2021年5月6日 (仮訳)ヨーロッパ産のLactarius属Deliciosi節の種の形態および分類 Nuytinck, J. & Verbeken, A. 2005. Morphology and taxonomy of the European species in Lactarius sect. Deliciosi (Russulales). Mycotaxon. Available at: https://www.mycotaxon.com/vol/abstracts/92/92-125.html [Accessed May 6, 2021] 【R3-08386】2021/5/6投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ ヨーロッパ産のLactarius属Deliciosi節の種を対象に形態学的検討を実施した。 10種を認め、これらの種の検索表を作成した。 L. sanguifluusなど3種のレクトタイプ標本を指定した。 (その他掲載種) Lactarius cyanopus Basso 【よく似た種との区別】 Lactarius quieticolor ヨーロッパに分布する 同じマツ属植物と関係を持つ 傘が顕著な青色~帯青緑色になることがある 本種と異なり地中海地域に限って分布するという特徴を欠く 本種と異なり柄が明青色を帯びるという特徴を欠く 本種と異なり乳液が子実体の大部分で青色、柄の下半分で橙色という特徴を欠く 本種より担子胞子表面の装飾がずっと顕著である Lactarius sanguifluus ヨーロッパに分布する 同じマツ属植物と関係を持つ 本種と異なり地中海地域に限って分布するという特徴を欠く 本種と異なり柄が明青色を帯びるという特徴を欠く 本種と異なり乳液が子実体の大部分で青色、柄の下半分で橙色なのではなくワイン赤色の乳液を含み、時に柄の最も基部に橙色の乳液を含むのみである 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種より担子胞子が丸い 本種より担子胞子表面の畝状隆起が厚い 本種と異なり担子胞子表面が不完全な網目状 Lactarius semisanguifluus ヨーロッパに分布する 担子胞子の形状が類似している 本種と異なり地中海地域に限って分布するという特徴を欠く 本種と異なり柄が明青色を帯びるという特徴を欠く 本種と異なり乳液が子実体の大部分で青色、柄の下半分で橙色という特徴を欠く 本種より担子胞子表面の装飾が不完全で孤立した疣が多い (その他掲載種) Lactarius deliciosus (Linnaeus) Gray 【よく似た種との区別】 Lactarius fennoscandicus ヨーロッパに分布する 同じマツ属樹木と関係を持つ 形態的に類似している(本種の淡橙色の型で混同のおそれがある) 襞が橙色 乳液が初め橙色 担子胞子表面が不完全な網目状 本種と異なり石灰質~中性土壌ではなく酸性土壌に生じる 本種と異なり傘の色橙色でほとんどの場合類白色が混じるのではなく非常に多様で橙色~帯褐色で時に帯青色 本種と異なり傘表面がほとんどの場合明瞭な環紋状という特徴を欠く 本種と異なり柄表面の不明瞭な浅い窪みが明瞭ではなくほぼ欠くか不明瞭 本種と異なり乳液が橙色のままか30分以上経って赤変するのではなく約20分で赤変する 本種より担子胞子の装飾が顕著である (その他掲載種) Lactarius deterrimus Gröger アカハツモドキ 【よく似た種との区別】 Lactarius fennoscandicus ヨーロッパに分布する 同じトウヒ属樹木と外生菌根を形成する 襞が橙色 乳液が初め橙色 担子胞子表面の装飾が疣と短い畝からなり、網目状でない 本種と異なりヨーロッパのほぼ全域ではなく亜寒帯~亜高山に分布する 本種と異なり傘表面が環紋を欠くか縁部に少数あらわすのみではなく帯灰淡紫色で帯褐橙色、部分的に帯緑色が混じる環紋状である 本種と異なり柄が一様に明橙色ではなく淡色~鈍橙黄褐色 本種と異なり柄表面に不明瞭な浅い窪みを欠くのではなく稀に有する 本種と異なり乳液が徐々に赤変する 本種より担子胞子のサイズが小さい 本種と異なり縁マクロシスチジアを中程度に豊富に有するのではなくほぼ完全に欠く (その他掲載種) Lactarius fennoscandicus Verbeken & Vesterholt 【よく似た種との区別】 Lactarius deterrimus(アカハツモドキ) ヨーロッパに分布する 同じトウヒ属樹木と外生菌根を形成する 襞が橙色 乳液が初め橙色 担子胞子表面の装飾が疣と短い畝からなり、網目状でない 本種と異なり亜寒帯~亜高山ではなくヨーロッパのほぼ全域に分布する 本種と異なり傘表面が帯灰淡紫色で帯褐橙色、部分的に帯緑色が混じる環紋状ではなく環紋を欠くか縁部に少数あらわすのみである 本種と異なり柄が淡色~鈍橙黄褐色ではなく一様に明橙色 本種と異なり柄表面に稀に不明瞭な浅い窪みを有するのではなく欠く 本種と異なり乳液が徐々に赤変するという特徴を欠く 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種と異なり縁マクロシスチジアをほぼ完全に欠くのではなく中程度に豊富に有する (その他掲載種) Lactarius porninsis Rolland カラマツチチタケ (その他掲載種) Lactarius quieticolor Romagnesi 【よく似た種との区別】 Lactarius cyanopus ヨーロッパに分布する 同じマツ属植物と関係を持つ 傘が顕著な青色~帯青緑色になることがある 本種と異なり地中海地域に限って分布する 本種と異なり柄が明青色を帯びる 本種と異なり乳液が子実体の大部分で青色、柄の下半分で橙色である 本種ほど担子胞子表面の装飾が顕著でない Lactarius deliciosus ヨーロッパに分布する 同じマツ属樹木と関係を持つ 形態的に類似している(本種の淡橙色の型で混同のおそれがある) 襞が橙色 乳液が初め橙色 担子胞子表面が不完全な網目状 本種と異なり酸性土壌ではなく石灰質~中性土壌に生じる 本種と異なり傘の色が非常に多様で橙色~帯褐色で時に帯青色なのではなく橙色でほとんどの場合類白色が混じる 本種と異なり傘表面がほとんどの場合明瞭な環紋状 本種と異なり柄表面の不明瞭な浅い窪みがほぼ欠くか不明瞭なのではなく明瞭 本種と異なり乳液が約20分で赤変するのではなく橙色のままか30分以上経って赤変する 本種ほど担子胞子の装飾が顕著でない (その他掲載種) Lactarius salmonicolor R. Heim & Leclair 【よく似た種との区別】 Lactarius laeticolor(アカモミタケ) 形態的に類似している(同種とする意見がある) 本種と分子系統解析で異なるクレードを形成する(未発表) (その他掲載種) Lactarius sanguifluus (Paulet) Fries ※本種のレクトタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Lactarius cyanopus ヨーロッパに分布する 同じマツ属植物と関係を持つ 本種と異なり地中海地域に限って分布する 本種と異なり柄が明青色を帯びる 本種と異なり乳液がワイン赤色で時に柄の最も基部に橙色の乳液を含むのみではなく子実体の大部分で青色、柄の下半分で橙色 本種より担子胞子のサイズが大きい 本種ほど担子胞子が丸くない 本種より担子胞子表面の畝状隆起が薄い 本種と異なり担子胞子表面が不完全な網目状でない Lactarius vinosus 地中海地域に分布する 同じマツ属植物と関係を持つ 乳液が初め赤色 食用きのこである 本種より傘が帯ワイン赤色である 本種と異なり傘が緩やかかつ比較的僅かに緑変するのではなく採集後顕著に緑変する 本種と異なり傘表面に環紋を一般的には欠くのではなく一般的に明瞭である 本種と異なり襞が帯桃色~淡ワイン色ではなく淡紫色~帯ワイン色 本種と異なり柄がほとんどの場合短い 本種より柄が帯ワイン赤色である 本種と異なり柄が円筒形または稀に下方に細まるのではなく顕著に下方に細まる 本種より乳液が傘肉を強く完全に着色する 本種ほど担子胞子表面の網目が完全ではなく密度も低い 本種と異なり担子胞子表面の畝状隆起が規則的で一様な厚さではなく部分的に幅が狭い 分子系統解析で本種と別のクレードを形成する(先行研究) (その他掲載種) Lactarius semisanguifluus R. Heim & Leclair ※本種のレクトタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Lactarius cyanopus ヨーロッパに分布する 担子胞子の形状が類似している 本種と異なり地中海地域に限って分布する 本種と異なり柄が明青色を帯びる 本種と異なり乳液が子実体の大部分で青色、柄の下半分で橙色である 本種より担子胞子表面の装飾が完全で孤立した疣が少ない (その他掲載種) Lactarius vinosus (Quélet) Batista ※本種のレクトタイプ標本を指定した。 【よく似た種との区別】 Lactarius sanguifluus 地中海地域に分布する 同じマツ属植物と関係を持つ 乳液が初め赤色 食用きのこである 本種ほど傘が帯ワイン赤色でない 本種と異なり傘が採集後顕著に緑変するのではなく緩やかかつ比較的僅かに緑変する 本種と異なり傘表面に環紋が一般的に明瞭なのではなく一般的には欠く 本種と異なり襞が淡紫色~帯ワイン色ではなく帯桃色~淡ワイン色 本種と異なり柄がほとんどの場合短いという特徴を欠く 本種ほど柄が帯ワイン赤色でない 本種と異なり柄が顕著に下方に細まるのではなく円筒形または稀に下方に細まる 本種ほど乳液が傘肉を強く完全に着色しない 本種より担子胞子表面の網目が完全で密度も高い 本種と異なり担子胞子表面の畝状隆起が部分的に幅が狭いのではなく規則的で一様な厚さである 分子系統解析で本種と別のクレードを形成する(先行研究)