(仮訳)西欧およびエチオピア産のHypoxylon属新種
Jacques, F., Bärbel, K. & Marc, S. 2010. New species of Hypoxylon from western Europe and Ethiopia. Mycotaxon. Available at: https://www.ingentaconnect.com/content/mtax/mt/2010/00000113/00000001/art00022 [Accessed September 29, 2020] 【R3-07730】2020/9/29投稿

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3行まとめ

フランス、ポルトガル、イギリス、エチオピアからHypoxylon属4新種を記載した。
そのうちエチオピア産のH. addisからはクロサイワイタケ科菌類として初めてレカノール酸が検出された。
ヨーロッパ産Hypoxylon属菌の検索表を作成した。
France, Vosges, Forêt de Rambervilliers

(新種)

Hypoxylon fuscoides J. Fournier, P. Leroy, M. Stadler & Roy Anderson
語源…Hypoxylon fuscum類似の
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon fuscum(ハンノキコブタケ)
ヨーロッパに分布する
同じカバノキ科樹木に生じる
形態的に野外では区別できないほど類似している
本種と異なりハシバミ属樹木などから知られている
本種より子嚢胞子のサイズが大きい
本種ほど子嚢胞子の末端が尖らない
本種と異なりKOH溶出性の色素が帯ワイン紫色ではなく帯オリーブ褐色
本種と異なり二次代謝産物としてダルジナールA、ダルジニンC、E、Fを含む
Hypoxylon carneum
ヨーロッパに分布する
本種と異なり汎世界的に分布する
本種より子座が薄い
本種と異なり子座がクッション形ではなく平らに広がる
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がS字状ではなく直線状
本種と異なりKOH溶出性の色素が帯ワイン紫色ではなく帯鉛紫色または欠く
本種と異なり主要な子座の二次代謝産物がカルネ酸類である
Hypoxylon rosieri
KOHに対する呈色反応が紫色
本種と異なりイギリスおよびフランスではなく米国などに分布する
本種より子嚢胞子が顕著に長い
本種より子嚢胞子の形状が細長い
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝がS字状でない
Portugal, Ribatejo Prov., Achete, Ribeirhina

(新種)

Hypoxylon lusitanicum J. Fournier, M. Stadler & Priou
語源…ポルトガル(ラテン語名ルシタニア)の
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon perforatum
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子座の孔口部分が臍状に窪む
子座の孔口周囲に白色の盤をあらわす
子座表面直下に帯黄色の小粒を含む
本種より子嚢殻のサイズが小さい
本種と異なり子嚢に長い柄を有するという特徴を欠く
本種より子嚢胞子のサイズが顕著に小さい
本種ほど子嚢胞子の末端が狭く丸くない
本種と異なりKOH溶出性の色素が赤褐色という特徴を欠く
本種と異なり二次代謝産物としてヒポミルチンを含む
Hypoxylon rubiginosum(アカコブアザタケ)
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
子嚢の先端リングがアミロイド
本種より子嚢胞子の平均長が短い
Hypoxylon petriniae
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(混同のおそれがある)
本種と子座の色が異なる
Hypoxylon canariense
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(野外で混同のおそれがある)
子座の色が類似している
子座が平らに広がる
本種と異なりポルトガルではなくカナリア諸島などに分布する
本種と子座の色が異なる
本種と異なり子嚢の柄が長いのではなく短い
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種と異なり子嚢胞子のペリスポア表面が平滑
Hypoxylon urriesi
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(野外で混同のおそれがある)
子座の色が類似している
子座が平らに広がる
子嚢の先端リングがアミロイド
本種と異なりポルトガルではなくカナリア諸島などに分布する
本種より子嚢殻のサイズがずっと小さい
本種と異なり子嚢の柄が長いのではなく短い
本種より子嚢胞子のサイズが僅かに大きい
本種と異なり子嚢胞子のペリスポア表面が平滑
本種と異なり子嚢胞子の発芽溝が直線状ではなく僅かにS字状
France, Côte d’Or, Gevrey-Chambertin, Combe de Lavaux

(新種)

Hypoxylon gibriacense J. Fournier, M. Stadler & Gardiennet
語源…ジュヴレ(ラテン語名ギブリアクム)産の
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon fraxinophilum
ヨーロッパに分布する
子座の形態が類似している
子嚢の形態が類似している
子嚢胞子の形態が類似している
本種と異なりカエデ属ではなくトネリコ属樹木に特異的に生じる
本種と子座の形状が異なる
本種と異なり子座に孔口盤を欠く
本種と異なり二次代謝産物としてルビギノシンC、BNTが知られていない
Hypoxylon addis
孔口盤を有する
子嚢頂部にアミロイドの構造を欠く
KOH溶出性の色素の色が類似している
本種と異なりフランスではなくエチオピアに分布する
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
本種と異なり子嚢胞子表面に微かに条線を有する
本種と子座の二次代謝産物プロファイルが完全に異なる
Ethiopia, Giyon/Wolisso, Negash Lodge

(新種)

Hypoxylon addis J. Fournier, M. Stadler & U. Lindemann
語源…エチオピアの言葉で「新しい」
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【よく似た種との区別】
Hypoxylon shearii
子座の形態が類似している
子嚢胞子の形態が類似している
子座の色素の色が類似している
本種と異なりエチオピアではなく米国などに分布する
本種と異なりハズ属ではなくコナラ属樹木などに生じる
本種と異なり孔口周囲に明瞭な隆起した盤を有するという特徴を欠く
本種より子嚢胞子のサイズが小さい
本種より子嚢胞子のペリスポアの装飾がずっと顕著である
本種と異なり二次代謝産物としてミトルブリン類およびルビギノシン類を含む
本種と異なり二次代謝産物としてレカノール酸が知られていない
Hypoxylon gibriacense
孔口盤を有する
子嚢頂部にアミロイドの構造を欠く
KOH溶出性の色素の色が類似している
本種と異なりエチオピアではなくフランスに分布する
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
本種と異なり子嚢胞子表面に微かに条線を有するという特徴を欠く
本種と子座の二次代謝産物プロファイルが完全に異なる