(仮訳)黒色穎粒菌腫の原因となるMadurella属の新種
de Hoog, GS., et al., 2012. New species of Madurella, causative agents of black-grain mycetoma. Journal of clinical …. Available at: http://jcm.asm.org/content/50/3/988.short [Accessed December 18, 2013].
【R3-00156】2013/12/18投稿

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3行まとめ

スーダンとインドネシアで分離された黒色穎粒菌腫の原因菌を、それぞれMadurella fahaliiM. tropicanaとして新種記載した。
Madurella fahaliiは生長適温が30°Cと低く、真菌腫の治療法として唯一用いられるアゾール系抗真菌薬に対する感受性が他の本属菌よりも低かった。
また、本論文ではM. pseudomycetomatisを規約上有効に記載するとともに、M. ikedaeM. mycetomatisのシノニムとした。
Khartoum, Sudan

(新種)

Madurella fahalii de Hoog, van Diepeningen, Maghoub, et van de Sande
語源…菌腫の専門家で、ハルツームの菌腫研究所の創立者であるAhmed Fahalに献名
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【よく似た種との区別】
Madurella mycetomatis
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
本種と異なりSGA培地中に褐色の水溶性色素を産生する
最適生長温度が本種(30°C)より高い(37°C)
本種と異なりイトラコナゾール感受性である
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Madurella pseudomycetomatis
最適生長温度が本種と同じ30°C
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
本種と異なりSGA培地中に褐色の水溶性色素を産生する
本種と異なりイトラコナゾール感受性である
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Madurella tropicana
最適生長温度が本種と同じ30°C
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
本種と異なりSGA培地中に褐色の水溶性色素を産生する
本種と異なりイトラコナゾール感受性である
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Madurella grisea
最適生長温度が本種と同じ30°C
SGA培地中に褐色の水溶性色素を産生しない
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
本種と異なりイトラコナゾール感受性である
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
中国重慶市

(新種)

Madurella pseudomycetomatis Yan, Deng, Zhou, Zhong, et Hao ex de Hoog, van Diepeningen, Mahgoub, et van de Sande
語源…偽のMadurella mycetomatis
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【よく似た種との区別】
Madurella mycetomatis
SGA培地中に褐色の水溶性色素を産生する
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
最適生長温度が本種(30°C)より高い(37°C)
ITS領域の塩基配列に違いが見られる
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Madurella tropicana
SGA培地中に褐色の水溶性色素を産生する
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
最適生長温度が本種と同じ30°C
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Madurella grisea
最適生長温度が本種と同じ30°C
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
本種と異なりSGA培地中に褐色の水溶性色素を産生しない
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Madurella fahalii
最適生長温度が本種と同じ30°C
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
本種と異なりSGA培地中に褐色の水溶性色素を産生しない
本種と異なりイトラコナゾールに対する耐性を持つ
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Medan, Indonesia

(新種)

Madurella tropicana de Hoog, van Diepeningen, Maghoub, et van de Sande
語源…熱帯の
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【よく似た種との区別】
Madurella mycetomatis
SGA培地中に褐色の水溶性色素を産生する
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
最適生長温度が本種(30°C)より高い(37°C)
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Madurella pseudomycetomatis
SGA培地中に褐色の水溶性色素を産生する
最適生長温度が本種と同じ30°C
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Madurella grisea
最適生長温度が本種と同じ30°C
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
本種と異なりSGA培地中に褐色の水溶性色素を産生しない
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される
Madurella fahalii
最適生長温度が本種と同じ30°C
ITS、BT2RPB2などを用いた分子系統解析でいずれも近縁
本種と異なりSGA培地中に褐色の水溶性色素を産生しない
本種と異なりイトラコナゾールに対する耐性を持つ
ITS、BT2RPB2の少なくとも一つを用いた分子系統解析で明瞭に区別される

その他の分類学的措置

  • Madurella ikedaeMadurella mycetomatisはITS領域に1塩基しか違いが見られず、BT2およびRPB2の塩基配列もほぼ同一であったことから、誤同定に基づいて記載されたと判断され、前者が後者のシノニムとされた。