(仮訳)イギリスにおいてコムギの根から分離された新種、Microdochium triticicola
Kwaśna, H. & Bateman, GL. 2007. Microdochium triticicola sp. nov. from roots of Triticum aestivum in the United Kingdom. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/15572536.2007.11832539 [Accessed July 25, 2020] 【R3-07530】2020/7/24投稿

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3行まとめ

イングランドにおいてコムギやオオムギの根から頻繁に分離されてきた菌を検討し、Microdochium triticicolaとして新種記載した。
本種の分生子形成様式はDactylaria属のそれに類似し、直線状の分生子を形成する点も一般的でなかった。
また、既知のMicrodochium属菌の形態形質を一覧表にまとめた。
Rothamsted Farm, Harpenden, Hertfordshire, UK

(新種)

Microdochium triticicola Kwasna & G.L. Bateman
語源…コムギ属に生息する
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Microdochium phragmitis
同じイネ科植物から分離される
分生子柄が小型
分生子柄が乳頭状
分生子形成部位あたり1つまたはそれ以上の分生子を生じる
分生子形成様式が全出芽型で複数の形成部位がシンポジオ状あるいは同時に生じる
分生子が無色
分生子の隔壁数が0-1
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコムギ属ではなくカモガヤ属やヨシ属などから分離される
本種と異なり宿主の根ではなく生葉および枯葉などから分離される
本種と異なり培養下で分生子形成細胞が気生菌糸上に側生するか、あるいは凝集して小型の集まりをなす
本種と異なり分生子形成細胞がin vivoで凝集し、小型で緩い表在性のスポロドキアをなす
本種と異なり分生子形成細胞が伸長、屈曲することがない
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が屈曲しやや鎌形で頂部が鈍頭あるいは類尖形で先細りになり、基部が倒円錐形截断状
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Microdochium bolleyi
同じコムギを宿主とする
分生子形成様式が出芽型でシンポジオ状
宿主の根から分離される
PDA上での培養性状が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より培養下での生長が速い
本種より培養下での胞子形成が豊富
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Microdochium nivale
同じコムギを宿主とする
宿主の根から分離される
分生子形成様式が出芽型
PDA上での培養性状が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子形成細胞が貫生伸長する
本種より培養下での生長が速い
本種より培養下での胞子形成が豊富
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Microdochium cylindricum
分生子が直線状
本種より分生子が長い
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子が円筒形直線状で顕著に膨大し、頂部および基部が鈍頭
Microdochium punctum
分生子が直線状
本種より分生子のサイズがずっと大きい