(仮訳)南米産の葉生息性Cladosporium属菌の新種
Schubert, K. et al., 2009. New foliicolous species of Cladosporium from South America. Persoonia. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2789534/ [Accessed December 6, 2020] 【R3-07935】2020/12/6投稿

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3行まとめ

アルゼンチン、パタゴニアにおいてポンデローサマツの壊死した針葉から分離された2種の菌を検討し、それぞれCladosporium chubutenseC. pini-ponderosaeとして新種記載した。
また、コロンビアにおいてシロガネヨシ属植物に生じた菌をC. colombiaeとして新種記載した。
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で3新種は互いに近縁であったが、塩基配列、表現型、培養性状に違いがみられた。
Argentina, Chubut, dpto. Languineo, Rio Pico, Carnelia property

(新種)

Cladosporium chubutense K. Schub., Gresl. & Crous
語源…チュブ産の
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【よく似た種との区別】
Cladosporium oreodaphnes
本種と異なりアルゼンチンではなくドイツなどに分布する
本種と異なりマツ属ではなくOreodaphne属植物などに生じる
本種より分生子柄が長い
本種より分生子柄の幅が僅かに狭い
本種と異なり分生子柄が非結節状または類結節状でない
Cladosporium antarcticum
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアルゼンチンではなく南極などに分布する
本種と異なりポンデローサマツではなくダイダイゴケ属地衣などから分離される
本種と異なり菌糸体に2型がある
本種より分生子形成細胞の分生子形成部位の幅が狭い
本種より分生子のへその幅が狭い
本種と異なり分生子の隔壁数が0–1(-2)ではなく0-3
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cladosporium pini-ponderosae
アルゼンチンに分布する
同じポンデローサマツを宿主とする
宿主の葉に生じる
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり培養下で分化分生子柄および未分化分生子柄の両方を形成するという特徴を欠く
本種と異なり分生子柄が頂部にかけて顕著な膝折状をなすという特徴を欠く
本種よりin vitroでの分生子柄の幅がやや広い
本種と異なり分生子鎖をなす分生子数が非分枝の部分で最大3ではなく最大9
本種と異なり分生子表面が微細な小疣状~小疣状または時に疣状でない
本種と異なり分生子が厚壁でないか僅かに厚壁という特徴を欠く
本種よりコロニーの生長が速い
本種と培養性状が異なる
本種とITS、ACT、TEFの塩基配列が異なる
Cladosporium colombiae
南米に分布する
宿主の葉に生じる
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアルゼンチンではなくコロンビアに分布する
本種と異なりマツ属ではなくシロガネヨシ属植物を宿主とする
本種より分生子柄が短い
本種と異なり分生子柄が僅かに~しばしば顕著に膝折状でない
本種と異なり分生子形成細胞の分生子形成部位の数が最大6でない
本種と異なり分生子鎖を形成する分生子の数が非分枝部位で3-4なのではなく最大10
本種より分生子のサイズが小さい
本種と異なり分生子表面が微細な小疣状~小疣状でない
本種とITS、TEFの塩基配列が異なる
Argentina, Neuquén, Aluminé, Lagos Marmol property

(新種)

Cladosporium pini-ponderosae K. Schub., Gresl. & Crous
語源…ポンデローサマツの
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【よく似た種との区別】
Cladosporium chubutense
アルゼンチンに分布する
同じポンデローサマツを宿主とする
宿主の葉に生じる
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり培養下で分化分生子柄および未分化分生子柄の両方を形成する
本種と異なり分生子柄が頂部にかけて顕著な膝折状をなす
本種よりin vitroでの分生子柄の幅がやや狭い
本種と異なり分生子鎖をなす分生子数が非分枝の部分で最大9ではなく最大3
本種と異なり分生子表面が微細な小疣状~小疣状または時に疣状
本種と異なり分生子が厚壁でないか僅かに厚壁
本種よりコロニーの生長が遅い
本種と培養性状が異なる
本種とITS、ACT、TEFの塩基配列が異なる
Cladosporium leguminicola
本種と異なりアルゼンチンではなくスペインなどに分布する
本種と異なりマツ属ではなくインゲンマメ属植物などを宿主とする
本種と異なり宿主の葉ではなく莢などに生じる
本種より分生子の幅が狭い
Columbia, Páramo de San Cayetano

(新種)

Cladosporium colombiae K. Schub. & Crous
語源…コロンビアの
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【よく似た種との区別】
Cladosporium chubutense
南米に分布する
宿主の葉に生じる
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコロンビアではなくアルゼンチンに分布する
本種と異なりシロガネヨシ属ではなくマツ属植物を宿主とする
本種より分生子柄が長い
本種と異なり分生子柄が僅かに~しばしば顕著に膝折状
本種と異なり分生子形成細胞の分生子形成部位の数が最大6
本種と異なり分生子鎖を形成する分生子の数が最大10ではなく非分枝部位で3-4
本種より分生子のサイズが大きい
本種と異なり分生子表面が微細な小疣状~小疣状
本種とITS、TEFの塩基配列が異なる
Cladosporium ramotenellum
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりアルゼンチンではなくスロベニアなどに分布する
本種と異なり植物の葉ではなく空中および塩水などから分離される
本種より末端生の分生子の幅が広い
本種と異なり末端生の分生子が通常球形~類球形または卵状
本種より節間生の分生子のサイズが大きい
本種と異なり節間生の分生子が楕円形~類円筒形
本種と異なり節間生の分生子の隔壁数が0-1
本種より二次枝状分生子が長い
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cladosporium subtilissimum
形態的に類似している
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で近縁
本種より節間生分生子のサイズが大きい
本種より二次枝状分生子のサイズが大きい
ITS、ACT、TEFに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cladosporium tenuissimum
形態的に類似している(当初この種に同定された)
本種より分生子柄が長い