(仮訳)コウヤクタケ目の新知見: 新種Vuilleminia nilsiiおよび新属Dendrominia
Ghobad-Nejhad, M. & Duhem, B., 2013. Novelties in the Corticiales: Vuilleminia nilsii sp. nov. and Dendrominia gen. nov.(Basidiomycota). Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-012-0881-3 [Accessed December 13, 2013].
【R3-00130】2013/12/14投稿

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3行まとめ

フランスのアルジュレス=シュル=メールから、コナラ属の腐朽材に発生するVuilleminia nilsiiを新種記載した。
また、分子系統解析の結果に基づき新属Dendrominiaを提唱するとともに、3種をこの属に移した。
Vuilleminia nilsiiを含むシロペンキタケ属およびDendrominia属の種の検索表を掲載した。
France, Département des Pyrénées-Orientales (66), Argelès-sur-Mer communal forest, along the path towards Massane Nature Reserve

(新種)

Vuilleminia nilsii Ghobad-Nejhad & Duhem
語源…菌学者のNils Hallenbergに献名
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【よく似た種との区別】
Vuilleminia coryli
担子胞子がソーセージ形
シスチジアが円筒形
ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりコナラ属樹木から記録されていない
本種と異なり子実体が類白色ではない
担子胞子のサイズが本種より大きい
本種と異なり結晶化しない
本種より樹枝状糸状体が多い
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Vuilleminia pseudocystidiata
担子胞子がソーセージ形
シスチジアが円筒形
ITS+LSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実体が類白色ではない
担子器のサイズが本種より小さい
担子胞子の幅が本種より狭い
本種と異なり担子胞子に粒状の内容物を含まない
本種と異なり菌糸に結晶を伴わない
本種より樹枝状糸状体が多い
本種と異なり子実層が非常に密になる
ITS+LSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(新組み合わせ)

Dendrominia maculata (H.S. Jacks. & P.A. Lemke) Ghobad-Nejhad & Duhem
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【よく似た種との区別】
Dendrominia dryina
本種と異なり子実体が不明瞭ではなく明瞭
本種と異なり担子胞子が月形ではなくソーセージ形
本種と異なりクランプを有する
Dendrominia ericae
子実体が不明瞭
担子胞子が月形
本種と異なり樹皮ではなく樹皮が剥がれた材に発生する
本種と異なりクランプを有する

(新組み合わせ)

Dendrominia dryina (Pers.) Ghobad-Nejhad & Duhem
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【よく似た種との区別】
Dendrominia maculata
本種と異なり子実体が明瞭ではなく不明瞭
本種と異なり担子胞子がソーセージ形ではなく月形
本種と異なりクランプを欠く
Dendrominia ericae
本種と同じくクランプを有する
本種と異なり子実体が明瞭ではなく不明瞭
本種と異なり担子胞子がソーセージ形ではなく月形

(新組み合わせ)

Dendrominia ericae (Duhem) Ghobad-Nejhad & Duhem
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【よく似た種との区別】
Dendrominia dryina
本種と同じくクランプを有する
本種と異なり子実体が不明瞭ではなく明瞭
本種と異なり担子胞子が月形ではなくソーセージ形
Dendrominia maculata
子実体が不明瞭
担子胞子が月形
本種と異なり樹皮が剥がれた材ではなく樹皮に発生する
本種と異なりクランプを欠く

(その他の分類学的措置および知見)

  • タイプ標本を検討し、両種の違いとされるグレオシスチジアが見出せなかったことから、Dendrothele corticolaDendrothele maculataのシノニムと見なした。
  • Vuilleminia macrosporaのレクトタイプを指定した。