(仮訳)南北アメリカおよびオーストララシア産のフウセンタケ属Cortinarius節の新種
Harrower, E. et al., 2015. New species in Cortinarius section Cortinarius (Agaricales) from the Americas and Australasia. MycoKeys. Available at: http://mycokeys.pensoft.net/articles.php?id=5409 [Accessed September 5, 2015].
【R3-02163】2015/09/04投稿

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3行まとめ

フウセンタケ属Cortinarius節の5新種(南北アメリカから4種、ニュージーランドから1種)を記載した。
また、C. hallowellensisおよびC. kioloensisの新たな標本を採集した結果、両種の既知の宿主範囲および分布範囲が拡大した。
本節の全種の顕微鏡写真および検索表を掲載した。
Costa Rica, San Jose, Perez Zeledon, Villa Mills, CATIE Experimental Forest

(新種)

Cortinarius palatinus Harrower
語源…パラティン色の(※編集注:紫色に近い色)
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【よく似た種との区別】
Cortinarius neotropicus
同所的に分布する(コスタリカ)
同じ標高に分布する
コナラ属の森林に発生する
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり肉が淡紫色でない
本種と異なり子実体基部の菌糸体が淡紫色ではなく白色
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子の表面が微細な小疣状
本種と異なり柄シスチジアを有する
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius atrotomentosus
コナラ属植物を宿主とする
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコスタリカではなく米国に分布する
本種と異なり酸性土壌ではなく石灰質土壌に発生する
本種と異なりQuercus virginianaを宿主とする
本種より柄の幅が広い
本種と異なり柄がオリーブ色を帯びる
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius violaceus(ムラサキフウセンタケ)
形態的に類似している(この種に同定された例がある)
子実体基部の菌糸体が淡紫色
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコスタリカではなく北半球温帯に分布する
本種と異なり柄シスチジアを有する
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Guyana, Region 8 Potaro-Siparuni, Pakaraima Mountains, Upper Potaro River Basin, vicinity of Potaro base camp

(新種)

Cortinarius altissimus Harrower & T.W. Henkel
語源…最も高い(子実体の丈から)
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【よく似た種との区別】
Cortinarius kerrii
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりガイアナではなくアマゾンに分布する
本種と異なり柄が傘の直径の2倍以上という特徴を欠く
本種より担子器のサイズが小さい(半分程度)
本種より側シスチジアが豊富
本種よりシスチジアのサイズが小さい(半分程度)
Costa Rica, San Jose, Perez Zeledon, Villa Mills, CATIE Experimental Forest

(新種)

Cortinarius neotropicus Harrower
語源…新熱帯の
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【よく似た種との区別】
Cortinarius palatinus
同所的に分布する(コスタリカ)
同じ標高に分布する
コナラ属の森林に発生する
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり肉が淡紫色
本種と異なり子実体基部の菌糸体が白色ではなく淡紫色
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子の表面が微細な小疣状でない
本種と異なり柄シスチジアを欠く
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius violaceus(ムラサキフウセンタケ)
柄シスチジアを有する
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体基部の菌糸体が白色ではなく淡紫色
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius atrotomentosus
コナラ属植物を宿主とする
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコスタリカではなく米国に分布する
本種と異なりQuercus virginianaを宿主とする
本種と異なり石灰質土壌に発生する
本種と異なり柄シスチジアを欠く
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
New Zealand, Ruapehu, Tongariro National Park, Mt. Ruapehu, Blyth Track

(新種)

Cortinarius carneipallidus Harrower & E. Horak
語源…淡色の肉の
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【よく似た種との区別】
Cortinarius kioloensis
ニュージーランドに分布する
子実体基部の菌糸体が淡紫色
肉が類白色
柄シスチジアを欠く
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりナンキョクブナ科ではなくフトモモ科植物を宿主とする
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius subcalyptrosporus
形態的に類似している(この種に同定されたことがある)
本種と異なり担子胞子が”calyptrate”
Cortinarius atroviolaceus
形態的に類似している(この種に同定されたことがある)
子実体基部の菌糸体が淡紫色
本種と異なりニュージーランドではなくマレーシア、インドネシアに分布する
本種と異なりナンキョクブナ属ではなくフトモモ科/ブナ科植物を宿主とすると見られる
Cortinarius atrolazulinus
形態的に類似している(この種に同定されたことがある)
本種より傘の幅が狭い
本種より柄が短い
本種より担子器の幅が狭い
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より担子胞子のQ値が小さい
Cortinarius violaceus(ムラサキフウセンタケ)
形態的に類似している(この種に同定されたことがある)
子実体基部の菌糸体が淡紫色
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりニュージーランドではなく北半球温帯に分布する
本種と異なりナンキョクブナ属植物を宿主とするという特徴を欠く
本種と異なり柄シスチジアを有する
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
USA, Florida, Wakulla Co., Crawfordville, Apalachicola National Forest

(新種)

Cortinarius atrotomentosus Harrower
語源…暗色綿毛状の
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【よく似た種との区別】
Cortinarius violaceus(ムラサキフウセンタケ)
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種より北方に分布する(分布域が重ならない)
本種tと異なり傘が暗紫色~暗褐色でない
本種と異なり柄がオリーブ褐色~帯褐灰色でない
本種と異なり肉が帯灰淡紫色ではなく帯灰色~紫色
本種より担子器が長い
本種と異なり柄シスチジアを有する
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius neotropicus
コナラ属植物を宿主とする
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくコスタリカでに分布する
本種と異なりQuercus virginianaを宿主としない
本種と異なり石灰質土壌に発生するという特徴を欠く
本種と異なり柄シスチジアを有する
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius palatinus
コナラ属植物を宿主とする
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり米国ではなくコスタリカに分布する
本種と異なり石灰質土壌ではなく酸性土壌に発生する
本種と異なりQuercus virginianaを宿主としない
本種より柄の幅が狭い
本種と異なり柄がオリーブ色を帯びない
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(タスマニア州、ニュージーランド新産種)

Cortinarius kioloensis A.E. Wood
※ギョリュウバイ属植物を本種の新宿主として報告した。
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【よく似た種との区別】
Cortinarius atroviolaceus
形態的に区別できないほど類似している
子実体基部の菌糸体が淡紫色
柄シスチジアを欠く
本種と異なりオーストラリアおよびニュージーランドではなくインドネシア、マレーシアに分布する
本種と異なりフトモモ科ではなくブナ科植物を宿主とする
Cortinarius subcalyptrosporus
ニュージーランドに分布する
形態的に類似している(誤同定された例がある)
本種と異なり担子胞子が”calyptrate”である
Cortinarius atrolazulinus
本種と異なりフトモモ科ではなくナンキョクブナ科植物を宿主とする
本種より担子器の幅が狭い
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子のQ値が小さい
Cortinarius carneipallidus
ニュージーランドに分布する
子実体基部の菌糸体が淡紫色
肉が類白色
柄シスチジアを欠く
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフトモモ科ではなくナンキョクブナ科植物を宿主とする
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius hallowensis
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面が乾燥しているのではなく粘性がある
本種と異なり傘表面が綿毛状~小鱗片状ではなく平滑
本種と異なり傘表皮が粘平行菌糸被ではなく毛状被
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(タスマニア州新産種)

Cortinarius hallowensis A.E. Wood
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【よく似た種との区別】
Cortinarius kioloensis
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面が乾燥している
本種と異なり傘表面が平滑ではなく綿毛状~小鱗片状
本種と異なり傘表皮が毛状被ではなく粘平行菌糸被
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Cortinarius jenolanensis
傘表面が小鱗片状でない
本種と異なり子実層シスチジアを欠く
Cortinarius paraviolaceus
傘表面が小鱗片状でない
本種と異なり子実層シスチジアを欠く
Cortinarius austroviolaceus
傘表面が小鱗片状でない
本種と異なり子実層シスチジアを欠く
Cortinarius violaceus(ムラサキフウセンタケ)
形態的に類似している(この種に同定されたことがある)
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
ITS+nrLSU+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される