(仮訳)中国産RussulaBrevipes亜属の2新種の形態および分子的根拠
Song, J. et al., 2022. Morphological and Molecular Evidence for Two New Species within Russula Subgenus Brevipes from China. Diversity. Available at: https://www.mdpi.com/1424-2818/14/2/112 [Accessed February 10, 2022] 【R3-09227】2022/2/10投稿

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3行まとめ

中国からRussula subbrevipesおよびR. callainomarginisの2新種を記載した。
前者は標高3400 m以上でのみ採集されており、傘が黄褐色、柄が無毛または綿毛状で果実臭があり、担子胞子が類球形~楕円形で疣状であった。
後者は傘が白色~クリーム色で柄がスポンジ状、襞縁部と柄頂部が淡いターコイズ、刺激臭があり、担子胞子が類球形~楕円形で疣状であった。
中国雲南省デチェン・チベット族自治州シャングリラ市普達措国家公園

(新種)

Russula subbrevipes J.F. Liang & J. Song
語源…Russula brevipes類似の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Russula callainomarginis
中国に分布する
傘の表皮が剝けない
胞子紋が白色
担子胞子が類球形~楕円形
担子胞子の装飾がアミロイド
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘が黄褐色でない
本種と異なり傘が広漏斗形でない
本種と異なり襞縁部がターコイズ色
本種と異なり柄表面が綿毛状でない
本種より肉が薄い
本種と異なり子実体の臭いが果実臭ではなく刺激臭
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子表面が部分的に連結した疣状でない
本種と異なり側シスチジアに帽状の付属物を欠く
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula brevipes
子実体が中型
襞の間隔がやや密~密
柄が短い
胞子紋が類白色
担子胞子の装飾がアミロイド
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくメキシコなどに分布する
本種と異なり針葉樹林のみから報告されている
本種より柄が長い
本種と異なり子実体の臭いが果実臭ではなく特別な臭いを欠くかきのこ臭である
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面がやや網目をなす疣状
本種と異なり側シスチジアに帽状の付属物を欠く
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula leucocarpa
中国に分布する
本種と異なり針葉樹林のみから報告されている
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり襞が二叉分岐する
本種より担子胞子のサイズが小さい
Russula byssina
中国に分布する
本種と異なり針葉樹林のみから報告されている
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり傘縁部の表皮を剝くことができる
本種より柄が短い
本種より担子胞子のサイズが大きい
Russula laevis
傘が黄褐クリーム色~淡い帯褐色
襞の数が豊富である
柄が短い
胞子紋がクリーム色
担子胞子の装飾がアミロイド
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくフィンランドなどに分布する
本種と異なり子実体に辛味がある
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より子実層シスチジアが長い
本種と異なり傘シスチジアに1つまたは2つの中心部の瘤を有する
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国湖北省神農架林区龍降坪

(新種)

Russula callainomarginis J.F. Liang & J. Song
語源…ターコイズの縁の(襞縁部の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Russula subbrevipes
中国に分布する
傘の表皮が剝けない
胞子紋が白色
担子胞子が類球形~楕円形
担子胞子の装飾がアミロイド
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種より子実体のサイズが小さい
本種と異なり傘が黄褐色である
本種と異なり傘が広漏斗形である
本種と異なり襞縁部がターコイズ色でない
本種と異なり柄表面が綿毛状である
本種より肉が厚い
本種と異なり子実体の臭いが刺激臭ではなく果実臭
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面が部分的に連結した疣状である
本種と異なり側シスチジアに帽状の付属物を有する
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula brevipes
子実体が中型
襞の間隔がやや密~密
柄が短い
胞子紋が類白色
担子胞子の装飾がアミロイド
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくメキシコなどに分布する
本種と異なり針葉樹林のみから報告されている
本種と異なり襞縁部がターコイズ色でない
本種より柄が長い
本種と異なり子実体の臭いが果実臭ではなく特別な臭いを欠くかきのこ臭である
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子表面がやや網目をなす疣状
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula delica(シロハツ)
子実体が広漏斗形
柄頂部に青緑色の領域がある
肉が硬い
胞子紋が白色
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくベルギーなどに分布する
本種と異なり襞縁部がターコイズ色でない
本種と異なり子実体にコショウ様または苦い味がある
本種より担子胞子が長い
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula chloroides
子実体が広漏斗形
柄頂部に青緑色の領域がある
肉が硬い
胞子紋が白色
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくカナダなどに分布する
本種と異なり傘が帯黄色~帯赤色
本種と異なり襞が二叉分岐する
本種と異なり子実体の味がコショウ様
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Russula laevis
傘が黄褐クリーム色~淡い帯褐色
襞の数が豊富である
柄が短い
胞子紋がクリーム色
担子胞子の装飾がアミロイド
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり中国ではなくフィンランドなどに分布する
本種と異なり子実体に辛味がある
本種と異なり襞縁部がターコイズ色でない
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種より子実層シスチジアが長い
本種と異なり傘シスチジアに1つまたは2つの中心部の瘤を有する
ITS+nrLSU+RPB2+mtSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される