(仮訳)新組み合わせLentinula ixodesおよびブラジル新産種
Oliveira, JJS. et al., 2022. Lentinula ixodes comb. nov. (Omphalotaceae, Agaricales) including new records in Brazil. Mycoscience. Available at: https://www.jstage.jst.go.jp/article/mycosci/advpub/0/advpub_MYC586/_article/-char/ja [Accessed September 28, 2022] 【R3-09917】2022/9/28投稿

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3行まとめ

ブラジル、アマゾンの森林で採集された菌を検討し、ガイアナから最初に記載され、Lentinula boryanaのシノニムとされていたAgaricus ixodesの特徴と一致することを示した。
分子系統解析でこの種がL. boryanaと異なることを示し、当該種をLentinula属に移した。
交配試験により本種が同所的に分布するL. raphanicaと別種であることを示した。

(新組み合わせ、ブラジル新産種)

Lentinula ixodes (Mont.) J.S. Oliveira, T.S. Cabral, R. Vargas-Isla & N.K. Ishikawa
旧名:Collybia ixodes (Mont.) Sacc.
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【よく似た種との区別】
Lentinula raphanica
同所的に分布する(ブラジル)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面に最終的に微細な鱗片を有するという特徴を欠く
本種との交配試験で生殖的隔離を示す
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lentinula boryana
形態的に類似している(従来この種と同種にされていた)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルおよびガイアナではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり傘が濃橙褐色ではなく類白色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子のサイズに2型があるという特徴を欠く
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
本種より縁シスチジアが棍棒形
本種と異なり傘表皮菌糸が顕著に色素結晶を伴うという特徴を欠く
本種と異なり傘表皮菌糸が厚壁でない
本種より柄シスチジアが短い
本種と異なり柄シスチジアが類便腹形~棍棒形
本種との交配試験で生殖的隔離を示す
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lentinula guarapiensis
南米に分布する
柄が側生~ほぼ側生する
柄が円筒形で屈曲する
本種と異なりブラジルおよびガイアナではなくパラグアイに分布する
本種と異なり襞が上生~湾生し短い垂生する小歯を有する
本種と異なり襞縁部が歯牙状
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子のサイズに2型があるという特徴を欠く
本種と異なり縁シスチジアを欠く
本種と異なり傘表皮菌糸が顕著に色素結晶を伴うという特徴を欠く
Lentinula lateritia
担子胞子のサイズが類似している
縁シスチジアの形態が類似している
傘肉の構造が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジルおよびガイアナではなくオーストラリアなどに分布する
本種より子実体のサイズがずっと大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり襞が成熟しても変色しないのではなく黄色または帯紫褐色になる
本種より柄のサイズが大きい
本種と異なり柄が時に紫褐色を呈する
本種と異なり柄のつば領域に被膜の痕跡を伴う
本種より担子胞子の幅が僅かに広い
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される