(仮訳)オーストラリアにおいて芝草にパッチ病を引き起こすMagnaporthiopsis属菌
Wong, PTW. et al., 2022. Magnaporthiopsis species associated with patch diseases of turfgrasses in Australia. Mycosphere. Available at: https://eprints.usq.edu.au/49457/1/Wong%20et%20al%202022%20MYCOSPHERE_13_1_5.pdf [Accessed August 19, 2022] 【R3-09796】2022/8/19投稿

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3行まとめ

オーストラリアのクイーンズランド州およびニューサウスウェールズ州において競技場とゴルフ場の芝生に発生したパッチ病を検討した。
草本の根から分離されたMagnaporthiopsis dharugなど4新種を記載した。
各種の同定には分子系統解析が唯一信頼できる手法であったが、PDA培地でのコロニーの色や分生子のサイズ、形状などが異なる種もあった。
Australia, New South Wales, Manly

(新種)

Magnaporthiopsis dharug P Wong, YP Tan, TL Weese & RG Shivas
語源…先住民族のダルグ族に献名
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【よく似た種との区別】
Magnaporthiopsis poae
同じイネ科植物を宿主とする
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく米国などに分布する
本種と異なり子嚢果を形成する
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なりPDA培地でのコロニーが暗黄褐色ではなく灰色または帯オリーブ褐色
本種と異なりPDA培地でのコロニー表面に小さな帯灰黄褐色の殻皮を伴うという特徴を欠く
本種と異なりPDA培地でのコロニーに中央部から放射状に広がる暗色の菌糸体からなる太い菌糸束を生じる
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Magnaporthiopsis rhizophila
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子嚢果を形成する
本種と異なりPDA培地でのコロニーが暗黄褐色ではなく濃灰色~帯オリーブ黒色
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, New South Wales, Darlinghurst

(新種)

Magnaporthiopsis gadigal P Wong, YP Tan, TL Weese & RG Shivas
語源…先住民族のガディガル族に献名
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【よく似た種との区別】
Magnaporthiopsis gumbaynggirr
オーストラリアに分布する
同じイネ科植物を宿主とする
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりPennisetum clandestinumではなくCynodon dactylonを宿主とする
本種と異なりPDA培地でのコロニーが黒色でない
本種と異なりPDA培地でのコロニー表面に小さな白色の菌糸体が凝集した殻皮状構造を伴うという特徴を欠く
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Magnaporthiopsis incrustans
同じイネ科植物を宿主とする
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく米国などに分布する
本種と異なりPennisetum clandestinumではなくZoysia matrellaなどを宿主とする
本種と異なりPDA培地でのコロニーが黒色でない
本種と異なりPDA培地でのコロニー表面に小さな白色の菌糸体が凝集した殻皮状構造を伴うという特徴を欠く
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, New South Wales, Coffs Harbour

(新種)

Magnaporthiopsis gumbaynggirr P Wong, YP Tan, TL Weese & RG Shivas
語源…先住民族のグムバインギル族に献名
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【よく似た種との区別】
Magnaporthiopsis gadigal
オーストラリアに分布する
同じイネ科植物を宿主とする
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりCynodon dactylonではなくPennisetum clandestinumを宿主とする
本種と異なりPDA培地でのコロニーが黒色
本種と異なりPDA培地でのコロニー表面に小さな白色の菌糸体が凝集した殻皮状構造を伴う
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Magnaporthiopsis incrustans
同じイネ科植物を宿主とする
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストラリアではなく米国などに分布する
本種と異なりCynodon dactylonではなくZoysia matrellaなどを宿主とする
本種より分生子のサイズが小さい
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, Queensland, Arundel

(新種)

Magnaporthiopsis yugambeh P Wong, YP Tan, TL Weese & RG Shivas
語源…先住民族のユガンベ族に献名
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【よく似た種との区別】
Magnaporthiopsis cynodontis
同じイネ科植物を宿主とする
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
分生子のサイズが類似している
本種と異なりオーストラリアではなく米国などに分布する
本種と異なり分生子が幅狭い三日月形のことがあるという特徴を欠く
ITS+RPB1+TEF1αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される