(仮訳)中国南部産のLactarius属2新種:Lactarius verrucosporusおよびL. nigricans
Wang, G-S. et al., 2018. Lactarius verrucosporus sp. nov. and L. nigricans sp. nov., two new species of Lactarius (Russulaceae) from southern China. Phytotaxa. Available at: https://biotaxa.org/Phytotaxa/article/view/phytotaxa.364.3.2 [Accessed January 30, 2019] 【R3-05905】2019/1/30投稿

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3行まとめ

中国広東省で採集された2種の菌を検討し、Lactarius verrucosporusおよびL. nigricansとして新種記載した。
前者は傘が帯赤褐色で襞が淡クリーム色、担子胞子が球形~類球形で疣状、傘表皮の次端細胞が球形で末端細胞が膨大することなどで特徴づけられた。
後者は傘が帯灰褐色で襞がベージュ色、担子胞子に高い畝状装飾がありアミロイド、柄シスチジアが類紡錘形~類円筒形で、傘表皮の末端細胞が長いことなどで特徴づけられた。
中国広東省肇慶市鼎湖山国家級自然保護区

(新種)

Lactarius nigricans G. S. Wang & L. H. Qiu
語源…黒色の(傘の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lactarius montoyae
傘のサイズの範囲が重なる
柄のサイズの範囲が重なる
乳液が白色
乳液に変色性を欠く
担子胞子の装飾の丈の高さが類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイ、インドなどに分布する
本種と異なり傘が淡い帯灰褐色ではなく帯黄灰色~暗灰帯黄褐色
本種より襞の幅が広い
本種と異なり肉が傷つくと帯黄褐色に変色するのではなく変色しない
本種より担子器の幅が狭い
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius ruginosus
担子胞子の装飾の丈の高さが類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくスイス、イタリアなどに分布する
本種より傘の最大直径が大きい
本種と異なり傘が淡い帯灰褐色ではなく帯灰褐色
本種と異なり傘縁部が不規則な円鋸歯状~溝状
本種より柄が短い
本種と異なり肉が中程度に厚い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面に縞模様がある
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius pterosporus(ウスイロカラチチタケ)
柄のサイズの範囲が重なる
乳液が白色
乳液に変色性を欠く
担子胞子の装飾の丈の高さが類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくフランス、ドイツなどに分布する
本種より傘の最大直径が大きい
本種と異なり傘が淡い帯灰褐色ではなく鈍い”clear brown”~灰褐色
本種と異なり肉が傷つくと帯黄褐色に変色するのではなくマゼンタ色、のちに珊瑚赤色から橙赤色、最終的に帯褐色に変色する
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius acris(ハイイロカラチチタケ)
柄のサイズの範囲が重なる
乳液が白色
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくイタリア、ベルギーなどに分布する
本種より傘の最大直径が大きい
本種と異なり傘が淡い帯灰褐色ではなく暗栗褐色~灰褐色
本種と異なり傘表面に粘性を有する
本種と異なり乳液に変色性を欠くのではなく明珊瑚赤色、明橙色、帯ばら白色に変色する
本種と異なり肉が傷つくと帯黄褐色に変色するのではなく赤変する
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius azonites
柄のサイズの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくベルギー、スロバキアなどに分布する
本種より傘の最大直径が大きい
本種と異なり傘が淡い帯灰褐色ではなく淡黄褐色~ごく淡い褐色
本種と異なり肉が傷つくと帯黄褐色に変色するのではなく肉桃色~珊瑚桃色に変色する
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius fuliginosus(ウスズミチチタケ)
柄のサイズの範囲が重なる
乳液が白色
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくイギリスなどに分布する
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり傘が淡い帯灰褐色ではなく暗い煤褐色~琥珀煤褐色
本種と異なり肉が傷つくと帯黄褐色に変色するのではなく赤変する
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius subplinthogalus(ヒロハウスズミチチタケ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく米国などに分布する
本種と異なり傘が類白色~帯黄色(淡黄褐色)
本種と異なり乳液が濃い帯ばら鮭肉色に変色する
本種より担子器の幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius friabilis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種と異なり肉が傷つくと汚橙桃色~橙色に変色する
本種と異なり乳液が乾燥すると帯桃色に変色する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius oomsisiensis
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくパプアニューギニアなどに分布する
本種と異なり傘が帯黄橙色~淡褐色
本種より柄の幅が狭い
本種と異なり乳液が緩やかに帯桃色に変色する
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius cucurbitoides
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなく韓国などに分布する
本種と異なり傘が淡黄色~淡橙色
本種より柄の幅が狭い
本種と異なり肉が傷つくと帯黄褐色に変色するのではなく帯桃色に変色する
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国広東省肇慶市鼎湖山国家級自然保護区

(新種)

Lactarius verrucosporus G. S. Wang & L. H. Qiu
語源…疣状の胞子の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lactarius crenulatulus
傘の直径の範囲が重なる
担子器のサイズの範囲が重なる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子の装飾の丈が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種より柄の幅が狭い
本種と異なり柄基部が類白色
本種と異なり柄基部表面が粉状
本種と異なり担子胞子表面が独立した疣状ではなく厚い不規則な畝状で独立した疣は稀
本種と異なり縁マクロシスチジアを欠く
本種と異なり側マクロシスチジアを欠く
本種より側偽シスチジアが長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius grabrigrabilis
担子器のサイズの範囲が重なる
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子の装飾の丈が類似している
縁マクロシスチジアのサイズの範囲が重なる
側マクロシスチジアのサイズの範囲が重なる
側シスチジアの長さの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種より傘の最大直径が大きい
本種と異なり傘に顕著な尖った乳頭突起を有する
本種より柄の最大長が長い
本種と異なり柄の幅が非常に狭い
本種と異なり担子胞子表面が独立した疣状ではなく不完全な網目状、不完全な畝状、円形~長形の独立した疣状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius perparvus
担子胞子の装飾の丈が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり傘が帯灰橙色~淡灰色
本種より柄のサイズが小さい
本種より担子器の幅が広い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面が独立した疣状ではなく不完全な網目状、不完全な畝状、独立した疣状
本種より側マクロシスチジアの幅が広い
本種より側偽シスチジアが短い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius gracilis(アシボソチチタケ)
担子胞子の装飾の丈が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種より傘の最大直径が大きい
本種と異なり傘に顕著な尖った乳頭突起を有する
本種と異なり傘縁部表面が毛状
本種より柄の最大サイズが大きい
本種と異なり柄の幅が非常に狭い
本種より担子器の幅が広い
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面が独立した疣状ではなく繋がり合う不規則な畝または疣状
本種より側マクロシスチジアのサイズが大きい
本種より側偽シスチジアが長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius laccarioides
担子器のサイズの範囲が重なる
担子胞子の装飾の丈が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくタイなどに分布する
本種より傘の最大直径が大きい
本種より柄の最大サイズが大きい
本種と異なり柄表面が剛毛状
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面が独立した疣状ではなく不完全な網目状、無数の独立した低い疣状
本種と異なり縁マクロシスチジアを欠く
本種と異なり側マクロシスチジアを欠く
本種より側偽シスチジアが長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius camphoratus(ニセヒメチチタケ)
側マクロシスチジアの長さの範囲が重なる
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくノルウェーなどに分布する
本種より傘の最大直径が大きい
本種より柄のサイズが大きい
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
本種と異なり担子胞子表面が独立した疣状ではなく独立した疣状および散在する畝状
本種より縁マクロシスチジアが長い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lactarius areolatus
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくメキシコなどに分布する
本種より傘の直径が大きい
本種より柄のサイズが大きい
本種より担子器の幅が狭い
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の装飾の丈が低い
本種と異なり担子胞子表面が独立した疣状ではなく独立した疣状および散在する畝状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される