(仮訳)キクバナイグチ属Boletellus節の日本産新種、B. aurocontextusおよびB. areolatus
Sato, H. & Hattori, T., 2015. New Species of Boletellus Section Boletellus (Boletaceae, Boletales) from Japan, B. aurocontextus sp. nov. and B. areolatus sp. nov. PLOS ONE. Available at: http://dx.plos.org/10.1371/journal.pone.0128184 [Accessed June 24, 2015].
【R3-01949】2015/06/24投稿

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3行まとめ

日本からBoletellus aurocontextusおよびB. areolatusの2新種を記載した。
前者は傘の鱗片の合間からレモン色~鮮黄色の肉をあらわし、担子胞子が比較的長く、後者は傘表面に羊毛状~圧着した薄い鱗片状のパッチを伴い、担子胞子が比較的短いことなどで特徴づけられた。
両種は従来B. emodensisと同一視されていたが、形態学的検討および分子系統解析の結果から別種とされた。
京都府京都市東山区清水坂

(新種)

Boletellus aurocontextus Hirot. Sato
語源…金色の肉の
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【よく似た種との区別】
Boletellus areolatus
日本(九州~本州)に分布する
コナラ属の森林に発生する
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面に羊毛状~圧着した薄い鱗片状のパッチを伴う
本種と異なり傘肉がレモン色~鮮黄色でない
本種と異なり柄がワイン赤色~紫赤色でない
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子のQm値が小さい
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Boletellus emodensis(キクバナイグチ)
日本(九州~本州)に分布する
コナラ属の森林に発生する
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘鱗片のばら赤色~帯紫赤色が子実体が成熟しても保たれるという特徴を欠く
本種と異なり傘肉がレモン色~鮮黄色でない
本種より担子胞子のQm値が小さい
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Boletellus ananaeceps
担子胞子が大型
担子胞子が細長い形状をしている
本種と異なり日本ではなくオーストラリアに分布する
本種と傘表面の形態が異なる
本種と異なり傘肉がレモン色~鮮黄色でない
本種と異なり柄がワイン赤色~紫赤色でない
宮崎県宮崎市蓮ヶ池

(新種)

Boletellus areolatus Hirot. Sato
語源…小区画状の
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【よく似た種との区別】
Boletellus aurocontextus
日本(九州~本州)に分布する
コナラ属の森林に発生する
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面に羊毛状~圧着した薄い鱗片状のパッチを伴うという特徴を欠く
本種と異なり傘肉がレモン色~鮮黄色
本種と異なり柄がワイン赤色~紫赤色
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子のQm値が大きい
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Boletellus emodensis(キクバナイグチ)
日本(九州~本州)に分布する
コナラ属およびシイ属の森林に発生する
形態的に類似している
傘の色が類似している
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面に羊毛状~圧着した薄い鱗片状のパッチを伴うという特徴を欠く
本種と異なり柄の上半分が淡色~淡クリーム色という特徴を欠く
本種より担子胞子のQm値が大きい
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Boletellus dissiliens
形態的に類似している
担子胞子が比較的小型
本種と異なり傘表面に羊毛状~圧着した薄い鱗片状のパッチを伴うという特徴を欠く
本種と異なり柄の上半分が淡色~淡クリーム色という特徴を欠く
本種より担子胞子の幅が狭い

(その他掲載種)

Boletellus emodensis (Berk.) Singer
キクバナイグチ
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【よく似た種との区別】
Boletellus aurocontextus
日本(九州~本州)に分布する
コナラ属の森林に発生する
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘鱗片のばら赤色~帯紫赤色が子実体が成熟しても保たれる
本種と異なり傘肉がレモン色~鮮黄色
本種より担子胞子のQm値が大きい
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Boletellus areolatus
日本(九州~本州)に分布する
コナラ属およびシイ属の森林に発生する
形態的に類似している
傘の色が類似している
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘表面に羊毛状~圧着した薄い鱗片状のパッチを伴う
本種と異なり柄の上半分が淡色~淡クリーム色
本種より担子胞子のQm値が小さい
ITS、RPB1+RPB2、cox3に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Boletellus paradoxus
本種と異なり傘が初め明るい帯紫赤色~鈍い帯紫赤色で、のちに退色し黄褐色になるのではなくいくぶん琥珀色
本種より担子胞子のQm値が大きい