(仮訳)テキサス州産のシルバーリーフコナジラミに発生する昆虫病原菌の新種、Isaria poprawskii
Cabanillas, H., Leon, J. de & Humber, R., 2012. Isaria poprawskii sp. nov. (Hypocreales: Cordycipitaceae), a new entomopathogenic fungus from Texas affecting sweet potato whitefly. Mycoscience. Available at: http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S134035401200023X [Accessed November 10, 2013].
【R3-00201】2013/12/28投稿

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3行まとめ

米国テキサス州の温室で、シルバーリーフコナジラミ (Bemisia tabaci) への感染が発見された菌をIsaria poprawskiiとして新種記載した。
本種は分子系統解析の結果、同所的に分布するIsaria javanicaに近縁であったが、独自の系統をなし、培養性状や顕微鏡的形質などでも区別された。
本種は天然環境でシルバーリーフコナジラミの幼虫、蛹、成虫への感染が確認されており、培養が容易で高温でも生育できることから、生物農薬としての利用可能性が期待された。
USDA, ARS Kika de la Garza Subtropical Agricultural Research Center (KSARC), Weslaco, Texas, USA

(新種)

Isaria poprawskii Cabanillas, de Leon, Humber, Murray & Jones
語源…昆虫病原菌および生物農薬の研究者、Tadeusz J. Poprawskiiに献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Isaria javanica
同所的に分布する(米国テキサス州)
形態が類似しており、はっきりと区別できる形質がない
分生子柄が無色
分生子柄が平滑
分生子が無色
分生子が紡錘形~円筒形
TUB2遺伝子に基づく分子系統解析で近縁
本種よりはっきりとしたシンネマを形成しない傾向がある
本種より分生子形成細胞が短い傾向がある
本種より分生子が短い傾向がある
本種と異なりSDAY培地でのコロニーが培養期間が経過しても有色にならず白色のままである
本種と異なりSDAY/4培地でのコロニーが帯ばら黄褐色
TUB2遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
特異的制限酵素XnmIおよびHypCH41Vを用いたPCR-RFLPにより判別される
ISSR-PCRでのバンドパターンが異なる
Isaria fumosorosea
シンネマを形成する
分生子柄が無色
分生子柄が平滑
分生子が紡錘形~円筒形
本種と異なりシンネマが帯黄褐色ではなく帯桃黄褐色
本種と異なり分生子が桃色を帯びることがある
本種と異なり分生子が長卵形になることがある
本種と異なりコロニーが分生子の色により特徴的な帯ばら黄褐色~帯灰桃色になる
TUB2遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Isaria tenuipes
顕著なシンネマを形成する
分生子柄が無色
分生子柄が平滑
分生子が無色
本種と異なり分生子が円筒形でほとんどの場合屈曲する
本種と異なり分生子が2細胞からなることがある
コロニーの色が異なる
TUB2遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Isaria farinosa(コナサナギタケ)
シンネマを形成する
分生子柄が無色
分生子柄が平滑
分生子が無色
本種と異なり分生子が紡錘形~円筒形ではなく楕円形~紡錘形または短い紡錘形、レモン形など
本種とコロニーの色が異なる
TUB2遺伝子に基づく分子系統解析で明瞭に区別される