(仮訳)複数遺伝子の系統解析に基づくパキスタン産の新属新種Iqbalia kashmirensis
Fayyaz, I. et al., 2022. Iqbalia kashmirensis gen. et sp. nov. from Pakistan (Teloschistaceae, lichenized ascomycetes) based on multigene phylogeny. Mycological Progress. Available at: https://link.springer.com/article/10.1007/s11557-022-01823-y [Accessed July 31, 2022] 【R3-09740】2022/7/31投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

パキスタンのアザド・カシミールにおいて石灰岩に生じた痂状地衣の一種を検討し、新属新種Iqbalia kashmirensisとして記載した。
本種は地衣体にパスチュール様の構造を形成し、子嚢胞子の隔壁が幅広く、バリオラル酸を含むことなどで特徴づけられた。
本種はNevilleilla属に近縁であったが、地衣体の形状や子嚢胞子の隔壁、地衣成分などが異なっていた。
Pakistan, Azad Jammu and Kashmir, Garhi Dupatta

(新種)

Iqbalia kashmirensis Fayyaz, Afshan, Niazi & Khalid
語源…(属名)パキスタンの菌類学者の故S.H. Iqbal教授に献名/(種小名)カシミール産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Nevilleiella marchantii
地衣体が帯褐黄色~橙色
地衣体表面にパスチュール状の構造を形成する
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり石灰岩ではなく砂漠の土壌などに生じる
本種と異なり地衣体の小区画が連続的ではなく離れて散在する
本種と異なり地衣体の小区画が扁平ではなく凸形
本種と異なりシジディア様の構造を形成する
本種と異なり子嚢胞子の隔壁が幅広いという特徴を欠く
本種と異なり地衣成分としてバリオラル酸を含むという特徴を欠く
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Nevilleiella lateritia
地衣体が帯褐黄色~橙色
地衣体表面にパスチュール状の構造を形成する
本種と異なりパキスタンではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり地衣体の小区画が明瞭ではなく不明瞭
本種と異なり地衣体の小区画が連続的ではなく離散する
本種より子器のサイズが大きい
本種と異なりシジディア様の構造を形成する
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が狭い
本種と異なり地衣成分としてバリオラル酸を含むという特徴を欠く
Filsoniana australiensis
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり地衣体が良好に発達する
本種と地衣体の色が異なる
本種と異なり側糸が数珠状でない
本種と異なり側糸に隔壁を有するという特徴を欠く
ITS+nrLSU+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Neobrownliella holochracea
アジアに分布する
本種と異なり地衣体がかなり厚いのではなく非常に薄い
本種と異なり地衣体の小区画が顕著であるという特徴を欠く
本種と異なり地衣体の小区画表面に僅かに粉霜を伴うという特徴を欠く
本種と異なり地衣体の小区画表面にパスチュール様の構造を形成するという特徴を欠く
本種と異なり地衣体がC陽性ではなくC陰性
本種と異なり子器が固着ではなく埋生する
本種と異なり子器盤の輪郭が丸いのではなくしばしば不規則形
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が狭い
本種と異なり地衣成分としてバリオラル酸を含むという特徴を欠く