(仮訳)ブナ科と関係を持つSarcodon imbricatus種複合体の一種、S. quercinofibulatusの分子による検証およびコウタケ属についての記録
Vizzini, A. et al., Molecular validation of Sarcodon quercinofibulatus, a species of the S. imbricatus complex associated with Fagaceae, and notes on Sarcodon. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-012-0851-9 [Accessed December 8, 2013].
【R3-00102】2013/12/08投稿

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3行まとめ

イタリアおよびメキシコ産のSarcodon imbricatus種複合体の未同定種を、2011年にスペインから新種記載されたSarcodon quercinofibulatusと同定した。
また、従来Sarcodon imbricatusのシノニムとして扱われてきたアジア産のSarcodon aspratusを独立種と認めた。
分子系統解析により、コウタケ属に設けられた4つの節がそれぞれ単系統群をなすことを確認した。

(イタリア・メキシコ新産種)

Sarcodon quercinofibulatus Perez-De-Greg., Macau & J. Carbo
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【よく似た種との区別】
Sarcodon imbricatus
本種と同じくヨーロッパに分布する
肉眼的形質が類似している
顕微鏡的形質が本種とほぼ同一
本種と同様にクランプを持つ
本種と異なりブナ科ではなくトウヒ属樹木と関係を持つとされる
本種よりも傘が濃色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sarcodon squamosus(マツシシタケ)
本種と同じくヨーロッパに分布する
肉眼的形質が類似している
顕微鏡的形質が本種とほぼ同一
本種と同様にクランプを持つ
本種と異なりブナ科ではなくマツ属樹木と関係を持つとされる
本種よりも傘が濃色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sarcodon aspratus(コウタケ)
本種と同じくコナラ属樹木と関係を持つ
肉眼的形質が類似している
顕微鏡的形質が本種とほぼ同一
本種と同様にクランプを持つ
本種と異なりアジアに分布する
本種と異なり甘草のような臭いや不快臭ではなく、甘い芳香を発する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sarcodon scabrosus
本種と同じくイタリアに分布する
本種と同じくヨーロッパグリの樹下に発生する
本種と異なり傘が紫色を帯びる
本種と異なり柄の基部が帯灰青色になる
本種と異なり甘草のような臭いや不快臭ではなく、穀粉臭がある
本種と異なり味が非常に苦い
本種と異なりクランプを欠く
Sarcodon regalis
本種と同じくヨーロッパグリの樹下に発生する
本種と肉眼的形態がかなり異なる
本種と異なりクランプを欠く
Sarcodon underwoodii(ケロウジモドキ)
本種と同じくヨーロッパに分布する
本種と同じく広葉樹と関係を持つ
形態が一見似ている
本種と生息地、色、味、臭い、担子胞子のサイズなどにかなりの違いがある
本種と異なりクランプを欠く

(その他掲載種)

Sarcodon aspratus (Berk.) S. Ito
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※これまでSarcodon imbricatusにあてられてきたコウタケの和名は、本種に相当すると考えられる(大菌輪のページには未反映)

【よく似た種との区別】
Sarcodon imbricatus
本種と同様にクランプを持つ
本種と異なりヨーロッパなどに分布する
本種と異なりコナラ属ではなくトウヒ属樹木と関係を持つとされる
本種より傘の鱗片が大きい
本種と異なり甘い芳香ではなくやや不快な臭いを発する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Sarcodon squamosus(マツシシタケ)
本種と同様にクランプを持つ
本種と異なりヨーロッパなどに分布する
本種と異なりコナラ属ではなくマツ属樹木と関係を持つとされる
本種より傘の鱗片が大きい
本種と異なり甘い芳香ではなく刺激的な芳香を発する
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される