(仮訳)南アフリカ、クルーガー国立公園産のFusarium属新種
Sandoval-Denis, M., Swart, WJ. & Crous, PW. 2018. New Fusarium species from the Kruger National Park, South Africa. MycoKeys. Available at: https://mycokeys.pensoft.net/article_preview.php?id=25974 [Accessed June 8, 2018].
【R3-05199】2018/6/9投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

南アフリカ、クルーガー国立公園で採集された菌を検討し、Fusarium convolutansFusarium fredkrugeri、およびFusarium transvaalenseの3新種を記載した。
これらの新種はそれぞれFusarium buharicum複合種、Fusarium fujikuroi複合種、Fusarium sambucinum複合種に含まれた。
これらの新種はそれぞれ異なる植物の根圏土壌から分離され、宿主にはいかなる病徴も認められなかった。
South Africa, Kruger National Park, Skukuza, Granite Supersite

(新種)

Fusarium convolutans Sandoval-Denis, Crous & W.J. Swart
語源…コイル状の(不稔菌糸の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Fusarium circinatum
不稔の菌糸コイルを有する
本種と異なりFusarium buharicum複合種ではなくFusarium fujikuroi複合種に含まれる
本種と異なり南アフリカではなく日本などに分布する
本種と異なり気生分生子(小分生子)を有する
本種と異なり厚壁胞子を欠く
Fusarium pseudocircinatum
不稔の菌糸コイルを有する
本種と異なりFusarium buharicum複合種ではなくFusarium fujikuroi複合種に含まれる
本種と異なり南アフリカではなくガーナなどに分布する
本種と異なり気生分生子(小分生子)を有する
本種と異なり厚壁胞子を欠く
Fusarium sterilihyphosum
不稔の菌糸コイルを有する
本種と異なりFusarium buharicum複合種ではなくFusarium fujikuroi複合種に含まれる
本種と異なり気生分生子(小分生子)を有する
本種と異なり厚壁胞子を欠く
Fusarium buharicum
同じFusarium buharicum複合種に含まれる
EF-1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなく旧ソ連、イランなどに分布する
本種と異なりHibiscus cannabinusおよびワタ属植物などを宿主とする
本種と異なり植物病原菌として知られている
本種と異なり分生子柄が比較的単純という特徴を欠く
本種より分生子が長い
本種より分生子が屈曲する
本種と異なり分生子の隔壁数が1-3ではなく0-8
本種と異なり不稔の菌糸コイルを欠く
EF-1α+RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium sublunatum
同じFusarium buharicum複合種に含まれる
本種と異なり南アフリカではなくコスタリカなどに分布する
本種と異なりバナナ、カカオなどを宿主とする
本種と異なり植物病原菌として知られている
本種と異なり分生子柄が比較的単純という特徴を欠く
本種より分生子が長い
本種より分生子が屈曲する
本種と異なり分生子の隔壁数が1-3ではなく0-8
本種と異なり不稔の菌糸コイルを欠く
South Africa, Kruger National Park, Skukuza, Granite Supersite

(新種)

Fusarium fredkrugeri Sandoval-Denis, Crous & W.J. Swart
語源…Frederick J. Kruger博士に献名
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Fusarium dlaminii
同じFusarium fujikuroi複合種に含まれる
南アフリカに分布する
気生フィアライドが比較的短い
分生子が頭状をなす
コロニーの形態が類似している
最適生長条件が類似している
CAL+EF-1α+RPB1+RPB2+TUBに基づく分子系統解析で近縁(同じアフリカン(B)クレードに含まれる)
本種と異なり気生分生子が1型のみではなく2型を有する
本種と異なりスポロドキアをカーネーションおよび寒天表面に豊富に形成するのではなくカーネーション葉表面のみに形成する
本種と異なりスポロドキアが橙色~桃色ではなく橙色
本種よりスポロドキアの分生子が長い
本種と異なりスポロドキアの分生子の隔壁数が(1–)3–4ではなくほとんどの場合5
本種と異なり厚壁胞子を有する
本種より生長がずっと遅い
CAL+EF-1α+RPB1+RPB2+TUBに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
South Africa, Kruger National Park, Skukuza, Granite Supersite

(新種)

Fusarium transvaalense Sandoval-Denis, Crous & W.J. Swart
語源…トランスヴァール産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Fusarium sporotrichioides
同じFusarium sambucinum複合種に含まれる
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなく米国などに分布する
本種と異なり気生分生子が洋梨形
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fusarium brachygibbosum
スポロドキアの分生子のサイズが類似している
スポロドキアの分生子の隔壁が類似している
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり南アフリカではなく日本などに分布する
本種よりスポロドキアの分生子のサイズが比較的大きい
本種と異なり分生子の中位に通常バルジを示す
本種より厚壁胞子のサイズが小さい
本種と異なり厚壁胞子が無色ではなく有色
本種と異なり厚壁胞子表面が平滑ではなく平滑~顕著に小瘤状
本種と異なりOA培地で顕著なコロニーの生長を示すという特徴を欠く
本種と異なり大型パスチュール状の菌糸タフトを形成するという特徴を欠く
RPB1+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される