(仮訳)韓国のアマノリ養殖場において蔓延する単細胞の絶対寄生菌の新種、Olpidiopsis pyropiae
Klochkova, TA. et al., 2015. New species of unicellular obligate parasite, Olpidiopsis pyropiae sp. nov., that plagues Pyropia sea farms in Korea. Journal of Applied Phycology. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s10811-015-0595-4 [Accessed October 1, 2015].
【R3-02246】2015/10/02投稿

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3行まとめ

韓国において養殖スサビノリに病害を起こし経済的損失をもたらしている卵菌の一種を検討し、Olpidiopsis pyropiaeとして新種記載した。
本種は日本で養殖スサビノリに感染するO. porphyraeとはnrSSUの塩基配列が明瞭に異なり、4つのイントロン様挿入配列を欠いていた。
本種は遊走子で感染し、宿主の細胞質中で球形多核の菌体が発達し、2日以内に遊走子嚢が成熟した。
韓国忠清南道舒川郡

(新種)

Olpidiopsis pyropiae G.H. Kim & T.A. Klochkova
語源…アマノリ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Olpidiopsis porphyrae
海生菌である
同じスサビノリを宿主とする
遊走子嚢のサイズが類似している
遊走子嚢が球形~楕円形
遊走子の次端部に鞭毛を有する
nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国ではなく日本に分布する
本種と異なりウシケノリ属紅藻を宿主とすることがある
本種と異なり遊走子嚢の放出管の数が1(2)ではなく1
本種より遊走子嚢の放出管が短い
本種より遊走子の鞭毛が長い
nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(配列類似度90.4%)
本種と異なりnrSSUに4つのイントロン様挿入配列を有する
Olpidiopsis bostrychiae
海生菌である
同じアマノリ属紅藻を宿主とする
遊走子嚢が球形~楕円形
遊走子嚢の放出管の数が1(2)
nrSSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり韓国ではなくマダガスカルに分布する
本種と異なりコケモドキ属、フタマタコケモドキ属、シマダジア属などの紅藻を宿主とすることがある
本種より遊走子嚢のサイズが大きい
本種と異なり遊走子の鞭毛が次端部ではなく側部に生じる
本種より遊走子の鞭毛のサイズが大きい
本種と異なりK体様の構造を認めない
nrSSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Olpidiopsis antithamnionis
遊走子嚢が球形~楕円形
本種と異なりアマノリ属紅藻ではなくAntithamnion floccosumを宿主とする
本種より遊走子嚢のサイズが大きい
本種と異なり遊走子嚢の放出管の数が1(2)ではなく1(3)
本種と異なり遊走子の鞭毛が次端部ではなく側部に生じる
本種より遊走子の鞭毛のサイズが大きい
Olpidiopsis dangeardii
本種と異なりアマノリ属紅藻ではなくRadicilingua reptansを宿主とする
本種より遊走子嚢のサイズが大きい
本種と異なり遊走子嚢が球形~楕円形ではなく球形で不規則に浅裂する
本種と異なり遊走子嚢の放出管の数が1(2)ではなく(1)2-3
本種より遊走子の鞭毛が長い
Olpidiopsis feldmanii
遊走子の鞭毛のサイズの範囲が重なる
本種と異なりアマノリ属紅藻ではなくAsparagopsis armataおよびBonnemaisonia hamiferaを宿主とする
本種より遊走子嚢のサイズが大きい
本種と異なり遊走子嚢が球形~楕円形ではなく球形または長楕円形
本種と異なり遊走子嚢の放出管の数が1(2)ではなく1(2-3)
本種と異なり遊走子の鞭毛が次端部ではなく側部に生じる
Olpidiopsis magnusii
本種と異なりアマノリ属紅藻ではなくCeramium flabelligerumを宿主とする
本種より遊走子嚢のサイズが大きい
本種と異なり遊走子嚢が球形~楕円形ではなく球形
本種と異なり遊走子嚢の放出管の数が1(2)ではなく1
本種と異なり遊走子の鞭毛が次端部ではなく側部に生じる
本種より遊走子の鞭毛の幅が広い