種ほど粉芽が永続的に”corticate”でない
本種と異なり地衣成分としてトリテルペノイドT1、T3、T4、T6を含むという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される