(仮訳)ベルグエダ地域の前ピレネー亜高山帯~高山帯に産するフウセンタケ属菌の新規データ
Ballarà, J., Mahiques, R. & Alavarado, P., 2013, New data on the genus Cortinarius from the prepyrenaean alpine and subalpine belts in the Berguedà area (V). Moixeró : fongs i flora del Pirineu. Available at: http://www.micologia.cat/?p=267 [Accessed May 6, 2015].
【R3-01801】2015/05/06投稿
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3行まとめ

スペイン、カタルーニャ自治州のベルグエダ地域から2010年に新種記載されたCortinarius bergistanensisについて、さらなる標本を採集し、分子系統解析を行った。
ITS領域の塩基配列がC. elegantiorと全く同一であったことから、本種に対して新組み合わせC. elegantior var. bergistanensisを提唱した。
また、同じくベルグエダ地域から新変種C. terpsichores var. dryadicolaを記載した。
Spain, Catalonia, Saldes (Berguedà), Serrat Voltor, Serra d’Encija

(新変種)

Cortinarius terpsichores var. dryadicola Ballarà & Mahiques
語源…チョウノスケソウ属に生息する
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【よく似た種との区別】
Cortinarius terpsichores
子実体のサイズが類似している
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりスペインではなくドイツやチェコなどに分布する
本変種と異なり高山帯に分布するという特徴を欠く
本変種と異なり宿主がチョウノスケソウ属植物ではない
本変種ほど子実体の退色が速やかでない
本変種と異なり傘の青色の部分がKOHで明瞭かつ鮮やかに深紅色に呈色するという特徴を欠く
本変種より担子胞子のサイズが小さい
本変種と異なり襞の縁部に柵状の隔壁を有する不稔細胞が密に配列しほぼ不稔であるという特徴を欠く
Cortinarius terpsichores var. caesioflavescens
子実体が退色する
本変種と異なり高山帯に分布しない
本変種と異なりニセショウロ属菌のような臭いがある
本変種より担子胞子のサイズが小さい
本変種より担子胞子のQ値が小さい
Cortinarius terpsichores var. meridionalis
本変種と異なり山地の落葉樹林に生息する
本変種より子実体のサイズが大きい
本変種と異なり子実体が強く桃色を帯びる
本変種と異なり傘がKOHで黄褐色の呈色反応を示す
本変種より担子胞子のサイズが小さい

(新組み合わせ)

Cortinarius elegantior var. bergistanensis Ballarà & Mahiques
旧名:Cortinarius bergistanensis Ballarà
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【よく似た種との区別】
Cortinarius elegantior
スペインに分布する
ITS領域の塩基配列が同一
本変種と異なりスペインのみではなくドイツ、スイス、オーストリア、フランスなどに分布する
本変種と異なり高山環境に適応しているという特徴を欠く
本変種と異なり宿主がチョウノスケソウ属植物ではなく他のバラ科植物あるいはトウヒ属などのマツ科植物
本変種より子実体のサイズが大きい
本変種と異なり傘が黄色をほとんどあるいは全く帯びないのではなく黄色を帯びる
本種と異なり被膜が帯赤褐色~帯褐色でのちに帯赤色になるという特徴を欠く
本種と子実体の呈色反応が異なる