(仮訳)Polycephalomyces属の複数遺伝子による系統解析、およびタイ産の2新種
Xiao, Y-P. et al., 2018. Multigene phylogenetics of Polycephalomyces (Ophiocordycipitaceae, Hypocreales), with two new species from Thailand. Scientific Reports. Available at: https://doi.org/10.1038/s41598-018-36792-4
【R3-05829】2019/1/5投稿

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3行まとめ

タイからPolycephalomyces aurantiacusおよびP. marginaliradiansの2新種を記載した。
両種はそれぞれオフィオコルディセプス属菌およびボクトウガ科の幼虫を宿主としていた。
前者は分生子が橙色で、後者は子座を単生し、子嚢殻が小型で、α-フィアライドが分枝することなどで特徴づけられた。
Thailand, Prachuap Khiri Khan

(新種)

Polycephalomyces aurantiacus Y.P. Xiao, T.C. Wen & K.D. Hyde
語源…橙色の(分生子塊の色から)
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【よく似た種との区別】
Polycephalomyces marginaliradians
タイに分布する
フィアライドに2型を有する
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオフィオコルディセプス属菌ではなくボクトウガ科の幼虫を宿主とする
本種よりシンネマが短い
本種よりβフィアライドが長い
本種と異なりα分生子が鎖生する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces agaricus
同じオフィオコルディセプス属菌を宿主とする
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりシンネマがきのこ形
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces formosus
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィアライドに2型があるのではなく単一の型のみである
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces ponerae
フィアライドに2型を有する
分生子に2型を有する
本種と異なりオフィオコルディセプス属菌ではなくPonera属のアリなどを宿主とする
本種と異なりβフィアライドが槍形または狭瓶形なのではなくAkanthomyces属類似で基部が膨大し、先端に細長い頸部を有する
Polycephalomyces sinensis
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィアライドに2型があるのではなく単一の型のみである
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces ramosus
フィアライドに2型を有する
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりOphiocordyceps barnesiiではなくHirsutella guignardiiなどを宿主とする
本種よりシンネマが長い
本種よりβフィアライドが短い
本種と異なりα分生子が卵状
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces yunnanensis
同じオフィオコルディセプス属菌を宿主とする
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりOphiocordyceps barnesiiではなくO. nutansや昆虫が宿主として知られている
本種と異なりβフィアライドが槍形または狭瓶形でない
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Thailand, Chiang Mai, The Mushroom Research Center

(新種)

Polycephalomyces marginaliradians Y.P. Xiao, T.C. Wen & K.D. Hyde
語源…縁部が放射状の(培養下のコロニーの性状から)
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【よく似た種との区別】
Polycephalomyces aurantiacus
タイに分布する
フィアライドに2型を有する
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりボクトウガ科の幼虫ではなくオフィオコルディセプス属菌を宿主とする
本種よりシンネマが長い
本種よりβフィアライドが短い
本種と異なりα分生子が鎖生しない
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces yunnanensis
昆虫を宿主とする
βフィアライドが狭瓶形または錐形
β分生子が紡錘形
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり昆虫寄生菌が宿主として知られている
本種と異なりα分生子が鎖生する
本種と異なりα分生子が類球形ではなく球形
本種と異なりβ分生子が鎖生しない
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces agaricus
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりボクトウガ科の幼虫ではなくオフィオコルディセプス属菌などを宿主とする
本種と異なりシンネマがきのこ形
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces formosus
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィアライドに2型があるのではなく単一の型のみである
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces ponerae
昆虫を宿主とする
フィアライドに2型を有する
分生子に2型を有する
本種と異なりボクトウガ科の幼虫ではなくPonera属のアリなどを宿主とする
本種と異なりβフィアライドがAkanthomyces属類似で基部が膨大し、先端に細長い頸部を有する
Polycephalomyces sinensis
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィアライドに2型があるのではなく単一の型のみである
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces ramosus
フィアライドに2型を有する
分生子に2型を有する
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりボクトウガ科の幼虫ではなくHirsutella guignardiiなどを宿主とする
本種よりシンネマが長い
本種よりβフィアライドが短い
本種と異なりα分生子が類球形ではなく卵状
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces nipponicus(アブラゼミタケ)
結実部が側生する
結実部が頭状
柄が黄色
柄が円筒形
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりボクトウガ科の幼虫を宿主とするという特徴を欠く
本種と異なり子座が頭状でない
本種より子嚢殻のサイズが大きい
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces kazanshianus
結実部が側生する
結実部が頭状
柄が黄色
柄が円筒形
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりボクトウガ科の幼虫を宿主とするという特徴を欠く
本種と異なり子座が頭状でない
本種より子嚢殻のサイズが大きい
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces onorei
昆虫を宿主とする
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりボクトウガ科の幼虫ではなくヒトリガ亜科の幼虫などを宿主とする
本種より子嚢殻のサイズが大きい
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Polycephalomyces ramosopulvinatus(トビシマセミタケ)
昆虫を宿主とする
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりボクトウガ科の幼虫ではなくセミの幼虫などを宿主とする
本種より子嚢殻のサイズが大きい
ITS+nrSSU+nrLSU+RPB1+RPB2+TEF1αに基づく分子系統解析に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(その他掲載種)

Ophiocordyceps barnesii (Thwaites) G.H. Sung, J.M. Sung, Hywel-Jones & Spatafora
ナガエノクロタンポタケ
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