(仮訳)スウェーデン産のコケ生息性地衣の新種、Micarea capitata
Svensson, M. & Thor, G. 2011. Micarea capitata, a new bryophilous lichen from Sweden. The Lichenologist. Available at: https://doi.org/10.1017/S0024282911000338 [Accessed September 20, 2019] 【R3-06606】2019/9/20投稿

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3行まとめ

スウェーデンの亜寒帯林においてイワダレゴケに生じた地衣の一種を検討し、Micarea capitataとして新種記載した。
本種は子器が小型黒色で基部が狭窄し、子実下層が斑状で、子嚢胞子に(0-)1隔壁を有することなどで特徴づけられた。
本種は小型で見過ごされやすく、宿主は僅かに退色し、確定はできないが寄生性を有する可能性が考えられた。
Sweden, Härjedalen, Tännäs parish, the E slope of Mt. Ramundberget, above the holiday village of Kvarnbäcken

(新種)

Micarea capitata M. Svensson & G. Thor
語源…頭の(子器の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Micarea hylocomii
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子器の色が類似している
子嚢胞子の幅の範囲が重なる
本種と異なりスウェーデンではなくアルプス山脈およびノルウェーに分布する
本種と異なり子器がいくぶん固着する
本種より子器のサイズが小さい
本種と異なり子器の基部が明瞭に狭窄するという特徴を欠く
本種と子器に含まれる色素の種類が異なるとみられる
本種より子嚢胞子の平均幅が狭い
本種と異なり側糸が分枝、吻合するのではなく分枝しないか稀に疎らに分枝する
本種より側糸先端の最大幅が大きい
本種と異なり側糸先端に時に帯緑色の帽を伴うのではなく暗褐色または黒色の色素に覆われる
Micarea botryoides
子器の基部が狭窄する
子嚢胞子のサイズが類似している
子嚢胞子の隔壁が類似している
本種と異なり子実下層が帯赤褐色
本種と異なり側糸に2型を有する
本種と異なり粉子器を有する
Micarea melaena
コケに生じることがある
子器の形状が類似している
本種と異なりコケではなく主に樹皮または材に生じる
本種より地衣体が良好に発達する
本種と異なり地衣体がC+赤色
本種と異なり子実下層に暗紫色の色素を含む
本種と異なり子実下層がK+緑色
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が(0-)1ではなくほとんどの場合3
本種と異なり地衣成分としてジロホール酸を含む
Micarea prasinella
コケに生じることがある
子器が黒色
子器の基部が狭窄する
子嚢胞子の隔壁数が主に1
本種より地衣体が良好に発達する
本種より子器が顕著な有柄
本種と異なり子器にK+紫色または緑色の色素を含む
本種と異なり地衣成分としてジロホール酸を含む
Micarea turfosa
コケ生地衣である
子実下層が斑状
本種と異なり地衣体が黒色
本種と異なり子実下層が帯黒緑色ではなく帯赤褐色
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
Helocarpon crassipes
亜高山帯に分布する
コケ生地衣である
本種より地衣体が良好に発達する
本種と異なり子器に紫褐色の色素を含む
本種より果托がずっと発達する
Arthonia muscigena
コケに生息する
形態的に類似している(ルーペで観察した場合)