(仮訳)ロッキー山脈の高山帯に産するLaccaria属菌の形態および分子系統
Osmundson, TW., Cripps, CL. & Mueller, GM. 2005. Morphological and molecular systematics of Rocky Mountain alpine Laccaria. Mycologia. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/15572536.2006.11832746?journalCode=umyc20 [Accessed January 16, 2021] 【R3-08056】2021/1/16投稿

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3行まとめ

ロッキー山脈の高山帯において調査を実施し、5種のLaccaria属菌を認めた。
そのうち、従来小型のL. laccata var. pallidifoliaあるいはL. montanaと考えられていた菌をL. pseudomontanaとして新種記載した。
また、L. nobilisの極地-高山帯からおよびマツ科以外の宿主からの報告は初となった。
USA, Colorado, Summit Co., 10-mile Range, Blue Lake Dam, near Breckenridge

(新種)

Laccaria pseudomontana Osmundson, C. Cripps & G.M. Muell.
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【よく似た種との区別】
Laccaria laccata var. pallidifolia(キツネタケモドキ)
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
形態的に類似している(当初この変種の小型の子実体と考えられていた)
担子器が4胞子性
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が小型ではなく小型~中型
本種より子実体がしばしば明色
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘表面に半透明条線を欠くか不明瞭
本種より柄が長い
本種と異なり担子胞子が広楕円形ではなく球形~類球形
本種より担子胞子のQm値が小さい
本種より担子胞子の刺のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria pumilla
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
肉眼的特徴が識別不能なほど類似することがある(当初この変種の小型の子実体と考えられていた)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりノルウェー、イタリア、スイス、アイスランド、フランス等における分布が知られている
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
本種より担子胞子のサイズが僅かに大きい
本種より担子胞子の刺のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria montana
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
肉眼的形態が類似している(識別できないほど類似することがある)
子実体が小型
傘表面に半透明条線を有する
担子器が4胞子性
担子胞子表面が刺状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカナダ、スヴァールバル、アイスランド、スイス、フランスにおける分布が知られている
本種より子実体のサイズがしばしば大きい
本種と異なり担子胞子が広楕円形ではなく類球形~広楕円形
本種より担子胞子のQm値が小さい
本種より担子胞子の刺のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Laccaria laccata var. pallidifolia (Peck) Peck
キツネタケモドキ
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Laccaria pseudomontana
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
形態的に類似している(当初本変種の小型の子実体と考えられていた)
担子器が4胞子性
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本変種と異なり子実体が小型~中型ではなく小型
本変種より子実体がしばしば暗色
本変種より傘のサイズが小さい
本変種と異なり傘表面に半透明条線を欠くか不明瞭という特徴を欠く
本変種より柄が短い
本変種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく広楕円形
本変種より担子胞子のQm値が大きい
本変種より担子胞子の刺のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria montana
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
傘表面に条線を有することがある
担子胞子表面が刺状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本変種と異なり子実体が小型~中型ではなく小型
本変種より傘のサイズが小さい
本変種と異なり傘表面に半透明条線を欠くか不明瞭という特徴を欠く
本変種より柄が短い
本変種より担子胞子のサイズが大きい
本変種と異なり担子胞子が球形~類球形ではなく類球形~広楕円形
本変種より担子胞子のQm値が大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria pumila
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本変種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
本変種より担子胞子のサイズが大きい
本変種より担子胞子が広楕円形である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria nobilis
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
子実体が中型~大型
担子器が4胞子性
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子が球形~類球形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本変種より子実体ががっしりとしている
本変種より傘のサイズが大きい
本変種と異なり傘表面が微細な鱗片状
本変種と異なり柄がいくぶん上下同大ではなく基部にかけて膨大しほとんど棍棒形になる
本変種と異なり柄表面に顕著な繊維状条線を有する
本変種より担子胞子のサイズが一般的に大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Laccaria montana Singer
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【よく似た種との区別】
Laccaria pumila
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
肉眼的形態が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria tortilis(ヒメキツネタケモドキ)
米国に分布する
亜高山帯に生息する
肉眼的形態が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器が4胞子性ではなく2胞子性
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria laccata var. pallidifolia(キツネタケモドキ)
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
傘表面に条線を有することがある
担子胞子表面が刺状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が小型ではなく小型~中型
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘表面に半透明条線を欠くか不明瞭
本種より柄が長い
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく球形~類球形
本種より担子胞子のQm値が小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria pseudomontana
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
肉眼的形態が類似している(識別できないほど類似することがある)
子実体が小型
傘表面に半透明条線を有する
担子器が4胞子性
担子胞子表面が刺状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカナダ、スヴァールバル、アイスランド、スイス、フランスにおける分布が知られてない
本種より子実体のサイズがしばしば小さい
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく広楕円形
本種より担子胞子のQm値が大きい
本種より担子胞子の刺のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Laccaria nobilis A.H. Sm.
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Laccaria laccata var. pallidifolia(キツネタケモドキ)
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
子実体が中型~大型
担子器が4胞子性
担子胞子のサイズの範囲が重なる
担子胞子が球形~類球形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種ほど子実体ががっしりとしていない
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘表面が微細な鱗片状という特徴を欠く
本種と異なり柄が基部にかけて膨大しほとんど棍棒形になるのではなくいくぶん上下同大
本種と異なり柄表面に顕著な繊維状条線を有するという特徴を欠く
本種より担子胞子のサイズが一般的に大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria proxima
米国に分布する
亜高山帯に生息する
子実体が中型~大型
傘表面が顕著な微細な繊維状
柄ががっしりとしている
柄表面に顕著な繊維状条線を有する
担子器が4胞子性
担子胞子表面が刺状
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が淡い帯桃橙色~暗橙褐色ではなく暗橙褐色~赤褐色
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり柄基部の菌糸体が白色~紫色ではなく白色
本種と異なり担子胞子が類球形~広楕円形ではなく楕円形
本種より担子胞子のQm値が大きい
本種より担子胞子の刺のサイズが小さい
本種と異なりPDA培地での菌糸体が明るい紫色でのちに退色し赤褐色、淡紫色またはほぼ白色になるのではなく白色
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Laccaria pumila Fayod
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Laccaria montana
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
肉眼的形態が類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器が2胞子性ではなく4胞子性
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria laccata var. pallidifolia(キツネタケモドキ)
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり担子器が2胞子性ではなく4胞子性
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種ほど担子胞子が広楕円形でない
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria tortilis(ヒメキツネタケモドキ)
米国に分布する
亜高山帯に生息する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種より球形の担子胞子の数が多い
本種より担子胞子の刺のサイズが大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Laccaria pseudomontana
米国に分布する
高山帯に生息する
同じヤナギ属樹木と関係を持つ
肉眼的特徴が識別不能なほど類似することがある(当初この変種の小型の子実体と考えられていた)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりノルウェー、イタリア、スイス、アイスランド、フランス等における分布が知られていない
本種と異なり担子器が2胞子性ではなく4胞子性
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
本種より担子胞子の刺のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される