(仮訳)ニクイロアナタケ属の新種
Spirin, W., Zmitrovich, I. & Malysheva, V., 2007. New species in Junghuhnia (Polyporales, Basidiomycota). Annales Botanici Fennici. Available at: http://www.jstor.org/stable/23727803 [Accessed September 4, 2017].
【R3-04364】2017/09/05投稿

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3行まとめ

ロシアの広葉樹林においてヨーロッパヤマナラシの幹に発生したニクイロアナタケ属3新種を記載した。
Junghuhnia autumnaleは半背着生~傘状で子実層托が淡黄褐色~帯赤褐色、J. imbricataは有柄でシスチジアに豊富な結晶を伴うことなどで特徴づけられた。
J. microporaは背着生で孔口が小型であり、どの北半球産同属他種よりも担子胞子が小型であった。
Russia, Nizhny Novgorod Reg., Lukoyanov Dist., Razino

(新種)

Junghuhnia autumnale Spirin, Zmitr. & Malysheva
語源…秋の(発生時期から)
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【よく似た種との区別】
Junghuhnia semisupiniformis
同じヨーロッパヤマナラシを宿主とする
本種と異なりロシアではなくベラルーシなどに分布する
本種と異なり子実体が強く膠着する
本種より子実体が薄い
本種と異なり子実体表面が綿毛状で条線を有する
本種より孔口のサイズが小さい
本種と異なり肉が2層からなる
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が広楕円形ではなくほとんどの場合類球形
Junghuhnia nitida(ニクイロアナタケ)
形態的に類似している(子実体が背着生の時に混同のおそれがある)
本種と異なり子実体が半背着生~傘状ではなく常に平伏する
本種と異なり孔口面が結節状ではなく平坦
本種と異なり子実体縁部が丸いのではなく長縁毛状
本種より担子胞子が顕著に長い
Junghuhnia imbricata
ロシアに分布する
同じヨーロッパヤマナラシを宿主とする
宿主の幹に発生する
本種より子実体がほとんどの場合薄い
本種と異なり子実体が平らに広がる強い傾向があるという特徴を欠く
本種と異なり肉が同質でない
本種より担子胞子の幅が狭い
本種よりシスチジアの形状が規則的でない
本種よりシスチジアに密に結晶を伴う
本種より骨格菌糸が密に配列する
本種より骨格菌糸の幅が顕著に狭い
本種と異なり骨格菌糸が時に崩壊するという特徴を欠く
Russia, Nizhny Novgorod Reg., Lukoyanov Dist., Sanki

(新種)

Junghuhnia imbricata Spirin
語源…重生する
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【よく似た種との区別】
Antrodiella faginea
子実体の肉眼的形態がほぼ同一(傘状の場合)
本種と顕微鏡的形質がかなり異なる
Antrodiella pallescens
子実体の肉眼的形態がほぼ同一(傘状の場合)
本種と顕微鏡的形質がかなり異なる
Junghuhnia autumnale
ロシアに分布する
同じヨーロッパヤマナラシを宿主とする
宿主の幹に発生する
本種より子実体がほとんどの場合厚い
本種と異なり子実体が平らに広がる強い傾向がある
本種と異なり肉が同質
本種より担子胞子の幅が広い
本種よりシスチジアの形状が規則的
本種ほどシスチジアに密に結晶を伴わない
本種ほど骨格菌糸が密に配列しない
本種より骨格菌糸の幅が顕著に広い
本種と異なり骨格菌糸が時に崩壊する
Junghuhnia semisupiniformis
同じヨーロッパヤマナラシを宿主とする
本種と異なりロシアではなくベラルーシなどに分布する
本種ほど子実体が硬くない
本種と異なり子実体が綿毛状
本種より担子胞子のサイズがずっと小さい
Russia, Nizhny Novgorod Reg., Lukoyanov Dist., Razino

(新種)

Junghuhnia micropora Spirin, Zmitrovitch & Malysheva
語源…小さな孔の
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【よく似た種との区別】
Antrodiella romellii
管孔が強く膠着する
管孔が黄褐色
孔口が小型
実質が膠着する
菌糸が密に詰まる
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なりシスチジアを欠く
本種と異なり偽シスチジアを欠く
本種と異なり孔壁の縁が2菌糸型ではなくほとんど1菌糸型
Junghuhnia japonica
亜寒帯域に分布する
孔口のサイズが類似している
本種より子実体が厚い
本種より担子胞子がずっと長い
Junghuhnia minuta
孔口が小型
本種と異なりロシアではなく熱帯域に分布する
本種と異なり子実体が傘状
本種より担子胞子のサイズが小さい
Junghuhnia neotropica
孔口が小型
本種と異なりロシアではなく熱帯域に分布する
本種と異なり子実体が傘状
本種より担子胞子のサイズが小さい

(新組み合わせ提唱、ロシア新産種)

Junghuhnia aurantilaeta (Corner) Spirin
旧名:Antrodiella aurantilaeta (Corner) Hattori & Ryvarden
(基礎異名はTyromyces aurantilaetus Corner)
Junghuhnia vitellinaを本種のシノニムとした。
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