(仮訳)ポルトガルの沿岸域で見出された着生地衣の新種、Lecanora sorediomarginata
Rodrigues, SA. et al., 2011. Lecanora sorediomarginata, a new epiphytic lichen species discovered along the Portuguese coast. The Lichenologist. Available at: https://www.cambridge.org/core/journals/lichenologist/article/lecanora-sorediomarginata-a-new-epiphytic-lichen-species-discovered-along-the-portuguese-coast/EEB9A8A8E331E1007011A03050CAE1EE [Accessed August 4, 2017].
【R3-04270】2017/08/05投稿

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3行まとめ

ポルトガルの海岸砂丘および海岸マツ林においてマツ属植物の幹および樹皮上に発生した地衣の一種を検討し、Lecanora sorediomarginataとして新種記載した。
本種は地衣体が帯白灰色の痂状で粉芽塊を生じ、主要な地衣成分として3,5-ジクロロ-2′-O-メチルノルステノスポリン酸を含むことなどで特徴づけられた。
分子系統解析では、本種は類似の地衣成分を含むL. lividocinereaと姉妹群を形成した。
Portugal, Beira Litoral, Figueira da Foz, Dunas de Quiaios

(新種)

Lecanora sorediomarginata Rodrigues, Terrón & Elix
語源…粉芽状の縁部の(子器の性状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Lecanora lividocinerea
ポルトガル沿岸域に分布する
着生地衣である
子器が無柄
地衣成分が類似している(アトラノリンなどを含む)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じlividocinereaグループに含まれる)
本種と異なり地衣体が帯白灰色ではなく帯白灰色~帯黄灰色
本種と異なり地中海沿岸やオーストラリアなどに分布する
本種と異なり地衣体に粉芽を欠く
本種と異なり子器盤が地衣体と同色ではなく淡黄色~淡赤褐色または灰褐色
本種と異なり子器に粉霜を欠くのではなく粉霜を欠くか僅かに帯白灰色の粉霜を伴う
本種と異なりアトラノリンが主要な地衣成分である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lecanora sulphurella
イベリア半島に分布する
子器が無柄
地衣成分が類似している(アトラノリンなどを含む)
本種と異なりマカロネシアなどにおける分布が知られている
本種と異なり岩上生地衣である
本種と異なり地衣体が帯白灰色ではなく灰色~明るい黄色
本種と異なり子器盤が地衣体と同色ではなく黒色
本種と異なり子器盤の縁部が永存性
本種と異なり子器に粉霜を欠くのではなく僅かに粉霜を有する
本種と異なりアトラノリンおよびクロロアトラノリンが主要な地衣成分である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ochrolechia microstictoides
同所的に分布する(ポルトガル)
老成した地衣体が形態的に類似している(混同のおそれがある)
地衣体縁部の厚さの範囲が重なる
本種と異なり地衣体縁部が基質内部または非常に薄く基質上にあるのではなく顕著に基質上にある
本種と異なり共生藻の分布が一様ではなく疣のみに分布するのではなく一様に分布する
本種と地衣成分がかなり異なる
Ochrolechia arborea
同じマツ属植物を宿主とする
宿主の幹および枝に発生することがある
形態的に類似している(混同のおそれがある)
地衣体縁部の厚さの範囲が重なる
粉芽塊が融合することがある
本種より地衣体の疣の直径が大きい
本種と異なり地衣成分としてジロホール酸、リケキサントンなどを含む
Lecanora expallens
同所的に分布する(ポルトガル)
粉芽塊が融合することがある
子器の直径の範囲が重なる
子器縁部が粉芽状になる
地衣成分としてウスニン酸を含む
本種と異なり子器盤が淡褐色~暗褐色ではなく鈍黄色、暗赤色など多様
本種と異なり地衣体が淡黄色または緑色
本種と異なり地衣成分としてチオファン酸、ゼオリンなどを含む
Lecanora strobilina
同所的に分布する(ポルトガル)
地衣成分としてウスニン酸を含む
本種と異なり地衣体が帯白灰色ではなく帯緑色~帯黄灰色
本種と異なり地衣体に粉芽を欠く
本種より子器の直径が小さい
本種と異なり子器盤が地衣体と同色ではなく黄褐色~橙褐色
本種と異なり地衣成分としてデカルボキシスクアマト酸(、ゼオリン)を含む
Lecanora allophana f. sorediata
地衣成分としてアトラノリンまたはクロロアトラノリンを含む
本種と異なり地衣体がC陽性でない
本種と異なりアトラノリンまたはクロロアトラノリンが主要な地衣成分である
Lecanora barkmaniana
地衣成分としてアトラノリンまたはクロロアトラノリンを含む
本種と異なり地衣体がC陽性でない
本種と異なりアトラノリンまたはクロロアトラノリンが主要な地衣成分である
Lecanora impudens
地衣成分としてアトラノリンまたはクロロアトラノリンを含む
本種と異なり地衣体がC陽性でない
本種と異なりアトラノリンまたはクロロアトラノリンが主要な地衣成分である
Lecanora norvegica
地衣成分としてアトラノリンまたはクロロアトラノリンを含む
本種と異なり地衣体がC陽性でない
本種と異なりアトラノリンまたはクロロアトラノリンが主要な地衣成分である
Lecanora compallens
地衣成分としてウスニン酸を含む
本種と異なりウスニン酸が痕跡的ではなく主要な地衣成分である
Lecanora flavoleprosa
地衣成分としてウスニン酸を含む
本種と異なりウスニン酸が痕跡的ではなく主要な地衣成分である
Lecanora conizaeoides
地衣体が小区画状
粉芽塊が融合する
果托に粉芽を有することがある
本種と異なり地衣成分としてフマルプロトセトラル酸を含む
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(lividocinereaグループではなくvariaグループに含まれる)
Lecanora variolascens
地衣体が亀裂状~小区画状
地衣成分としてアトラノリンを含む
本種と異なり粉芽塊が融合することが稀
本種と異なりアトラノリンおよびプソロミン酸が主要な地衣成分である