(仮訳)アジア産ダイダイゴケ属地衣の新種および再発見された種
Kondratyuk, SY. et al., 2012. New and rediscovered Caloplaca (Teloschistaceae, Ascomycota) species from Asia. Acta Botanica Hungarica. …. Available at: http://www.akademiai.com/index/757165146LM2T422.pdf [Accessed December 29, 2014].
【R3-01416】2014/12/29投稿

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3行まとめ

韓国各地やイランなどでダイダイゴケ属地衣の調査を行い、Caloplaca chejuensisなど5種を新種記載した。
その他、100年以上経って再発見されたC. diffluensなど3種を記載した。
うち1種に対して新組み合わせC. multicolorを提唱した。
韓国済州道済州市翰京面新昌里

(新種)

Caloplaca chejuensis S. Y. Kondr. et J.-S. Hur
語源…済州産の
※2014年12月29日現在、本種はMycoBank/Species fungorumに登録されていない。

【よく似た種との区別】
Caloplaca citrina
本種ほど地衣体が暗色でない
本種と小鱗片の形態が異なる
本種と小区画の形態が異なる
本種と異なりconfusa型のソラリアを欠く
Caloplaca squamosa
小鱗片の形態が類似している
小区画の形態が類似している
本種と異なり地衣体の一部が粉芽塊による明るいレモン黄色を帯びることがない
本種と異なり子器を形成する
本種より地衣体中央部の小区画のサイズがずっと大きい
Caloplaca phyllidizans
岩上生地衣である
本種と異なり韓国ではなく北米南西部に分布する
本種より小区画のサイズがずっと小さい
本種と異なり小区画が基質に圧着するが縁部が浮き上がる
本種と異なり小区画縁部にフィリディアが生じてしばしば粉芽に発達する
本種と異なり粉芽が青色を帯びる
本種と異なりCaloplaca squamosa型の小区画を欠く
Caloplaca arcisproxima
本種と異なり韓国ではなく黒海および地中海沿岸に分布する
本種より地衣体中央部の小区画のサイズが大きい
本種と小区画の形態が異なる
本種より小鱗片のサイズがずっと小さい
本種より粉芽/blastidiaのサイズが大きい
Caloplaca flavocitrina
本種ほど地衣体が暗色でない
韓国済州道済州市我羅洞観音寺

(新種)

Caloplaca coreana S. Y. Kondr. et J.-S. Hur
語源…韓国の
※2014年12月29日現在、本種はMycoBank/Species fungorumに登録されていない。

【よく似た種との区別】
Caloplaca flavovirescens(ツブダイダイゴケ)
本種と異なりフィリディアを欠く
本種と異なり下生菌糸が白色でない
本種と異なり子実下層に無数の油滴を含むという特徴を欠く
本種より子嚢胞子の幅がずっと狭い
本種より子嚢胞子の隔壁が幅広い
Caloplaca flavorubescens(ダイダイゴケ)
子器が橙色
子実層に無数の油滴を含む
子実下層に無数の油滴を含む
本種と異なり地衣体が顕著な小区画状にならない
本種と異なり小型で丸いハイフィディアを欠く
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種より子嚢胞子の隔壁が幅広い
韓国忠清南道保寧市熊川洞冠堂里

(新種)

Caloplaca galbina S. Y. Kondr. et J.-S. Hur
※2014年12月29日現在、本種はMycoBank/Species fungorumに登録されていない。

【よく似た種との区別】
Caloplaca dyseimata
本種と異なり韓国ではなく日本に分布する
本種より地衣体が薄い
本種と異なり地衣体が亀裂状~小区画状でない
本種より子実下層がずっと薄い
本種と異なり子実下層に無数の油滴を含むという特徴を欠く
本種より子嚢胞子の幅がずっと狭い
本種と異なり側糸が先端にかけて褐色を帯びるという特徴を欠く
本種と異なりK+黄色ではなく紫色
本種と異なり地衣成分としてアトラノリンを含まない
Caloplaca wallabyensis
本種と異なり韓国ではなくオーストラリアに分布する
本種ほど地衣体がよく発達しない
本種より小区画のサイズがずっと大きい
本種より果托の幅がずっと広い
本種より子嚢胞子のサイズがずっと小さい
本種と異なり側糸が先端にかけて褐色を帯びるという特徴を欠く
本種と異なりK+黄色ではなく紫色
本種と異なり地衣成分としてアトラノリンを含まない
韓国全羅南道新安郡曽島面

(新種)

Caloplaca loekoesii S. Y. Kondr. et J.-S. Hur
語源…ハンガリーの地衣学者、László Lőkös博士に献名
※2014年12月29日現在、本種はMycoBank/Species fungorumに登録されていない。

【よく似た種との区別】
Caloplaca flavovirescens(ツブダイダイゴケ)
本種と異なり地衣体が鈍く暗い帯緑黄色でない
本種と異なり地衣体の色が一様でない
本種より小区画のサイズが大きい
本種と異なり子器が鈍黄色でない
本種と異なり子器が強く浮き上がるという特徴を欠く
本種より子嚢胞子のサイズがずっと大きい(特に幅が広い)
本種より子嚢胞子の隔壁の幅がずっと広い
本種と異なり下生菌糸を有する
本種と異なり果托が厚壁化菌糸組織からなるという特徴を欠く
Caloplaca maritima
小区画が凸形
本種と異なり韓国および中国ではなくヨーロッパに分布する
本種より小区画のサイズがずっと大きい
本種より子嚢胞子のサイズがずっと大きい(特に幅が広い)
Caloplaca stantonii
形態的に類似している(誤同定された例がある)
本種より地衣体がずっと厚い
本種と異なり子器盤が鈍黄橙色ではなく帯赤色
本種と異なり裂芽状の構造を形成する
本種と異なり地衣体がC+で緩やかに帯赤色
本種より子嚢胞子のサイズがずっと大きい
本種より子嚢胞子の隔壁の幅がずっと狭い
Iran, Esfahan Province, about 350 km south of Tehran, about 80 km west of Isfahan City, close to Hojat Abad village, on territory of health centre about 8–10 km lower of the dam of Zayandehrud water reservoir, along Zayandehrud River

(新種)

Caloplaca safavidiorum S. Y. Kondr.
語源…サファヴィー(朝)の
※2014年12月29日現在、本種はMycoBank/Species fungorumに登録されていない。

【よく似た種との区別】
Caloplaca mogoltanica
中東に分布する
裂片が凸形
裂片の縁部が不明瞭
粉芽を欠く
本種と異なり植物に着生するのではなく岩上生である
本種より地衣体のサイズが大きい
本種より地衣体がずっと厚い
本種より裂片のサイズが大きい
本種より子器のサイズがずっと大きい
本種と異なり子器盤が帯褐色ではなく暗い帯褐黄色
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
Caloplaca biatorina
本種と異なり植物に着生するのではなく岩上生である
本種より地衣体のサイズが大きい
本種と異なり地衣体が帯赤色ではなく赤色を帯びることもない
本種より裂片のサイズが小さい(特に長さが短い)
本種より子器盤がずっと明色
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が広い
本種より側糸の幅がずっと狭い
Caloplaca decipiens f. corticola
中東に分布する
裂片が凸形
本種と異なり通常豊富な稔性があるという特徴を欠く
本種と異なり粉芽を有する
Caloplaca polycarpoides
非常に高頻度で隣り合って発生する
植物に着生する
本種と異なり地衣体が黄橙色ではなくずっと淡色の帯灰色または帯灰緑色
本種より地衣体のサイズがずっと小さい
本種より裂片の発達がずっと良くない
Caloplaca saxicola
子器の直径の範囲が重なる
本種より地衣体の直径が大きい
本種より裂片の幅が狭い
本種より地衣体縁部の幅が狭い
本種と異なり子器盤が帯褐色ではなく帯赤色~汚橙色
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が広い

(その他掲載種)

Caloplaca diffluens (Hue) Zahlbr.
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Caloplaca marina
子嚢胞子の隔壁の幅の範囲が重なる
本種より地衣体がずっとよく発達する
本種と異なり裂片が凸形
本種と異なり初生菌糸体(類白色)を有する
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
Caloplaca communis
沿岸域に生息する
地衣体がいくぶん小囊状
本種ほど地衣体が連続的でない
本種と異なり子器が鈍黄色ではなく黄色~橙色
本種と異なり顆粒を有する
本種と異なり地衣体が顕著な小区画状でない

(新組み合わせ)

Caloplaca multicolor (Hue) S. Y. Kondr. et J.-S. Hur
旧名:Lecidea multicolor Hue
※2014年12月29日現在、本種はMycoBank/Species fungorumに登録されていない。

【よく似た種との区別】
Caloplaca flavorubescens(ダイダイゴケ)
子実下層に無数の油滴を含む
本種ほど地衣体が厚くない
本種と異なり地衣体が明るい帯緑黄色でない
本種と異なり子器が主に地衣体の隆起した疣に埋生するという特徴を欠く
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が広い
本種と異なり果殻の基部に異形菌糸組織を含まない
Caloplaca flavovirescens(ツブダイダイゴケ)
子実下層に無数の油滴を含む
本種ほど地衣体が厚くない
本種と異なり地衣体が明るい帯緑黄色でない
本種と異なり子器が主に地衣体の隆起した疣に埋生するという特徴を欠く
本種より子嚢胞子の隔壁の幅が広い
本種と異なり果殻の基部に異形菌糸組織を含まない

(その他掲載種)

Caloplaca spodoplaca (Nyl.) Zahlbr.
シロイソダイダイゴケ
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Caloplaca cerina
地衣体が帯灰色
子器が鈍黄褐色
本種より地衣体がずっと濃色(特に本種は縁部が淡色)
本種と異なり果殻が明るい黄色でない
本種と異なり果殻が厚壁化菌糸組織からなるという特徴を欠く
本種と異なり果托皮層に柵状の菌糸組織を有する
Caloplaca pelodella
地衣体が灰色~鉛灰色
本種より地衣体がずっと薄い
本種と異なり地衣体に深い亀裂が生じるという特徴を欠く
本種と異なり子器が主にzeorine型という特徴を欠く
本種と異なり子器基部が顕著に狭窄するという特徴を欠く
本種と異なり鈍黄色の果殻を欠く
本種より子嚢胞子が短い