(仮訳)ヨーロッパ産のホコリタケ類の2新種、Lycoperdon rupicolaおよびL. subumbrinum
Jeppson, M., Larsson, E. & Martin, M., 2012. Lycoperdon rupicola and L. subumbrinum: two new puffballs from Europe. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-011-0804-8 [Accessed February 3, 2014].
【R3-00351】2014/02/03投稿

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3行まとめ

ヨーロッパからL. subumbrinumおよびLycoperdon rupicolaを新種記載した。
両種はLarsson & Jeppson (2008) においてホコリタケ属Utraria亜属の未記載種として、それぞれ”sp. 2″および”sp. 3″とされていた種である。
また、L. muscorumをイベリア半島(スペイン)新産種として報告した。
Sweden, Skane, Torsebro, Torsebro Krutbruk

(新種)

Lycoperdon subumbrinum Jeppson and E. Larss.
語源…Lycoperdon umbrinumに似た
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【よく似た種との区別】
Lycoperdon muscorum
スウェーデンに分布する
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子に柄を持たない
弾糸に弾力がある
ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
生息環境が本種と明瞭に異なり、より湿ったコケの多い環境に発生する
本種と異なり針葉樹林に発生することもある
本種と異なり子実体が洋梨形ではなく頭状
本種と異なり外皮のトゲが永続性
本種と異なり弾糸に稀に隔壁を持つことがある
本種と異なり弾糸が薄壁
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lycoperdon ericaeum(ヒタチノスナジホコリタケ)
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子に柄を持たない
本種と異なり落葉樹林ではなく乾燥したヒースランドや草地に発生する
本種と異なり子実体が洋梨形ではなく類球形~洋独楽形
本種と異なり外皮のトゲが永続性
本種と異なり弾糸に弾力がなく脆い
本種と異なり弾糸に多数の孔を持つ
本種と異なり弾糸に多数の隔壁を持つ
本種と異なり弾糸が薄壁
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lycoperdon umbrinum(ツブホコリタケ)
スウェーデンに分布する
肉眼的形態が類似している
子実体が洋梨形
外皮のトゲが脱落性
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子に柄を持たない
弾糸に弾力がある
本種と異なり落葉樹林ではなく針葉樹林に発生する
本種と担子胞子の装飾が異なる
本種と異なり弾糸に孔を持つことが稀
本種と異なり弾糸に稀に隔壁を持つことがある
本種と異なり弾糸の壁が厚壁ではなく中程度
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lycoperdon estonicum
肉眼的形態が類似している
子実体が洋梨形
担子胞子のサイズの範囲が重なる
弾糸に弾力がある
弾糸にしばしば大きな孔が散在する
弾糸に隔壁を持たない
本種と異なりエストニアのみから知られている
本種と異なり落葉樹林ではなく針葉樹林に発生する
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子に柄を持つ
本種と異なり弾糸が薄壁
Lycoperdon lambinonii
肉眼的形態が類似している
子実体が洋梨形
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子の装飾が類似する
担子胞子に柄を持たない
弾糸に弾力がある
弾糸が厚壁
本種と異なり針葉樹林に発生することもある
本種と異なり子実体が類球形のこともある
本種と異なり外皮のトゲが永続性
本種より担子胞子のサイズが顕著に小さい
本種と異なり弾糸に孔を持つことが稀で、サイズも小さい
本種と異なり弾糸に稀に隔壁を持つことがある
Norway, Oppland, Nordre Land, Nordsinni, Møllersfossen

(新種)

Lycoperdon rupicola Jeppson, E. Larss. and M.P. Martin
語源…岩に生える
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【よく似た種との区別】
Lycoperdon dermoxanthum(チビホコリタケ)
スウェーデンに分布する
ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lycoperdon ericaeum(ヒタチノスナジホコリタケ)
スウェーデンに分布する
形態的に類似している
担子胞子の装飾のタイプがほぼ同じ
弾糸に孔を持つ
本種と異なり珪質岩のコケの上ではなく乾燥したヒースランドや草地などの土壌に発生する
本種より通常子実体のサイズが大きい
本種と異なり子実体が帯灰色~カフェオレ色
本種ほど口の部分が突出せず平らになる
本種と異なり口の部分が星状ではなく不規則に裂ける
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Lycoperdon niveum
形態的に類似している
弾糸の形態が類似している
本種と異なり極地または高山帯に分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり口の部分が平ら
本種より外皮の装飾が顕著
本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい
本種より弾糸が脆い
本種より弾糸に多数の孔を持ちサイズも大きい
Bovista acuminata
ヨーロッパに分布する
形態的にやや類似している
コケの生えた上に発生する
本種と異なり樹木の幹や材に発生する

(スペイン新産種・イベリア半島新産種)

Lycoperdon muscorum Peck
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【よく似た種との区別】
Lycoperdon subumbrinum
スウェーデンに分布する
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子に柄を持たない
弾糸に弾力がある
ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
生息環境が本種と明瞭に異なり、落葉樹林に発生する
本種と異なり子実体が頭状ではなく洋梨形
本種と異なり外皮のトゲが脱落性
本種と異なり弾糸に孔を持たない
本種と異なり弾糸が厚壁
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される