(仮訳)ドミニカ共和国産の赤色の孔口を有する初のイグチである新種Neoboletus antillanus、およびNeoboletus属に関する知見
Gelardi, M. et al., 2019. Neoboletus antillanus sp. nov. (Boletaceae), first report of a red-pored bolete from the Dominican Republic and insights on the genus Neoboletus. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article/33185/ [Accessed April 3, 2019] 【R3-06094】2019/4/3投稿

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3行まとめ

ドミニカ共和国で採集された菌を検討し、Neoboletus antillanusとして新種記載した。
本種はブナ科やマツ科植物ではなくハマベブドウと外生菌根を形成するとみられ、固有種を宿主とすることから新熱帯に起源を有する可能性が考えられた。
本種はドミニカ共和国から初めて報告された、赤色の孔口を有するイグチ類であった。
Dominican Republic, Municipality of Sousa, Puerto Plata Province, Loc. Cemetery

(新種)

Neoboletus antillanus Angelini, Gelardi, Costanzo & Vizzini
語源…アンティル(諸島)の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Boletus pyrrhosceles
中米に分布する
担子胞子のQ値平均が類似している
本種と異なりドミニカ共和国ではなくコロンビアなどに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくコナラ属植物などを宿主とする
本種と異なり傘が帯褐橙色~帯赤褐色
本種と異なり子実層托が直生~やや垂生する
本種より管孔が浅い
本種と異なり孔口が帯褐赤色
本種と異なり柄が濃赤色~帯褐赤色
本種と異なり柄表面が綿毛状~網目状
本種より担子胞子のサイズが僅かに小さい
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなく毛状被
Boletus guatemalensis
中米に分布する
本種と異なりドミニカ共和国ではなくグアテマラ、ベリーズ、メキシコなどに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくマツ属植物などを宿主とする
本種と異なり孔口が放射状に伸びた角形
本種と異なり柄基部が類白色
本種と異なり柄下半部表面に帯褐緑色の繊維を伴う
本種と異なり柄基部の菌糸体が白色
本種と異なり肉が類白色~淡黄色で柄基部にかけて帯黄緑色の斑点を生じる
本種と異なり肉に変色性を欠く
本種と異なり担子器がほとんどの場合2-3胞子性
本種と異なり子実層托実質が「イグチ型」と「キヒダタケ型」の中間型
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなくゼラチン化しない菌糸からなる平行菌糸被
Boletus dupainii
中米に分布する
本種と異なりドミニカ共和国ではなくベリーズなどに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくコナラ属植物などを宿主とする
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘が洋紅色~深紅色
本種と異なり孔口が濃赤色
本種と異なり柄基部に剛毛を欠く
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子のQ値平均が大きい
本種より傘シスチジアが短い
本種より縁シスチジアが短い
本種より傘表皮菌糸の幅が狭い
本種より柄シスチジアが短い
Boletus paulae
中米に分布する
本種と異なりドミニカ共和国ではなくメキシコなどに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくオークなどを宿主とする
本種と異なり傘が濃赤色、帯ワイン赤色、苺色
本種と異なり柄基部表面が平滑
本種と異なり柄基部の菌糸体が帯白灰色
本種と異なり肉が淡い帯白黄色
本種と異なり肉が露出時に不安定な青変性を示す
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなく子実層状被
Boletus vermiculosus
中米に分布する
本種と異なりドミニカ共和国ではなく北米東部、ベリーズ、コスタリカなどに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくブナ科植物などの樹下に生じる
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘直径が大きい
本種と傘の色が異なる
本種と孔口面の色が異なる
本種と異なり柄表面にごく微細な帯褐色の点状模様を有する
本種と異なり柄基部に毛を欠く
本種より柄が長い
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子のQ値平均が大きい
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなくゼラチン質を欠く毛状被
Boletus vermiculosoides
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりドミニカ共和国ではなく北米東部などに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくブナ科植物などを宿主とする
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘直径が大きい
本種と傘の色が異なる
本種と孔口面の色が異なる
本種と異なり柄が帯白黄色
本種と異なり柄表面にごく微細な帯褐色の点状模様を有する
本種と異なり柄基部に毛を欠く
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子の幅が狭い
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Boletus brunneopanoides
中米に分布する
本種と異なりドミニカ共和国ではなくベリーズなどに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくマツ属植物などを宿主とする
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘直径が大きい
本種と傘の色が異なる
本種と孔口面の色が異なる
本種と異なり柄が類白色
本種と異なり柄表面にごく微細な帯褐色の点状模様を有する
本種と異なり柄基部に毛を欠く
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子の幅が狭い
Boletus subluridus
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種と異なりベリーズではなく北米などに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくオークおよびマツなどを宿主とする
本種と異なり傘が帯黄橙色、橙桃色~帯紫赤色
本種と異なり孔口が暗赤色
本種と異なり柄基部が剛毛状でない
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子が僅かに長い
Boletus fairchildianus
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種と異なりベリーズではなく米国南東部、メキシコなどに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくコナラ属植物などを宿主とする
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘の幅が広い
本種と異なり柄基部が剛毛状でない
本種より担子胞子のサイズが大きい
Neoboletus luridiformis(オオウラベニイロガワリ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりベリーズではなくヨーロッパなどに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘の幅が広い
本種と異なり傘が琥珀褐色~暗チョコレート褐色
本種と異なり傘表面がビロード状
本種と異なり孔口が明るい赤色
本種より柄のサイズが大きい
本種と異なり柄基部が剛毛状でない
本種と異なり柄が肉質
本種より担子胞子が長い
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなく毛状被でゼラチン化しない錯綜し直立した菌糸を伴う
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Neoboletus brunneissimus(コゲチャイロガワリ)
子実体のサイズが類似している
柄基部が黄金色~帯褐黄色の剛毛状
肉が帯黄色
肉が酸化すると暗い青色に変色する
本種と異なりベリーズではなく東アジアなどに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくブナ科およびマツ科植物などを宿主とする
本種と異なり傘がさび褐色~琥珀褐色
本種と異なり傘表面がビロード状
本種と異なり柄表面がさび褐色の密な点状模様
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなくゼラチン化しない直立した菌糸からなる毛状被
本種より傘表皮の末端細胞のサイズが小さい
Neoboletus magnificus
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種と異なりベリーズではなく東アジアなどに分布する
本種と異なりハマベブドウではなくブナ科およびマツ科植物などを宿主とする
本種と異なり孔口が帯赤褐色~暗赤色
本種より柄基部の幅が広い
本種と異なり柄基部が棍棒形~塊茎状
本種と異なり柄基部に剛毛を欠くか不明瞭な剛毛状
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなくゼラチン化しない毛状被
本種より傘表皮の末端細胞の幅が広い
Sutorius sanguineoides
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種と異なりベリーズではなく東アジアなどに分布する
本種と異なり非常に高標高の亜高山帯森林に生息する
本種と異なりハマベブドウではなくブナ科およびマツ科植物などを宿主とする
本種と異なり傘が濃赤色、血赤色~帯褐赤色
本種と異なり孔口が帯褐赤色~暗赤色
本種と異なり柄基部が剛毛状でない
本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなくゼラチン化しない毛状被
Sutorius sanguineus
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種と異なりベリーズではなく東アジアなどに分布する
本種と異なり非常に高標高の亜高山帯森林に生息する
本種と異なりハマベブドウではなくブナ科およびマツ科植物などを宿主とする
本種と異なり傘が濃赤色、血赤色~帯褐赤色
本種と異なり孔口が帯褐赤色~暗赤色
本種と異なり柄基部が剛毛状でない
本種より担子胞子が僅かに長い
本種と異なり傘表皮が粘質平行菌糸被ではなくゼラチン化しない毛状被
本種より傘表皮の末端細胞の幅が広い
本種と異なり傘表皮の末端細胞が円筒形で鋭頭なのではなくシスチジア状