(仮訳)新属新種Woswasia atropurpureaの分子系統:球形の子嚢胞子と全出芽型の分生子形成様式を持つ菌寄生性の子嚢菌
Jaklitsch, W., Réblová, M. & Voglmayr, H., 2013. Molecular systematics of Woswasia atropurpurea gen. et sp. nov. (Sordariomycetidae), a fungicolous ascomycete with globose ascospores and holoblastic conidiogenesis. Mycologia. Available at: http://www.mycologia.org/content/105/2/476.short [Accessed May 4, 2014].
【R3-00679】2014/05/04投稿

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3行まとめ

イタリアでDiaporthe oncostomaの子座に発生した菌寄生菌を、新属新種のWoswasia atropurpureaとして記載した。
本種は無色球形の子嚢胞子を形成することや、分生子形成様式が全出芽型であること、子座が明瞭なpH依存性の呈色反応を示すことなどで特徴づけられた。
本種は形態的にはAmplistroma属菌に類似したが、分子系統解析では遠縁で、むしろ水生菌のCyanoannulus属菌と姉妹群を形成したが、目以下の所属は未定となった。
Italy, Lombardia: Brescia, Provaglio Valsabbia, near Livrio, at the brook Reaclino

(新種)

Woswasia atropurpurea Jaklitsch, Réblová & Voglmayr.
語源…オーストラリア英語で「私が何を知っているというのか」を意味する”Wos was i”より(分類学的位置が未確定であることから)/暗紫色の(子座表面の色から)
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【よく似た種との区別】
Cyanoannulus petersenii
子嚢殻が埋生する
子嚢の頂部にコットンブルー水溶液で青色の呈色反応を示すリングを持つ
子嚢胞子が無色
LSU+SSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり陸上ではなく淡水の環境に生息する
本種と異なり子嚢殻が暗褐色~黒色ではなく帯赤褐色
本種と異なり子嚢が円筒形ではなく紡錘形
本種と異なり子嚢の柄が短い
本種と異なり子嚢胞子に隔壁を持つ
本種と異なり子嚢胞子の両末端の細胞に粘液質の鞘に覆われる孔がある
LSU+SSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ceratolenta caudata
子嚢殻が暗色
子嚢殻が埋生する
子嚢に長い柄を持つ
子嚢胞子が無色
子嚢胞子が楕円形
LSU+SSU+rpb2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子座を形成しない
本種と異なり子嚢が円筒形ではなく棍棒形
本種と異なり子嚢頂部のリングがコットンブルー水溶液に対する呈色反応を示さない
本種と異なり子嚢胞子に隔壁(3隔壁)を持つ
LSU+SSU+rpb2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amplistroma spp.
形態的に類似している
子座を形成する
子嚢が円筒形
子嚢に長い柄を持つ
子嚢胞子が無色
子嚢胞子が球形~楕円形
子嚢胞子が単細胞
子嚢胞子のエピスポアが顕著
側糸を多数形成する
子嚢殻の内腔の側面および底面から側糸が生じる
分生子形成様式が全出芽型
分生子柄がシンポジオ状に伸長する
分生子が無色
本種と子座の顕微鏡的形質が異なる
本種と異なり子嚢胞子が疣状ではなく平滑
本種とアナモルフの形質が異なる
LSU+SSU+rpb2に基づく分子系統解析で遠縁
Wallrothiella spp.
形態的に類似している
子嚢が円筒形
子嚢が長い柄を持つ
子嚢胞子が無色
子嚢胞子が球形~楕円形
子嚢胞子が単細胞
子嚢胞子のエピスポアが顕著
子嚢殻の内腔の側面および底面から側糸が生じる
分生子形成様式が全出芽型
分生子柄がシンポジオ状に伸長する
分生子が無色
本種と異なり子嚢殻の壁の中層に多角形~不規則形の無色の崩壊性の細胞を含む
本種と異なり子嚢胞子が疣状ではなく平滑
本種とアナモルフの形質が異なる
LSU+SSU+rpb2に基づく分子系統解析で遠縁