(仮訳)Phytophthora属クレード6aの新種:最近の放散のエビデンス
Burgess, TI. et al., 2018. New species from Phytophthora Clade 6a: evidence for recent radiation. Persoonia. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/10.3767/persoonia.2018.41.01 [Accessed January 2, 2018].
【R3-04724】2018/1/3投稿

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3行まとめ

オーストラリア、西オーストラリア州の乾燥地域からクレード6aのPhytophthora属卵菌を報告した。
その中からP. balyanboodjaP. condilinaP. cooljarlooP. kwongonina、およびP. pseudorosacearumの5新種を記載した。
これらの種はいずれもヒースランドの根圏土壌および植物から分離され、全て35°Cで生育可能で生長が速いことなどで特徴づけられた。
Australia, Western Australia, Alfred Cove

(新種)

Phytophthora balyanboodja T.I. Burgess
語源…先住民のニュンガル語で湿地を指す語より
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Australia, Western Australia, Alfred Cove

(新種)

Phytophthora condilina T.I. Burgess
語源…先住民のニュンガル語でモクマオウ属植物を指す語より
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【よく似た種との区別】
Phytophthora inundata
オーストラリアに分布する
造卵器のサイズの範囲が重なる
卵胞子のサイズの範囲が重なる
遊走子嚢柄が分枝しない
遊走子嚢が末端生
遊走子嚢が永存性
遊走子嚢の縦横比の範囲が重なる
遊走子嚢に乳頭突起を欠く
遊走子嚢が内部で伸長する
遊走子嚢の”exit pore”のサイズの範囲が重なる
遊走子のシストのサイズの範囲が重なる
菌糸膨大部が節間生
菌糸膨大部のサイズの範囲が重なる
菌糸膨大部が主に球形
菌糸膨大部に放射状の菌糸を伴う
最小生長温度が4°C
致死温度が37.5°C超
ITS+TUB+HSPおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり汎世界的な分布が知られている
本種と異なり汽水域における生息が知られている
本種と異なりオリーブ属、ススキノキ属、Banksia属植物の根などから分離される
本種より卵胞子が厚壁
本種より卵胞子の”wall index”の値が大きい
本種と異なり造精器が側着性ではなく底着性
本種より造精器の幅が広い
本種より遊走子嚢のサイズが大きい
本種と異なり遊走子嚢が卵状、広卵状、長卵状ではなく卵状、広卵状、楕円形、レモン形
本種より厚壁胞子のサイズが大きい
本種と異なりホモタリックではなく混合型
本種と異なり最大生長温度が35°Cではなく37.5°C
本種と異なり生育適温が25-30°Cではなく25°C
本種よりV8A培地における最適温度での生長が速い
ITS+TUB+HSPおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, Western Australia, Cooljarloo

(新種)

Phytophthora cooljarloo T.I. Burgess
語源…クールジャルー産の
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【よく似た種との区別】
Phytophthora kwongonina
オーストラリアに分布する
根圏土壌から分離される
造卵器の壁が波打つ
卵胞子のサイズの範囲が重なる
造精器が側着性で主に造卵器柄に隣接して生じる
造精器が丸い棍棒形
遊走子嚢柄が分枝しない
遊走子嚢が末端生
遊走子嚢が永存性
遊走子嚢のサイズの範囲が重なる
遊走子嚢の縦横比の範囲が重なる
遊走子嚢に乳頭突起を欠く
遊走子嚢が内部で伸長する
厚壁胞子を欠く
ホモタリックである
最大生長温度が35°C
生育適温が25-30°C
最小生長温度が4°C
致死温度が37.5°C超
培養下での生長が速い
ITS+TUB+HSPおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりHibbertia属ではなくBanksia属およびススキノキ属植物から分離される
本種より造卵器のサイズが大きい
本種より卵胞子が厚壁
本種より卵胞子の”wall index”の値が大きい
本種より造精器のサイズがずっと小さい
本種と異なり遊走子嚢が卵状、長卵状、レモン形、倒洋梨形、広卵状ではなく卵状、長卵状、レモン形、楕円形、広卵状
本種より遊走子嚢の”exit pore”のサイズが小さい
本種より遊走子のシストのサイズが大きい
本種と異なり菌糸膨大部を欠く
本種よりV8A培地における生育適温での生長が速い
ITS+TUB+HSPおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, Western Australia, Bunbury

(新種)

Phytophthora kwongonina T.I. Burgess
語源…kwongon植生の
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【よく似た種との区別】
Phytophthora cooljarloo
オーストラリアに分布する
根圏土壌から分離される
造卵器の壁が波打つ
卵胞子のサイズの範囲が重なる
造精器が側着性で主に造卵器柄に隣接して生じる
造精器が丸い棍棒形
遊走子嚢柄が分枝しない
遊走子嚢が末端生
遊走子嚢が永存性
遊走子嚢のサイズの範囲が重なる
遊走子嚢の縦横比の範囲が重なる
遊走子嚢に乳頭突起を欠く
遊走子嚢が内部で伸長する
厚壁胞子を欠く
ホモタリックである
最大生長温度が35°C
生育適温が25-30°C
最小生長温度が4°C
致死温度が37.5°C超
培養下での生長が速い
ITS+TUB+HSPおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりBanksia属およびススキノキ属ではなくHibbertia属植物から分離される
本種より造卵器のサイズが小さい
本種より卵胞子が薄壁
本種より卵胞子の”wall index”の値が小さい
本種より造精器のサイズがずっと大きい
本種と異なり遊走子嚢が卵状、長卵状、レモン形、楕円形、広卵状ではなく卵状、長卵状、レモン形、倒洋梨形、広卵状
本種より遊走子嚢の”exit pore”のサイズが大きい
本種より遊走子のシストのサイズが小さい
本種と異なり菌糸膨大部を有する
本種よりV8A培地における生育適温での生長が遅い
ITS+TUB+HSPおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, Western Australia, Jarrahdale

(新種)

Phytophthora pseudorosacearum T.I. Burgess
語源…偽のPhytophthora rosacearum
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【よく似た種との区別】
Phytophthora rosacearum
オーストラリアに分布する
土壌から分離される
造卵器のサイズの範囲が重なる
卵胞子のサイズの範囲が重なる
造精器が側着性で主に造卵器柄に隣接して生じる
造精器が丸い棍棒形
遊走子嚢柄が分枝しない
遊走子嚢が末端生
遊走子嚢が永存性
遊走子嚢の縦横比の範囲が重なる
遊走子嚢に乳頭突起を欠く
遊走子嚢が内部で伸長する
ホモタリックである
最大生長温度が35°C
最小生長温度が4°C
致死温度が37.5°C超
ITS+TUB+HSPおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国における分布が知られている
本種と異なりBanksia属、マツ属、リンゴ属、サクラ属植物などから分離される
本種と異なり造卵器の壁が波打つのではなく僅かに波打つ
本種と異なり卵胞子が成熟時黄金褐色ではなく淡色
本種と異なり卵胞子が非充満性ではなく僅かに非充満性
本種より卵胞子の”wall index”の値が小さい
本種より造精器の幅が狭い
本種より遊走子嚢のサイズが小さい
本種と異なり遊走子嚢が卵状、長卵状、レモン形、楕円形、広卵状ではなく卵状、長卵状、楕円形など
本種より遊走子嚢の”exit pore”のサイズが小さい
本種と異なり厚壁胞子を欠く
本種よりV8A培地における生育適温での生長が速い
本種と異なり生育適温が30°Cではなく25-30°C
ITS+TUB+HSPおよびCOX+NADHに基づく分子系統解析で明瞭に区別される