(仮訳)キューバおよびベネズエラ産のサーコスポロイドの不完全糸状菌の新種および新記録(その2)
Braun, U. & Urtiaga, R., 2013. New species and new records of cercosporoid hyphomycetes from Cuba and Venezuela (Part 2). Mycosphere. Available on: http://mycosphere.org/pdfs/MC4_2_No3.pdf
【R3-00106】2013/12/09投稿

【お読みください】
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3行まとめ

キューバおよびベネズエラで1966年から2012年まで行ってきた調査で見出されたサーコスポロイド菌類の一部をまとめた。
17種の新種と1種の新変種を記載し、1つの新名と1つの新組み合わせを提唱した。
また、それ以外の種についても標本情報や形質の記載、スケッチや近縁種との相違点などを付し、検索表も掲載した。

シリーズ

New species and new records of cercosporoid hyphomycetes from Cuba and Venezuela
(Part 1) – 2012年、Mycosphere
(Part 2) – 2013年、Mycosphere (本論文)
(Part 3) – 2013年、MycosphereR3-01502

掲載種のタイプロカリティ

CUBA, Bayamo

(新種)Cercosporella ambrosiae-artemisiifoliae U. Braun & Urtiaga
(新種)Passalora stigmaphyllicola U. Braun & Urtiaga
(新種)Pseudocercospora calycophylli U. Braun & Urtiaga
(新種)Pseudocercospora lonchocarpicola U. Braun & Urtiaga
(新種)Pseudocercospora lonchocarpigena U. Braun & Urtiaga
(新種)Pseudocercospora paulliniae U. Braun & Urtiaga
(新種)Pseudocercospora picramniae U. Braun & Urtiaga
(新種)Pseudocercospora teramnicola U. Braun & Urtiaga
(新種)Pseudocercospora trichiliae-hirtae U. Braun & Urtiaga
(新種)Zasmidium cubense U. Braun & Urtiaga

CUBA, Alegria del Pio, Niquero

(新種)Pseudocercospora zuelaniae U. Braun & Urtiaga

VENEZUELA, Lara

(新種)Zasmidium genipae-americanae U. Braun & Urtiaga

VENEZUELA, Lara, Villanueva

(新種)Passalora crotonis-gossypiifolii U. Braun & Urtiaga
(新種)Pseudocercospora coremioides U. Braun & Urtiaga

VENEZUELA, Lara, Barquisimeto

(新種)Passalora solaniphila U. Braun & Urtiaga
(新変種)Pseudocercospora psidii var. varians U. Braun & Urtiaga

INDIA, U.P., Gorakhpur
(新種)Pseudocercospora solanacea U. Braun
(新種)Pseudocercosporella leonotidis B.K. Gupta & Kamal ex U. Braun

(新種)

Cercosporella ambrosiae-artemisiifoliae U. Braun & Urtiaga
語源…ブタクサ (Ambrosia artemisiifolia) の
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【よく似た種との区別】
Passalora ambrosiae
形態が一見よく似ている
分生子柄が有色
分生子形成座が明瞭
分生子が倒棍棒状円筒形
本種より子座が大きく直径60 μmまでになる
本種と異なり表在性の菌糸を欠く
本種と異なり分生子柄が常に束状になる
本種と異なり分生子形成座が暗色で厚くなる
本種より分生子の幅がずっと広くなる
Cercosporella cana
同じキク科に発生する
分生子柄が無色
本種と異なり表在性の菌糸を欠く
本種と異なり分生子柄が常に束状になる

(新種)

Passalora crotonis-gossypiifolii U. Braun & Urtiaga
語源…Croton gossypiifolius
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【よく似た種との区別】
Passalora crotoniphila
本種と同じハズ属に発生する
表在性の菌糸を持つ
分生子柄が束状にならない
本種と異なり分生子が鎖状にならず単生する
本種よりも分生子がずっと長い
本種と異なり分生子に複数の隔壁を持つ
Passalora manaosensis
本種と同じハズ属に発生する
表在性の菌糸を持つ
分生子柄が束状にならない
本種よりも分生子がずっと長い
本種と異なり分生子に複数の隔壁を持つ
Passalora rubida
本種と同じハズ属に発生する
表在性の菌糸を持つ
分生子柄が束状にならない
本種よりも分生子がずっと長い
本種と異なり分生子に複数の隔壁を持つ
Passalora crotonis
本種と同じハズ属に発生する
本種と異なり表在性の菌糸を持たない
本種と異なり分生子柄が束状になる
Passalora crotonis-oligandri
本種と同じハズ属に発生する
本種と異なり表在性の菌糸を持たない
本種と異なり分生子柄が束状になる
Passalora maritima
本種と同じハズ属に発生する
本種と異なり表在性の菌糸を持たない
本種と異なり分生子柄が束状になる

(新種)

Passalora solaniphila U. Braun & Urtiaga
語源…ナス属を好む
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【よく似た種との区別】
Cercospora solanacea
形態が一見よく似ている
本種と異なりPseudocercospora属の特徴を持つ
Passalora aratai
本種と同じくナス属に発生する
分生子柄が束状になる
分生子が単生する
本種より分生子の幅がずっと広い
Passalora solani
本種と同じくナス属に発生する
分生子柄が束状になる
分生子が単生する
本種より分生子の幅がずっと広い
Passalora bruchiana
本種と同じくナス属に発生する
本種と異なり分生子が鎖状に連なる

(新種)

Passalora stigmaphyllicola U. Braun & Urtiaga
語源…ツルキントラノオ属に生える
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【よく似た種との区別】
Passalora stigmaphylli
本種と同じくツルキントラノオ属植物に発生する
本種と異なり子座が非常に大きい
本種と異なり表在性の菌糸を欠く
本種と異なり分生子柄が束生し長さ100 μmに達する
分生子のサイズが本種よりずっと大きい
分生子の隔壁の数が本種より多く、4-5隔壁になることもある
Passalora peixotoae
本種と同じくキントラノオ科植物に発生する
本種と異なり宿主の葉に斑点を生じない
本種と異なり子座を生じない
本種と異なり分生子柄が束状にならない
分生子のサイズが本種より大きい
分生子の隔壁の数が本種より多く、4-5隔壁になることもある

(新種)

Pseudocercospora calycophylli U. Braun & Urtiaga
語源…Calycophyllum属の
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora cinchonicola
形態的に類似している
本種と宿主が異なる(キナノキ属)
本種と異なり分生子柄が常に束状になる
本種と異なり分生子により大きなへそを持つ
Pseudocercospora hymenodictyi
本種と宿主が異なる (Hymenodictyon orixense)
本種よりも分生子の幅がずっと広い

(新種)

Pseudocercospora coremioides U. Braun & Urtiaga
語源…コレミウム状の
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora richardsoniicola
アカネ科Spermacoceae連に発生する
形態が非常に類似している
本種よりも子座が非常に大きく100 μmまでになる
本種と異なり分生子柄の束が非常に大きく、幅が100 μmに達する
本種と異なり表在性の菌糸から分生子柄が単生しない
Pseudocercospora borreriae
アカネ科Spermacoceae連に発生する
本種と異なり表在性の菌糸から分生子柄が単生しない
本種と異なりコレミウム状の分生子柄の束を欠く
本種より分生子の幅がずっと狭い
Pseudocercospora hedyotis
アカネ科Spermacoceae連に発生する
本種と異なり表在性の菌糸から分生子柄が単生しない
本種と異なり分生子柄の表面が疣状になる
本種と異なり分生子の表面が疣状になる

(新種)

Pseudocercospora lonchocarpicola U. Braun & Urtiaga
語源…Lonchocarpus属の
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora lonchocarpi
同じLonchocarpus属植物に発生する
本種よりも分生子柄がずっと短い
本種よりも分生子柄の幅がずっと狭い
本種と異なり分生子形成細胞が連続的に伸長する
本種よりも分生子がずっと細く長い
本種と異なり分生子表面が微細な疣状になる
Passalora amazonica
同じLonchocarpus属に発生する
本種と異なり分生子形成座が暗色で厚くなる
本種と異なり分生子が鎖状に連なる
Pseudocercospora lonchocarpigena
同じLonchocarpus属植物に発生する
本種と異なり分生子柄が単生する
本種と異なり分生子形成細胞が連続的に伸長する
本種と異なり分生子がずっと長く幅広い
本種と異なり分生子表面が微細な疣状になる

(新種)

Pseudocercospora lonchocarpigena U. Braun & Urtiaga
語源…Lonchocarpus属に生える
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora lonchocarpicola
同じLonchocarpus属植物に発生する
本種と異なり分生子柄が単生しない
本種と異なり分生子形成細胞が連続的に伸長しない
本種と異なり分生子がずっと短く幅狭い
本種と異なり分生子表面が微細な疣状にならない
Pseudocercospora ichthyomethiae
同じマメ科フジ連の植物に発生する
形態が類似している
本種と異なり大型の子座を形成しない
本種と異なり分生子柄表面がしばしば疣状になる
本種と異なり分生子形成座がやや小歯状になる

(新種)

Pseudocercospora paulliniae U. Braun & Urtiaga
語源…ガラナ属の
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora pometiae
同じムクロジ科植物に発生する
形態がかなり似ている
本種より分生子の幅がやや広い
Pseudocercospora cupaniae
同じムクロジ科植物に発生する
形態が似ている
子座が本種より大きく100 μmまでになる
本種より分生子が短い
Pseudocercospora talisiae
同じムクロジ科植物に発生する
形態が似ている
葉の斑点の様子がかなり異なる
本種と異なり分生子が部分的に鎖状に連なる
本種よりも分生子が短く幅広い
Pseudocercospora mitteriana
同じムクロジ科植物に発生する
形態が似ている
本種よりも分生子が長くほとんど線形
本種と異なり分生子の先端が鈍頭になる
Pseudocercospora dodonaeaem
葉の斑点の様子がかなり異なる
本種と異なり分生子が淡褐色
本種よりも分生子が長く150 μmまでになる
Pseudocercospora acericola
同じムクロジ科植物に発生する(カエデ属)
本種と異なり子座を欠く
本種と異なり表在性の菌糸を持ち分生子が単生する
Pseudocercospora sphendamnophila
同じムクロジ科植物に発生する(カエデ属)
本種と異なり分生子がいくぶん円筒形
本種より分生子の幅が狭く2 μmほどにしかならない

(新種)

Pseudocercospora picramniae U. Braun & Urtiaga
語源…Picramnia属の
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora bruceae
ピクラムニア属がかつて含まれていたニガキ科植物に発生する
表在性の菌糸と単生する分生子柄を形成する
本種と異なり子座を欠く
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子柄が束状にならない

(新変種)

Pseudocercospora psidii var. varians U. Braun & Urtiaga
語源…変化する
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora psidii
本種と異なり表在性の菌糸と単生する分生子柄を欠き、子座上に束状に形成するもののみである
Pseudocercospora sawadae
本種と異なり葉に顕著な斑点を形成しない
本種と異なり子座を欠く
本種と異なり分生子柄が束状にならない
本種より分生子の幅が広い
本種より分生子のへそが幅広い

(新種)

Pseudocercospora solanacea U. Braun
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※1990年に記載されたがタイプ標本を指定しておらず無効学名となっていたPseudocercosporella solanaceaを再度有効に記載した。

(新種)

Pseudocercosporella leonotidis B.K. Gupta & Kamal ex U. Braun
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※1990年に記載されたがタイプ標本を指定しておらず無効学名となっていたPseudocercosporella leonotidisを再度有効に記載した。

(新種)

Pseudocercospora teramnicola U. Braun & Urtiaga
語源…Teramnus属の
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【よく似た種との区別】
Cercospora teramnicola
本種と同じTeramnus属植物に発生する
タイプ標本の行方が分からず比較できないが、本種と形態的に明らかに異なる
本種と異なり子座を欠くかほとんど欠く
本種と異なり表在性の菌糸体が発達しない
本種と異なり分生子柄が非常に長く150 μmまでになる
本種と異なり分生子柄が分枝する
本種と異なり分生子がオリーブ色を帯びることがない

(新種)

Pseudocercospora trichiliae-hirtae U. Braun & Urtiaga
語源…Trichilia hirta
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora trichilae
本種と同じTrichilia属植物に発生する
分生子果がスポロドキア状で本種と大きく異なる
本種と異なり分生子形成細胞が連続的に伸長する
本種より分生子柄が淡色
本種より分生子が淡色
Pseudocercospora ekebergiae
本種と同じセンダン科植物に発生する
本種と異なり分生子形成細胞が連続的に伸長する
Pseudocercospora toonae-ciliatae
同じセンダン科植物に発生する
形態的に容易に区別される
本種と異なり子座が表皮内に生じない
本種より分生子が太く短い
本種と異なり分生子が円筒状糸形にならない
本種と異なり分生子の基部が截断状にならない

(新種)

Pseudocercospora zuelaniae U. Braun & Urtiaga
語源…Zuelania属の
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora caseariae
同じヤナギ科(旧イイギリ科)植物に発生する
本種より分生子柄がずっと短い
本種より分生子の幅がより広い
Pseudocercospora caseariigena
同じヤナギ科(旧イイギリ科)植物に発生する
本種と異なり分生子柄が非常に長く126.5 μmまでになる
本種と異なり分生子柄に複数の隔壁を持つ
本種と異なり分生子柄がしばしば分枝する
本種と異なり分生子が非常に長く140 μmまでになる
Pseudocercospora cylindrosporioides
同じヤナギ科(旧イイギリ科)植物に発生する
本種と異なり分生子が短い
本種と異なり子座がよく発達する
本種と異なり分生子柄が子座から密に生じる
本種と異なり分生子が円筒形からほとんど針状
Pseudocercospora dovyalidis
同じヤナギ科(旧イイギリ科)植物に発生する
本種と異なり分生子が線状円筒形~類針形
Pseudocercospora flacourtiicola
同じヤナギ科(旧イイギリ科)植物に発生する
形態がよく似ている
本種と異なり表在性の菌糸体を形成しない

(新組み合わせ)

Pseudocercospora toonae-ciliatae U. Braun
旧名:Cercoseptoria cedrelae J.M. Yen, A.K. Kar & B.K. Das MB109562
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【よく似た種との区別】
Pseudocercospora trichiliae-hirtae
同じセンダン科植物に発生する
形態的に容易に区別される
本種と異なり子座が表皮内に生じる
本種より分生子が細く長い
本種と異なり分生子が円筒状糸形になる
本種と異なり分生子の基部が截断状になる

(新種)

Zasmidium cubense U. Braun & Urtiaga
語源…キューバ産の
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【よく似た種との区別】
Zasmidium oliganthis
同じキク科植物に発生する
形態が類似している
本種と異なり葉に斑点を生じない
本種と異なり分生子柄が頂部付近で幅広くなる

(新種)

Zasmidium genipae-americanae U. Braun & Urtiaga
語源…Genipa americana
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【よく似た種との区別】
Zasmidium canthii
同じアカネ科植物に発生する
形態的にかなり異なる
本種と異なり子座を欠く
本種と異なり分生子柄が束状にならない
Zasmidium wendlandiicola
同じアカネ科植物に発生する
形態的にかなり異なる
本種と異なり子座を欠く
本種と異なり分生子柄が束状にならない
Zasmidium rubiacearum
同じアカネ科植物に発生する
本種と異なり子座が非常に小さい
本種より分生子柄がずっと長く113.5 μmまでになる
本種よりも分生子がずっと長くなり100.5 μmまでになる
Zasmidium meynae-laxiflorae
同じアカネ科植物に発生する
本種より分生子柄がずっと長く約100 μmまでになる
本種と異なり分生子が部分的に鎖状に連なる

(新組み合わせ)

Zasmidium hyptiantherae (S.K. Singh, Arch. Singh & Kamal) U. Braun
旧名:Stenella hyptiantherae S.K. Singh, Arch. Singh & Kamal

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