(仮訳)複数遺伝子の系統解析によりDiaporthe属に3新種が明らかになった
Udayanga, D. et al., 2012. Multi-locus phylogeny reveals three new species of Diaporthe from Thailand. Cryptogamie, Mycologie. … Available at: http://www.bioone.org/doi/abs/10.7872/crym.v33.iss3.2012.295 [Accessed May 3, 2016].
【R3-02894】2016/05/04投稿

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3行まとめ

タイで採集されたDiaporthe属菌を対象に、形態学的検討およびITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリン遺伝子に基づく分子系統解析を実施した。
その結果を基に、Diaporthe siamensisD. thunbergii、およびD. pterocarpicolaの3新種を記載した。
また、Phomopsis pterocarpiのエピタイプ標本を指定し、Diaporthe属に移した。
Thailand, Chiang Rai Province, Thasud, Muang District, Mae Fah Luang University Park

(新種)

Diaporthe siamensis Udayanga, X. Z. Liu and K.D. Hyde
語源…シャム(タイ)産の
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【よく似た種との区別】
Diaporthe annonae
同じバンレイシ科植物を宿主とする
本種と異なりタイではなくアルゼンチンなどに分布する
本種と異なりDasymaschalon属植物ではなくAnnona cherimoliaなどを宿主とする
本種と異なり有性世代が知られている
Phomopsis annonacearum
同じバンレイシ科植物を宿主とする
本種と異なりタイではなくロシアなどに分布する
本種と異なりDasymaschalon属植物ではなくAnnona cherimoliaA. squamosaなどを宿主とする
本種より分生子果のサイズが大きい
本種より分生子柄の幅が広い
本種よりα分生子が長い
Phomopsis annonae
同じバンレイシ科植物を宿主とする
本種と異なりタイではなくスペインなどに分布する
本種と異なりDasymaschalon属植物ではなくAnnona cherimoliaなどを宿主とする
本種より分生子果のサイズが大きい
本種より分生子柄の幅が広い
本種よりα分生子が長い
本種よりβ分生子が長い
本種よりβ分生子の幅が狭い
Thailand, Chiang Mai Province, Doi Suthep-Pui National Park, Medicinal Garden

(新種)

Diaporthe thunbergii Udayanga, X.Z. Liu & K.D. Hyde
語源…ヤハズカズラ属の
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【よく似た種との区別】
Phomopsis ampelopsidis
本種と異なりヤハズカズラ属植物ではなくAmpelosis quinquefoliaなどを宿主とする
本種より分生子果のサイズが大きい
本種よりα分生子のサイズが大きい
本種と異なりα分生子の油滴が多数ではなく2つ
本種と異なりβ分生子を欠く
本種と異なりγ分生子を欠く
Phomopsis elaeidis
本種と異なりヤハズカズラ属植物ではなくElaeidis guineensisなどを宿主とする
本種より分生子果のサイズが大きい
本種より分生子柄の長さの範囲が狭い
本種よりβ分生子が長い
本種よりβ分生子の幅が狭い
Diaporthe perjuncta
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなくオーストリアなどに分布する
本種と異なりヤハズカズラ属植物ではなくUlmus glabraなどを宿主とする
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Thailand, Chiang Rai Province, Thasud, Muang District, Chiang Rai Arboretum

(新種)

Diaporthe pterocarpicola Udayanga, X.Z. Liu & K.D. Hyde
語源…シタン属に生息する
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【よく似た種との区別】
Diaporthe pterocarpi
タイに分布する
同じPterocarpus indicusを宿主とする
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトーゴ、ブラジル、ガーナ、香港、インド、シエラレオネにおける分布が知られている
本種と異なりPterocarpus erinaceusなど他のシタン属植物やAloe veraJatropha curcasOugeinia dalbergioidesなどが宿主として知られている
本種よりα分生子のサイズが大きい
本種と異なりα分生子の油滴が多数ではなく2-3つ
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Diaporthe phoenicicola
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりタイではなくインドなどに分布する
本種と異なりPterocarpus indicusではなくビンロウなどが宿主として知られている
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Thailand, Chiang Rai Province, Mae Fah Luang University Garden

(新組み合わせ)

Diaporthe pterocarpi (Hughes) Udayanga, X.Z. Liu & K.D. Hyde
旧名:Phomopsis pterocarpi S. Hughes
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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【よく似た種との区別】
Diaporthe pterocarpicola
タイに分布する
同じPterocarpus indicusを宿主とする
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりトーゴ、ブラジル、ガーナ、香港、インド、シエラレオネにおける分布が知られていない
本種と異なりPterocarpus erinaceusなど他のシタン属植物やAloe veraJatropha curcasOugeinia dalbergioidesなどが宿主として知られていない
本種よりα分生子のサイズが小さい
本種と異なりα分生子の油滴が2-3つではなく多数
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Diaporthe neotheicola
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりイタリア、ポルトガルなどにおける分布が知られている
ITS+EF1-α+β-チューブリン+カルモジュリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される