(仮訳)東南アジア産のチチタケ属Russularia亜属 (2):顕著に小型の子実体を形成する種
Wisitrassameewong, K. et al., 2014. Lactarius subgenus Russularia (Russulaceae) in South-East Asia: 2. Species with remarkably small basidiocarps. Available at: http://biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.188.4.1 [Accessed December 24, 2015].
【R3-02499】2015/12/24投稿

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3行まとめ

タイ北部を中心とした東南アジアの熱帯林で採集された、ごく小さな(傘直径20 mm未満)子実体を形成するチチタケ属Russularia亜属の種をまとめた。
Lactarius crenulatulusL. perparvus、およびL. glabrigracilisの3新種を記載した。
また、従来日本および中国から知られていたL. gracilisを報告した。
Thailand, Chiang Rai province, Muang district, Thasai sub-district, forest at Doi Pui Reverse Signal Station, Doi Pui

(新種)

Lactarius crenulatulus Wisitrassameewong & Verbeken
語源…小鈍鋸歯状の
※本種はLe (2007) においてLactarius sp. 19.として扱われていた種である。
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【よく似た種との区別】
Lactarius pasohensis
担子胞子のサイズが類似している
側マクロシスチジアを欠く
縁シスチジアを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード1に含まれる)
本種と異なりタイではなくマレーシアなどに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子の装飾が厚く密な完全な網目状でない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius perparvus
タイに分布する
生息環境が同一
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子実体が小型
傘の縁部が強い条線状
本種ほど子実体が純粋な橙色ではなく主に帯灰褐色
本種と異なり柄の基部に白色粉状の層を欠き、剛毛を有することはあるが純白でない
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種ほど担子胞子の装飾が完全な網目状でない
本種と異なり側シスチジアを有する
本種と異なり縁シスチジアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード1ではなく8に含まれる)
Thailand, Chiang Mai province, Muang district, Doi Suthep-Pui National Park, Sangasabhasri Lane to Huai Kok Ma village

(新種)

Lactarius perparvus Wisitrassameewong & F. Hampe
語源…ごく小型の
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【よく似た種との区別】
Lactarius gracilis(アシボソチチタケ)
タイに分布する
子実体が小型
子実体が細長い
マクロシスチジアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード8に含まれる)
本種と異なり日本および中国における分布が知られている
本種より傘の直径がやや大きい
本種と異なり傘に尖った乳頭突起を有する
本種と異なり傘縁部に毛の束を有する
本種より襞の間隔が密
本種より柄が長い
本種と異なり柄がごく細い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius glabrigracilis
タイに分布する
子実体が小型
子実体が細長い
マクロシスチジアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード8に含まれる)
本種より傘の直径がやや大きい
本種と異なり傘に尖った乳頭突起を有する
本種より襞の間隔が密
本種より柄が長い
本種と異なり柄がごく細い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius crenulatulus
タイに分布する
生息環境が同一
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子実体が小型
傘の縁部が強い条線状
本種ほど子実体が主に帯灰褐色ではなく純粋な橙色
本種と異なり柄の基部に剛毛を有することはあるが純白でないのではなく白色粉状の層を有する
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子の装飾が完全な網目状
本種と異なり側シスチジアを欠く
本種と異なり縁シスチジアを欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレード8ではなく1に含まれる)
Thailand, Chiang Mai province, Muang district, Suthep sub-district, Doi Suthep-Pui National Park, Sangasabhasri Lane to Huai Kok Ma village

(新種)

Lactarius glabrigracilis Wissitrassameewong & Nuytinck
語源…無毛のLactarius gracilis(傘に毛を欠くことから)
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【よく似た種との区別】
Lactarius perparvus
タイに分布する
子実体が小型
子実体が細長い
マクロシスチジアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード8に含まれる)
本種より傘の直径がやや小さい
本種と異なり傘に尖った乳頭突起を欠く
本種より襞の間隔が疎
本種より柄が短い
本種と異なり柄がごく細いという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius gracilis(アシボソチチタケ)
タイに分布する
子実体の丈が同一
子実体の色が同一
担子胞子の網目状装飾が不完全
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード8に含まれる)
本種と異なり日本および中国における分布が知られている
本種と異なり傘縁部に毛の束を有する
本種と異なり側マクロシスチジアが突出しないのではなく突出する
本種より側マクロシスチジアのサイズが大きい
本種と異なり傘表皮が円筒形~膨大した菌糸からなる層の上に生じる短細胞被ではなく平行菌糸被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(タイ新産種)

Lactarius gracilis Hongo
アシボソチチタケ
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【よく似た種との区別】
Lactarius perparvus
タイに分布する
子実体が小型
子実体が細長い
マクロシスチジアを有する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード8に含まれる)
本種と異なり日本および中国における分布が知られていない
本種より傘の直径がやや小さい
本種と異なり傘に尖った乳頭突起を欠く
本種と異なり傘縁部に毛の束を欠く
本種より襞の間隔が疎
本種より柄が短い
本種と異なり柄がごく細いという特徴を欠く
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius glabrigracilis
タイに分布する
子実体の丈が同一
子実体の色が同一
担子胞子の網目状装飾が不完全
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じクレード8に含まれる)
本種と異なり日本および中国における分布が知られていない
本種と異なり傘縁部に毛の束を欠く
本種と異なり側マクロシスチジアが突出するのではなく突出しない
本種より側マクロシスチジアのサイズが小さい
本種と異なり傘表皮が平行菌糸被ではなく円筒形~膨大した菌糸からなる層の上に生じる短細胞被
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される