(仮訳)複数遺伝子系統解析で得られた根拠により示唆されたDictyoarthrinium属のディディモスフェリア科への帰属およびタイ産のバショウ属植物に生じた新種Dictyoarthrinium musae
Samarakoon, BC. et al., 2020. Multi-gene phylogenetic evidence suggests Dictyoarthrinium belongs in Didymosphaeriaceae (Pleosporales, Dothideomycetes) and Dictyoarthrinium musae sp. nov. on Musa from Thailand. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/55493/ [Accessed July 3, 2021] 【R3-08561】2021/7/3投稿

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3行まとめ

タイにおいてバナナの枯葉に生じた腐生菌を調査し、予備的にDictyoarthrinium属菌と同定した。
複数遺伝子による系統解析を実施し、Dictyoarthrinium属がアピオスポラ科ではなくディディモスフェリア科クレードに含まれることを示した。
また、検討した種をD. musaeとして新種記載し、本属菌の検索表を掲載した。
Thailand, Chiang Rai

(新種)

Dictyoarthrinium musae Samarakoon, Chomnunti & K.D. Hyde
語源…バショウ属の
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【よく似た種との区別】
Dictyoarthrinium sacchari
タイに分布する
同じバショウ属植物に生じる
枯葉に生じる
シンネマを形成しない
分生子の色が類似している
分生子表面が疣状
分生子表面の疣が褐色
nrSSU+nrLSU+ITS+tef1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジル、キューバ、ガーナ、インド、マレーシア、パキスタン、プエルトリコ、ソロモン諸島、スペイン、ミクロネシア連邦、ベネズエラ、ザンビアにおける分布が知られている
本種と異なりアナナス属、ホウライチク属、パルミラヤシ属植物などにおける発生が知られている
本種と異なり枯茎における発生が知られている
本種と異なり分生子柄母細胞がほぼ無色ではなく褐色
本種と異なり分生子柄母細胞が球形ではなく顕著な杯状
本種と異なり分生子柄が屈曲するのではなく直立する
本種と異なり分生子が斜め下向きではなく斜め上向きに生じる
本種と異なり末端生分生子が側生分生子より先に脱落することがあるのではなく常に分生子柄上に残存する
本種と異なり末端生分生子の細胞数が常に4ではなく2または4
本種と異なり分生子が成熟時隔壁の1つの線に沿って分割するという特徴を欠く
nrSSU+nrLSU+ITS+tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Dictyoarthrinium africanum
枯葉に生じる
シンネマを形成しない
本種と異なりタイではなくアルゼンチン、ガーナ、ソロモン諸島、ベネズエラなどに分布する
本種と異なりバショウ属ではなくススキ属、キビ属、スズメノヒエ属植物などに生じる
本種と異なり分生子の細胞数が4ではなく16
Dictyoarthrinium rabaulense
アジアに分布する
本種と異なりタイではなくビスマルク諸島、イギリス、コンゴ、インド、ニューカレドニア、ナイジェリア、タンザニアなどに分布する
本種と異なりバショウ属ではなくアブラナ属、マチク属植物や空中、土壌などから分離される
本種と異なり分生子が完全に黒色
本種と異なり分生子表面が疣状ではなく密な小刺状
Dictyoarthrinium lilliputeum
アジアに分布する
枯葉に生じる
シンネマを形成しない
分生子表面が疣状
本種と異なりタイではなくインドなどに分布する
本種と異なりバショウ属ではなくホウライチク属植物などに生じる
本種と異なり分生子表面の疣が褐色ではなく無色
Dictyoarthrinium microsporum
アジアに分布する
枯葉に生じる
分生子表面が疣状
分生子表面の疣が褐色
シンネマを形成しない
本種と異なりタイではなくインドなどに分布する
本種と異なりバショウ属ではなくパルミラヤシ属植物などに生じる
本種より分生子柄が長い

(その他掲載種)

Dictyoarthrinium sacchari (J.A. Stevenson) Damon
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【よく似た種との区別】
Dictyoarthrinium musae
タイに分布する
同じバショウ属植物に生じる
枯葉に生じる
シンネマを形成しない
分生子の色が類似している
分生子表面が疣状
分生子表面の疣が褐色
nrSSU+nrLSU+ITS+tef1-αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりブラジル、キューバ、ガーナ、インド、マレーシア、パキスタン、プエルトリコ、ソロモン諸島、スペイン、ミクロネシア連邦、ベネズエラ、ザンビアにおける分布が知られていない
本種と異なりアナナス属、ホウライチク属、パルミラヤシ属植物などにおける発生が知られていない
本種と異なり枯茎における発生が知られていない
本種と異なり分生子柄母細胞が褐色ではなくほぼ無色
本種と異なり分生子柄母細胞が顕著な杯状ではなく球形
本種と異なり分生子柄が直立するのではなく屈曲する
本種と異なり分生子が斜め上向きではなく斜め下向きに生じる
本種と異なり末端生分生子が常に分生子柄上に残存するのではなく側生分生子より先に脱落することがある
本種と異なり末端生分生子の細胞数が2または4ではなく常に4
本種と異なり分生子が成熟時隔壁の1つの線に沿って分割する
nrSSU+nrLSU+ITS+tef1-αに基づく分子系統解析で明瞭に区別される