(仮訳)発光性クヌギタケ属菌:新種および特筆すべき種
Desjardin, DE. et al. 2010. Luminescent Mycena: new and noteworthy species. Mycologia. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20361513 [Accessed March 15, 2017].
【R3-03841】2017/03/15投稿

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3行まとめ

発光性のクヌギタケ属7種を報告し、そのうちMycena luxaeternaなど4種を新種記載した。
また、残りの3種は既知種であったが、本研究で生物発光を初めて報告した。
M. subepipterygiaM. margaritaのシノニムとし、Mycena chlorophosのタイプ標本を検討した。
Malaysia, Borneo, Sabah, Sepilok, Sepilok Orang-Utan Rehabilitation Center, Mangrove Trail

(新種)

Mycena silvaelucens B.A. Perry & Desjardin
語源…森の光の
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【よく似た種との区別】
Mycena illiria
本種と異なりマレーシアではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり樹皮ではなくリターに生じる
本種と異なり傘が暗褐色~ほぼ黒色
本種と異なり傘が広円錐形~中高
本種と異なり襞が上生する
本種と異なり脈間襞を欠く
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
本種と異なり柄表皮の菌糸に結節状の突起を有する
Mycena australiana
本種と異なりマレーシアではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なり傘が材木色
本種と異なり傘が円錐状鐘形
本種と異なり襞が直生する
本種と異なり脈間襞を欠く
本種と異なり柄基部表面が粉状
本種と異なり柄の基部に放射状に伸びる菌糸体を伴わない
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種より縁シスチジアの幅が狭い
本種と異なり柄表皮の菌糸に結節状の突起を有する
Brazil, São Paulo state, Mun. Iporanga, Parque Estadual Turı´stico do Alto Ribeira, Poço da Viúva

(新種)

Mycena luxaeterna Desjardin, B.A. Perry & Stevani
語源…永遠の光の(モーツァルトのレクイエムに因む)
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【よく似た種との区別】
Roridomyces roridus(ヌナワタケ)
肉眼的形態が非常に類似している
本種と異なり傘表皮が厚い粘毛被ではなく子実層状被
Mycena epipterygia(キナメアシタケ)
傘表皮が厚い粘毛被
本種と異なり傘の表皮を容易に剥がすことができる
本種と異なり襞の縁部が柔軟な糸状で剥がすことができる
本種と異なり縁シスチジアが棍棒形で頂部に樹枝状突起を有する
本種と異なり縁シスチジアがゼラチン質に埋まる
Mycena pseudoclavicularis
本種と異なりブラジルではなく米国などに分布する
本種と異なりイエローパインの残渣に発生する
本種と異なり柄表面がゼラチン質でない
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり側シスチジアを有する
本種より縁シスチジアの幅が広い
本種と異なり柄表皮の菌糸を密な樹枝状突起が覆う
Mycena roriduliformis
本種と異なりブラジルではなくジャマイカなどに分布する
本種と異なり柄表面がゼラチン質でない
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より縁シスチジアの幅が広い
本種と異なり縁シスチジアが紡錘形~類棍棒形で頂部がしばしば浅裂する
本種と異なり傘表皮が粘毛被ではなく平行菌糸被
Mycena euspeirea
本種と異なりブラジルではなくキューバ、ホンジュラス、ベネズエラなどに分布する
本種と異なり傘の表皮を剥がすことができる
本種と異なり柄の表皮を剥がすことができる
本種と異なり子実下層がゼラチン質
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり側シスチジアを有する
本種より縁シスチジアの幅が広い
本種と異なり傘表皮の菌糸表面が平滑
Mycena conspersa
ブラジルに分布する
本種と襞の間隔が異なる
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種と担子胞子のサイズが異なる
本種と縁シスチジアの形状が異なる
本種と傘表皮の構造が異なる
本種と柄表皮の構造が異なる
Mycena demissa
ブラジルに分布する
本種と襞の間隔が異なる
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種と担子胞子のサイズが異なる
本種と縁シスチジアの形状が異なる
本種と傘表皮の構造が異なる
本種と柄表皮の構造が異なる
Mycena surculosa
ブラジルに分布する
本種と襞の間隔が異なる
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種と担子胞子のサイズが異なる
本種と縁シスチジアの形状が異なる
本種と傘表皮の構造が異なる
本種と柄表皮の構造が異なる
Mycena tapeina
ブラジルに分布する
本種と襞の間隔が異なる
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種と担子胞子のサイズが異なる
本種と縁シスチジアの形状が異なる
本種と傘表皮の構造が異なる
本種と柄表皮の構造が異なる
Mycena luxperpetua
肉眼的形態がほとんど識別困難なほど類似している
本種と異なりブラジルではなくプエルトリコに分布する
本種より子実体のサイズが小さい
本種より傘の直径が小さい
本種と異なり襞縁部に乾燥時橙色の樹脂状滲出物を伴わない
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なり柄が白色ではなく黄色
本種と異なり柄表面が厚い透明なゲルに覆われるのではなくほとんど粘性を欠く
本種より担子胞子の幅が広い
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり側シスチジアを有する
本種と異なり縁シスチジアが紡錘状便腹形ではなく偽頭状円筒形
本種と異なり傘下表皮が発達する
Puerto Rico, El Verde research area, almost to the ridge above footbridge over the Q. Sonadora

(新種)

Mycena luxperpetua Desjardin, B.A. Perry & Lodge
語源…永遠の光の(モーツァルトのレクイエムに因む)
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【よく似た種との区別】
Mycena luxaeterna
肉眼的形態がほとんど識別困難なほど類似している
本種と異なりプエルトリコではなくブラジルに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘の直径が大きい
本種と異なり襞縁部に乾燥時橙色の樹脂状滲出物を伴う
本種より柄のサイズが大きい
本種と異なり柄が黄色ではなく白色
本種と異なり柄表面がほとんど粘性を欠くのではなく厚い透明なゲルに覆われる
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり側シスチジアを欠く
本種と異なり縁シスチジアが偽頭状円筒形ではなく紡錘状便腹形
本種と異なり傘下表皮が発達しない
Brazil, Paraná state, Mun. Jacarezinho, between Fazenda São João and Fazenda Califórnia

(新種)

Mycena luxarboricola Desjardin, B.A. Perry & Stevani
語源…発光し樹木に生息する
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【よく似た種との区別】
Mycena fera
ブラジル、パラナ州に分布する
子実体に発光性が知られている
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より縁シスチジアの樹枝状突起の数が少ない
本種より縁シスチジアの樹枝状突起が長い
本種と異なり柄シスチジアを欠く
Mycena globulispora
ブラジル、パラナ州に分布する
本種と異なり傘が暗い帯灰褐色
本種と異なり柄が白色
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり縁シスチジア頂部に僅かに小刺を有する
本種と異なり側シスチジアが疎らに生じる
本種と異なり傘表皮の菌糸が僅かだが比較的長く粗い樹枝状突起に覆われる
本種と異なり柄表皮の菌糸が僅かだが比較的長く粗い樹枝状突起に覆われる
Mycena recessa
ブラジル、パラナ州に分布する
本種と異なりタケの枝に発生する
本種より柄が短い
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり縁シスチジア頂部に僅かに小刺を有する
本種と異なり柄表皮の菌糸表面が平滑
Mycena hypsizyga
南米に分布する
本種と異なりブラジルではなくアルゼンチンなどに分布する
本種より柄が短い
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より縁シスチジアの幅が狭い
本種と異なり菌糸にクランプを欠く
Mycena melinocephala
南米に分布する
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりブラジルではなくアルゼンチンなどに分布する
本種と異なり傘が黄褐色~淡褐色ではなく黄色
本種と異なり傘中央が臍状に窪む
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく類球形~楕円形
本種と異なり傘表皮の菌糸に長い樹枝状突起を有する
Mycena abieticola
本種と異なりブラジルではなくメキシコなどに分布する
本種と異なりAbies religiosaを宿主とする
本種と異なり襞が弓状垂生ではなく斜上直生~広く直生する
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
本種と異なり担子器の基部にクランプを欠く
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より縁シスチジアの樹枝状突起が長い
本種と異なり主にクランプを欠く菌糸を有する
Mycena supina
本種と異なりブラジル以外の地域から知られている
本種と異なり傘が黄褐色~淡褐色ではなく暗セピア色~暗褐色
本種より襞の数が多い
本種より柄表面が強い粉状
本種と異なり子実体に発光性が知られていない
本種と異なり柄シスチジアを豊富に有する

(北米、米国新産種)

Mycena aspratilis Maas Geest. & de Meijer
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(その他掲載種)

Mycena margarita (Murrill) Murrill
M. subepipterygiaを本種のシノニムとした。
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【よく似た種との区別】
Mycena chlorophos(ヤコウタケ)
同じExornatae節に含まれる
子実体に発光性が知られている
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より縁シスチジアのサイズが大きい
本種と異なり縁シスチジアが紡錘状便腹形~広棍棒状嘴形で先端が短い嘴状なのではなく紡錘状~紡錘状便腹形で頂部が細まり先端が尖る
本種と異なり傘縁部付近の縁シスチジア頂部に長い突起を有する
本種より傘縁部の細胞のサイズが小さい
本種と異なり傘縁部の細胞の表面がほとんどの場合平滑という特徴を欠く
本種と異なり菌糸にループ状のクランプを多数有するという特徴を欠く

(その他掲載種)

Mycena chlorophos (Berk. & M.A. Curtis) Sacc.
ヤコウタケ
Agaricus cyanophosのレクトタイプ標本およびエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Mycena margarita
同じExornatae節に含まれる
子実体に発光性が知られている
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
本種と異なり縁シスチジアが紡錘状~紡錘状便腹形で頂部が細まり先端が尖るのではなく紡錘状便腹形~広棍棒状嘴形で先端が短い嘴状
本種と異なり傘縁部付近の縁シスチジア頂部に長い突起を欠く
本種より傘縁部の細胞のサイズが小さい
本種と異なり傘縁部の細胞の表面がほとんどの場合平滑
本種と異なり菌糸にループ状のクランプを多数有する
Mycena discobasis
同じExornatae節に含まれる
本種と異なり傘が中央部が淡い帯黄褐色または黄褐色~帯灰褐色、縁部がほぼ白色~淡色ではなく白色~帯灰白色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり縁シスチジア頂部に突起を欠く

※この他にMycena aff. abieticolaを掲載した。