(仮訳)カタールの高塩性海洋環境から分離された担子菌酵母の新種、Naganishia qatarensis
Fotedar, R. et al., 2018. New Cylindrocladiella spp. from Thailand soils. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. Available at: https://doi.org/10.1099/ijsem.0.002920 [Accessed October 14, 2018].
【R3-05580】2018/10/14投稿

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3行まとめ

カタールにおいて海水から分離された担子菌酵母の一種を検討し、Naganishia qatarensisとして新種記載した。
本種はITS+nrLSUに基づく分子系統解析でNaganishia cerealisなどに近縁であった。
本種は系統的に近縁な種とは35°Cで生育可能であること、細胞外デンプン様物質を産生しないこと、炭素源および窒素源の資化能などによって区別された。

※本論文にはエラッタあり(学名の著者名の修正)

Inland Sea, Qatar

(新種)

Naganishia qatarensis Fotedar, Kolecka, Boekhout, Fell, A. Anand, Al Malaki, Zeyara & Al Marri
語源…カタール産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Naganishia cerealis
ウレアーゼ試験陽性
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり海水ではなく穀物を原料とする発酵食品や穀物と水の混合物などから分離される
本種と異なりコハク酸、エタノール、L-リシンを資化可能
本種と異なりメリビオース、グリセロール、meso-エリトリトール、DL-乳酸、メタノール、1,2-プロパンジオール、2,3-ブタンジオールを資化不能
本種と異なり0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育可能
本種と異なり細胞外デンプン様物質を産生する
本種と異なり35°Cで生育不能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Naganishia friedmannii
0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育不能
ウレアーゼ試験陽性
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカタールではなく南極などに分布する
本種と異なり海水ではなく地衣などから分離される
本種と異なりクエン酸、L-リシンを資化可能
本種と異なりD-ガラクトース、L-ソルボース、D-リボース、D-アラビノース、L-ラムノース、メリビオース、ラクトース、ラフィノース、イヌリン、グリセロール、meso-エリトリトール、リビトール、キシリトール、D-グルシトール、D-マンニトール、ガラクチトール、myo-イノシトール、DL-乳酸、メタノール、サッカラート、エチルアミンを資化不能
本種と異なり細胞外デンプン様物質を産生する
本種と異なり25°Cで生育不能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Naganishia randhawae
ウレアーゼ試験陽性
35°Cで生育可能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカタールではなくインドなどに分布する
本種と異なり海水ではなくインドボダイジュの樹皮などから分離される
本種と異なりコハク酸、エタノールを資化可能
本種と異なりL-ソルボース、D-リボース、メリビオース、イヌリン、グリセロール、meso-エリトリトール、リビトール、ガラクチトール、グルコノデルタラクトン、DL-乳酸、プロピレングリコール、2,3-ブタンジオール、ガラクツロン酸、エチルアミンを資化不能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Naganishia globosa
ウレアーゼ試験陽性
0.01%シクロヘキシミド添加培地で生育不能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカタールではなく日本、オランダ、ポルトガル、南極などに分布する
本種と異なり海水ではなくブルーチーズ、エアーサンプル、Cistus ladaniferの葉、土壌などから分離される
本種と異なりコハク酸、クエン酸、エタノール、L-リシンを資化可能
本種と異なりL-ソルボース、D-アラビノース、メリビオース、イヌリン、リビトール、DL-乳酸、メタノールを資化不能
本種と異なり細胞外デンプン様物質を産生する
本種と異なり35°Cで生育不能
ITS+D1/D2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される