2017年10月29日 (仮訳)地衣生異担子菌類の新種あるいは興味深い種 Diederich, P. 2007. New or Interesting Lichenicolous Heterobasidiomycetes. Opuscula Philolichenum. Available at: http://www.lichenology.info/pdf/OP4TremellaLR.pdf [Accessed October 29, 2017]. 【R3-04527】2017/10/29投稿 【お読みください】 大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。 3行まとめ 地衣生シロキクラゲ属菌の3新種を記載した。 Tremella nashiiは米国およびノルウェーにおいてサルオガセ属地衣に、T. nieblaeはメキシコおよび米国においてNiebla属地衣に、T. tuckeraei>は米国およびアイルランドにおいてカラタチゴケ属地衣にそれぞれ発生した。 Cystobasidium hypogymniicolai>の新宿主としてCavernulariai>属地衣、T. caloplacaeの新宿主としてオオロウソクゴケ属地衣をそれぞれ報告した。 USA, Arizona, Apache Co, White Mountains, Apache National Forest, Mount Baldy Wilderness, near beginning of trail 94 along W fork of Little Colorado River at Sheep’s Crossing (新種) Tremella nashii Diederich 語源…Thomas H. Nash III教授に献名 【よく似た種との区別】 Cystobasidium usneicola 本種と担子器の形態が異なる 本種と異なり担子胞子の末端に屈折性の嘴状突起を有する Biatoropsis usnearum 本種と異なり担子器が細長い棍棒形 本種と異なり担子器に横隔壁を有する Tremella santessonii 本種と異なり担子器に横隔壁を有する Tremella stevensiana 同じサルオガセ属地衣を宿主とする 担子器に縦方向の隔壁を有する 本種と異なり担子器が常に2細胞 本種より子実体のサイズがずっと小さい 本種と異なり子実体が扁平~クッション状 本種と異なり分生子柄を豊富に有する USA, California, Monterey Co., SSW of Carmel, Point Lobos State Reserve, Bird Island Trail (新種) Tremella nieblae Diederich & van den Boom 語源…Niebla属の 【よく似た種との区別】 Tremella everniae ゴールが水疱状 本種と異なり宿主がNiebla属地衣ではなくEvernia mesomorphaである 本種と異なり担子器に成熟時斜めの隔壁を時に有するという特徴を欠く 本種ほど担子器の形状が細長くない Tremella ramalinae 米国およびメキシコに分布する 本種と異なりNiebla属ではなくカラタチゴケ属地衣を宿主とする 本種と担子器の形態が非常に異なる Tremella tuckerae 米国に分布する 本種と異なりアイルランドにおける分布が知られている 本種と異なりメキシコにおける分布が知られていない 本種と異なりNiebla属ではなくカラタチゴケ属地衣を宿主とする 本種と異なり顕著な子実体を有する 本種と担子器の形態が異なる 本種より担子胞子のサイズがずっと大きい USA, New Mexico,Bernalillo Co., Sandia Mountains E of Albuquerque along NM route 536, Cibola National Forest, at Sandia Crest, along the North Crest trail No. 130N (新種) Tremella tuckerae Diederich 語源…Shirley Tucker教授に献名 【よく似た種との区別】 Tremella christiansenii 担子器の形態が類似している 本種と異なりカラタチゴケ属ではなくムカデゴケ属地衣を宿主とする 本種と異なりゴールがしばしば瘤状または脳状 本種より担子胞子のサイズが顕著に大きい 本種より吸器の細胞が小さい Tremella hypocenomycis 担子器の形態が類似している 本種と異なりカラタチゴケ属地衣ではなくHypocenomyce scalarisを宿主とする 本種より子実体のサイズが小さい 本種と異なり子実体が淡褐色ではなく黒色 本種と異なり子実体が背着生ではなくしばしば瘤状または脳状 本種より担子胞子のサイズが小さい Tremella ramalinae 同じカラタチゴケ属地衣を宿主とする 担子器に縦方向の隔壁を有することがある 本種と異なり担子器が典型的には洋梨形 本種と異なり担子器の個々の細胞が成熟時細長いという特徴を欠く 本種と異なり担子器に2横隔壁+1縦隔壁を有する 本種と異なり担子器が(3-)4胞子性 Tremella nieblae 米国に分布する 本種と異なりアイルランドにおける分布が知られていない 本種と異なりメキシコにおける分布が知られている 本種と異なりカラタチゴケ属ではなくNiebla属地衣を宿主とする 本種と異なり顕著な子実体を有さない 本種と担子器の形態が異なる 本種より担子胞子のサイズがずっと小さい (その他掲載種) Cystobasidium hypogymniicola Diederich ※本種の新宿主としてCavernularia属地衣 (C. hultenii) を報告した。 (カナダ、グリーンランド新産種) Tremella caloplacae (Zahlbr.) Diederich ※本種の新宿主としてXanthoria sorediataを報告した。 ※この他にTremella sp. 7を掲載した。