(仮訳)古来のニッチからの新規の菌類:シダ生息性のラクノイドおよびChalara属類似菌類
Guatimosim, E. et al., 2016. Novel fungi from an ancient niche: lachnoid and chalara-like fungi on ferns. Mycological Progress. Available at: https://doi.org/10.1007/s11557-016-1232-6 [Accessed November 28, 2018] 【R3-05716】2018/11/28投稿

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3行まとめ

ブラジルにおいてシダ生息菌を調査し、5種の宿主から18の分離菌株を得た。
LachnopsisScolecolachnum、およびZymochalaraの3新属と2新組み合わせを提唱し、6新種を記載した。
また、絶滅危惧種のDicksonia sellowianaを宿主とするLachnopsis catarinensisおよびLachnopsis dicksoniaeを絶滅危惧菌類のリストに加える可能性について議論した。
Brazil, Rio de Janeiro, Nova Friburgo, Macae de Cima

(新種)

Bloxamia cyatheicola Guatimosim, R.W. Barreto & Crous
語源…ヘゴ属に生息する
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【よく似た種との区別】
Bloxamia foliicola
宿主に対して病原性を有する
宿主の生葉に生息する
本種と異なりブラジルではなくアルゼンチンなどに分布する
本種と異なりヘゴ属ではなくOxyspora属植物などを宿主とする
本種と異なりスポロドキアではなくシンネマを形成する
本種と異なり分生子果が琥珀色~黒色ではなく褐色
本種より分生子形成細胞のサイズが大きい
本種と異なり分生子形成細胞が淡褐色ではなく褐色
本種と異なり分生子形成細胞が類円筒形ではなく円筒形
Bloxamia cremea
スポロドキアを形成する
本種と異なりブラジルではなくアルゼンチンなどに分布する
本種と異なり生葉ではなく枯死材に発生する
本種と異なりスポロドキアが琥珀色~黒色ではなく白色~クリーム色
本種より分生子形成細胞の最大長が短い
本種と異なり分生子形成細胞が淡褐色ではなく暗褐色
本種と異なり分生子形成細胞が類円筒形ではなく円筒形
Bloxamia truncata
分生子形成細胞が淡褐色
本種と異なりブラジルではなくイングランドなどに分布する
本種と異なりヘゴ属ではなくニレ属植物などを宿主とする
本種と異なり生葉ではなく樹皮の剥がれた材などに発生する
本種と異なりスポロドキアが琥珀色~黒色ではなく黒色
本種より分生子柄が良好に発達する
本種より分生子柄のサイズが大きい
本種より分生子形成細胞のサイズが小さい
本種と異なり分生子形成細胞が類円筒形ではなく円筒形~類円筒形
本種と異なり分生子鎖が短いのではなく長い
本種と異なり分生子鎖が容易に断片化するのではなくスライム状
本種と異なり分生子が円筒形ではなくいくぶん立方体状
Puerto Rico, Adjuntas, Guilarte Trail

(新組み合わせ)

Erioscyphella euterpes (S.A. Cantrell & J.H. Haines) Guatimosim, R.W. Barreto & Crous
旧名:Lachnum euterpes S.A.Cantrell & J.H. Haines
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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中国海南省昌江リー族自治県

(新組み合わせ)

Erioscyphella lushanensis (W.Y. Zhuang & Zheng Wang) Guatimosim, R.W. Barreto & Crous
旧名:Lachnum lushanense W.Y. Zhuang & Z. Wang
※本種のエピタイプ標本を指定した。
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Brazil, Santa Catarina, Urubici

(新種)

Lachnopsis catarinensis Guatimosim, R.W. Barreto & Crous
語源…(属名)Lachnum属類似/(種小名)(サンタ)カタリーナ産の
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【よく似た種との区別】
Lachnum cyphelloides
子嚢盤が淡色
子嚢盤が盤状
子嚢胞子が長針状
本種と異なり双子葉植物の樹木などを宿主とする
本種と異なり毛が白色~淡褐色の樹脂状または結晶状物質に覆われる
Lachnum macrosporum
子嚢胞子が長紡錘形
本種と異なりブラジルではなくジャワおよびガイアナなどに分布する
本種と異なり子嚢が倒棍棒形ではなく狭楕円形~円筒形
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が3ではなく0-1
Brazil, Minas Gerais, Araponga, Parque Estadual da Serra do Brigadeiro, Serra das Cabecas

(新種)

Lachnopsis dicksoniae Guatimosim, R.W. Barreto & Crous
語源…Dicksonia属の
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【よく似た種との区別】
Lachnum pteridophylli
本種と子嚢のサイズが異なる
本種と子嚢の形状が異なる
本種と子嚢胞子のサイズが異なる
本種と子嚢胞子の形状が異なる
Lachnum pinnicola
同じDicksonia属植物を宿主とする
子嚢盤が表在性
子嚢盤が杯状
子嚢盤表面が毛に覆われる
柄を有する
子嚢胞子が無色
子嚢胞子が紡錘状で両端が尖る
本種と異なりブラジルではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なりDicksonia sellowianaではなくD. antarcticaなどを宿主とする
本種より子嚢胞子の幅が狭い
本種と異なり子嚢胞子の隔壁数が1ではなく3
Brazil, Pernambuco, Taquaritinga do Norte, trilha do Mirante, Serra da Taquara

(新種)

Scolecolachnum pteridii Guatimosim, R.W. Barreto & Crous
語源…(属名)虫形のLachnum属(子嚢胞子の形状から)/(種小名)ワラビ属の
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Brazil, Rio de Janeiro, Nova Friburgo, Limeira

(新種)

Zymochalara cyatheae Guatimosim, R.W. Barreto & Crous
語源…(属名)酵母のChalara属(コロニーの性状から)/(種小名)ヘゴ属の
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【よく似た種との区別】
Zymochalara lygodii
ブラジルに分布する
シダ生息菌である
ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりヘゴ属ではなくカニクサ属植物を宿主とする
本種よりフィアライドが短い
ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Brazil, Minas Gerais, Vicosa, Cristais

(新種)

Zymochalara lygodii Guatimosim, R.W. Barreto & Crous
語源…カニクサ属の
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【よく似た種との区別】
Chalara fungorum
形態的に類似している
本種と異なりブラジルではなくカナダ、イタリア、イギリスなどに分布する
本種と異なりカニクサ属ではなくモミ属、ブナ属、モチノキ属、ゲッケイジュ属、カイノキ属、コナラ属、ツツジ属植物などを宿主とする
本種よりフィアライド基部の幅が狭い
本種より分生子のサイズが小さい
Zymochalara cyatheae
ブラジルに分布する
シダ生息菌である
ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカニクサ属ではなくヘゴ属植物を宿主とする
本種よりフィアライドが長い
ITS、nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

※この他にLachnopsis cf. variansおよびLachnopsis cf. pteridophylliを掲載した。