(仮訳)ヒメムキタケ属の新種およびHohenbuehelia atrocoeruleaNematoctonus robustus複合種について
Consiglio, G., Setti, L. & Thorn, RG. 2018. New species of Hohenbuehelia, with comments on the Hohenbuehelia atrocoeruleaNematoctonus robustus species complex. Persoonia. Available at: http://repository.naturalis.nl/document/660364 [Accessed September 11, 2018].
【R3-05483】2018/9/12投稿

【お読みください】
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3行まとめ

米国、カナダ、およびコスタリカに産したHohenbuehelia algonquinensisなど4新種を記載した。
また、H. nigraがシジミタケ属に含まれることを示したほか、新組み合わせH. robustaを提唱した。
西欧および北米北東部産の半円形の子実体を形成するヒメムキタケ属菌の検索表を掲載した。
Canada , Ontario, Algonquin Provincial Park, Booth’s Rock Trail

(新種)

Hohenbuehelia algonquinensis Consiglio, Setti & Thorn
語源…アルゴンキン産の
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【よく似た種との区別】
Hohenbuehelia atrocaerulea
形態的に類似している(この種に同定されたことがある)
傘が半円形
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカナダではなくヨーロッパおよびアジアなどに分布する
本種より傘のサイズが大きい
本種と顕微鏡的形質が異なる
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia canadensis
カナダに分布する
針葉樹の材などに発生する
傘が半円形
襞の間隔が中程度に密
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が黒色ではなく褐色~黒色
本種と異なり傘表面が基部にかけて微細な白色綿毛状なのではなく基部にかけて微細な霜状あるいは帯灰色綿毛状
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia nimueae
カナダに分布する
傘が半円形
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり襞が幼時純白色~淡灰色で老成すると僅かに類白色なのではなく帯灰橙色~暗い帯褐灰色
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia carlothornii
傘が半円形
アナモルフの形態が識別不能なほど類似している
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカナダではなくコスタリカに分布する
本種より傘のサイズが大きい
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Canada, Alberta, Strachan

(新種)

Hohenbuehelia canadensis Consiglio, Setti & Thorn
語源…カナダ産の
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【よく似た種との区別】
Hohenbuehelia grisea(ツメタケ)
北米に分布する
形態的に類似している(この種に誤同定されてきた)
傘が半円形
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコスタリカやヨーロッパなどにおける分布が知られている
本種と異なり針葉樹に発生するという特徴を欠く
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり子実体が暗色でない
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia mustialensis
カナダに分布する
形態的に類似している(この種に誤同定されてきた)
傘が半円形
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフィンランドにおける分布が知られている
本種と異なり襞がクリーム色~淡い帯灰黄色ではなく帯灰褐色~黒色
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia algonquinensis
カナダに分布する
針葉樹の材などに発生する
傘が半円形
襞の間隔が中程度に密
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が褐色~黒色ではなく黒色
本種と異なり傘表面が基部にかけて微細な霜状あるいは帯灰色綿毛状なのではなく基部にかけて微細な白色綿毛状
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia nimueae
カナダに分布する
形態的に類似している(この種の小型の標本に類似している)
傘が半円形
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり襞がクリーム色~淡い帯灰黄色ではなく帯灰橙色~暗い帯褐灰色
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Canada, Ontario, Luther Bog, near Arthur

(新種)

Hohenbuehelia nimueae Consiglio, Setti & Thorn
語源…アーサー王伝説の湖の乙女、ニミュエに因む(オンタリオ州アーサー付近の池のほとりで採集されたことから)
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【よく似た種との区別】
Hohenbuehelia grisea(ツメタケ)
北米に分布する
形態的に類似している(この種の小型の標本に類似している)
傘が半円形
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコスタリカやヨーロッパなどにおける分布が知られている
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり襞が帯灰橙色~暗い帯褐灰色になるという特徴を欠く
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia canadensis
カナダに分布する
形態的に類似している(この種の小型の標本に類似している)
傘が半円形
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり襞が帯灰橙色~暗い帯褐灰色ではなくクリーム色~淡い帯灰黄色
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia algonquinensis
カナダに分布する
傘が半円形
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり襞が帯灰橙色~暗い帯褐灰色ではなく幼時純白色~淡灰色で老成すると僅かに類白色
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Resupinatus niger
カナダに分布する
落葉樹の材に発生する
メチュロイドが突出する
傘が半円形
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりコスタリカにおける分布が知られている
本種と異なり傘が暗い帯灰褐色ではなく黒色
本種と異なり襞が初めクリーム白色でのちに帯灰褐色になるのではなく黒色
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Costa Rica, Puntarenas Province, Wilson Botanical Garden near San Vito, West Bank Trail at top of stairs past Rio Jaba

(新種)

Hohenbuehelia carlothornii Consiglio, Setti & Thorn
語源…本種のパラタイプ標本などを採集したCarlo Thorn氏に献名
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【よく似た種との区別】
Hohenbuehelia atrocoerulea
傘が半円形
アナモルフの形態が識別不能なほど類似している
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコスタリカではなくヨーロッパ、アジアなどに分布する
本種と異なり傘が類白色ではなく類白色~灰色、淡ベージュ色、蜜褐色、時にオリーブ褐色
本種より担子胞子の幅が広い
本種と異なり傘表皮に”pileogloeosphex”を有する
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia grisea(ツメタケ)
コスタリカに分布する
傘が半円形
アナモルフの形態が識別不能なほど類似している
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米、ヨーロッパなどにおける分布が知られている
本種と異なり傘が類白色ではなく淡ベージュ色~蜜褐色で縁部が淡色
本種と異なり傘表面の基部にかけて微細な白色綿毛状なのではなく基部にかけて淡色~帯黄褐色綿毛状
本種より担子胞子の幅が広い
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Hohenbuehelia cyphelliformis
傘が半円形
アナモルフの形態が識別不能なほど類似している
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコスタリカではなく米国、カナダ、ヨーロッパなどに分布する
本種より傘のサイズが小さい
Hohenbuehelia algonquinensis
傘が半円形
アナモルフの形態が識別不能なほど類似している
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコスタリカではなくカナダに分布する
本種より傘のサイズが小さい
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Hohenbuehelia robusta (F.R. Jones) Consiglio, Setti & Thorn
旧名:Nematoctonus robustus F.R. Jones
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(その他掲載種)

Resupinatus niger (Schwein.) Murrill
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【よく似た種との区別】
Hohenbuehelia nimueae
カナダに分布する
落葉樹の材に発生する
メチュロイドが突出する
傘が半円形
担子胞子のサイズの範囲が重なる
本種と異なりコスタリカにおける分布が知られていない
本種と異なり傘が黒色ではなく暗い帯灰褐色
本種と異なり襞が黒色ではなく初めクリーム白色でのちに帯灰褐色になる
ITS+nrLSU+TEF1に基づく分子系統解析で明瞭に区別される