(仮訳)中国産のAlternariaRadicina節2新種の形態および分子に基づく同定
He, L. et al., 2021. Morphological and molecular identification of two new Alternaria species (Ascomycota, Pleosporaceae) in section Radicina from China. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/64853/ [Accessed April 18, 2021] 【R3-08330】2021/4/17投稿

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3行まとめ

中国で植物の病斑から分離された2種の菌を検討し、Alternaria vulgaraeA. divaricataeとして新種記載した。
前者はウイキョウ、後者はボウフウといずれもセリ科植物に見出された。
両種とも分子系統解析でRadicina節クレードに含まれ、同節他種とは分生子柄の長さや分生子形成様式、二次分生子の有無などが異なっていた。
中国四川省成都市温江区成都中医薬大学薬草園

(新種)

Alternaria divaricatae L. He & J.X. Deng
語源…宿主のボウフウ (Saposhnikovia divaricata) の種小名より
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【よく似た種との区別】
Alternaria petroselini
同じセリ科植物を宿主とする
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なりボウフウではなくオランダゼリ属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子が気生菌糸の頂部または側面の頂端または膝折状の分生子形成部位から特殊な様式で形成されるという特徴を欠く
本種と異なり分生子が単生ではなく単生または稀に2つ鎖生する
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が短卵状、類球形、楕円形ではなく類球状~短卵状
本種と異なり分生子の隔壁数が1-4ではなく6-8
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Alternaria selini
同じセリ科植物を宿主とする
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなくサウジアラビアなどに分布する
本種と異なりボウフウではなくパセリなどを宿主とする
本種と異なり分生子が気生菌糸の頂部または側面の頂端または膝折状の分生子形成部位から特殊な様式で形成されるという特徴を欠く
本種と異なり分生子が単生ではなく単生または単生または3つまで鎖生する
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が短卵状、類球形、楕円形ではなく短卵状または長楕円形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-4ではなく3-5または最大7
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Alternaria vulgarae
中国に分布する
同じセリ科植物を宿主とする
分生子が単生する
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なりボウフウではなくウイキョウを宿主とする
本種と異なり分生子が気生菌糸の頂部または側面の頂端または膝折状の分生子形成部位から特殊な様式で形成されるという特徴を欠く
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が短卵状、類球形、楕円形ではなく短卵状、卵状または長楕円形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-4ではなく1-5または1-8
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Alternaria chlamydosporifera
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなくスペインなどに分布する
本種と異なり植物ではなくウサギの糞などから分離される
本種と異なり分生子が単生ではなく単生または時に2つ鎖生する
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子が短卵状、類球形、楕円形ではなく楕円形または卵状、時に類球形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-4ではなく1-3(4)
本種と異なり培養下で厚壁胞子を形成する
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Alternaria smyrnii
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなくイギリスなどに分布する
本種と異なりボウフウではなくSmyrnium属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子が単生ではなく単生または2つが鎖生する
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が短卵状、類球形、楕円形ではなく卵状、倒卵状、狭楕円形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-4ではなく7-8(-10)
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Alternaria glehniae
中国に分布する
同じセリ科植物を宿主とする
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なりボウフウではなくハマボウフウなどを宿主とする
本種と異なり分生子が単生ではなく単生または時に2つが鎖生する
本種と異なり分生子形成部位が膝折状ではなく分生子柄頂端に生じる
本種より分生子の幅が狭い
本種と異なり分生子が短卵状、類球形、楕円形ではなく短卵状または楕円形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-4ではなく3-7
本種と異なり二次分生子を形成する
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
中国湖北省恩施市巴東県

(新種)

Alternaria vulgarae L. He & J.X. Deng
語源…宿主のウイキョウ (Foeniculum vulgare) の種小名より
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【よく似た種との区別】
Alternaria divaricatae
中国に分布する
同じセリ科植物を宿主とする
分生子が単生する
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なりウイキョウではなくボウフウを宿主とする
本種と異なり分生子が気生菌糸の頂部または側面の頂端または膝折状の分生子形成部位から特殊な様式で形成される
本種より分生子が短い
本種と異なり分生子が短卵状、卵状または長楕円形ではなく短卵状、類球形、楕円形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-5または1-8ではなく1-4
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Alternaria glehniae
中国に分布する
同じセリ科植物を宿主とする
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なりウイキョウではなくハマボウフウなどを宿主とする
本種と異なり分生子が単生ではなく単生または2つが鎖生する
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子が短卵状、卵状、または長楕円形ではなく長卵状、楕円形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-5または1-8ではなく3-7
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Alternaria smyrnii
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなくイギリスなどに分布する
本種と異なりウイキョウではなくSmyrnium属植物などを宿主とする
本種と異なり分生子が単生ではなく単生または2つが鎖生する
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が短卵状、卵状、または長楕円形ではなく卵状、倒卵状、狭楕円形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-5または1-8ではなく7-8(-10)
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Alternaria petroselini
同じセリ科植物を宿主とする
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なりウイキョウではなくオランダゼリ属植物などを宿主とする
本種より分生子柄が短い
本種より分生子柄の幅が広い
本種と異なり分生子が単生ではなく単生または稀に2つが鎖生し、2-4つが分生子柄先端または側面に小さな塊をなすことがある
本種より分生子が長い
本種と異なり分生子が短卵状、卵状、または長楕円形ではなく類球状~短卵状
本種と異なり分生子の隔壁数が1-5または1-8ではなく3-7
本種と異なり時に二次分生子を形成する
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Alternaria selini
同じセリ科植物を宿主とする
分生子のサイズの範囲が重なる
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じRadicina節クレードに含まれる)
本種と異なり中国ではなくサウジアラビアなどに分布する
本種と異なりウイキョウではなくパセリなどを宿主とする
本種より分生子柄が長い
本種と異なり分生子が単生ではなく単生または3つまで鎖生する
本種と異なり分生子が短卵状、卵状、または長楕円形ではなく短卵状または長楕円形
本種と異なり分生子の隔壁数が1-5または1-8ではなく3-5または最大7
ITS+TEF1+GAPDH+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される