(仮訳)マレーシア・ボルネオのDiphymyces属菌について
Haelewaters, D. et al., 2014. On Diphymyces (Laboulbeniales, Ascomycota) in Malaysian Borneo. Plant Ecology and Evolution. …. Available at: http://www.ingentaconnect.com/content/botbel/plecevo/2014/00000147/00000001/art00008 [Accessed May 8, 2014].
【R3-00693】2014/05/09投稿

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3行まとめ

マレーシア・ボルネオ島の熱帯雨林で採集された、オニニセチビシデムシ属昆虫に寄生していた菌を、Diphymyces sabahensisとして新種記載した。
また、本種と同じ宿主個体の”metatibia”に、顕著な形態的特徴を持つ他のDiphymyces属菌を見出し、本種の部位特異的な形態変異だと考えた。
Diphymyces属の全ての既知種について、宿主や地理的分布を表にまとめた。
Malaysia, Sabah, location Poring Hot Springs

(新種)

Diphymyces sabahensis Haelew. & Pfister
語源…サバ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Diphymyces spelaei
タマキノコムシ科チビシデムシ亜科の昆虫を宿主とする
本種と同じく (?) 付着する宿主の部位によって異なる形態をとる
子嚢殻に指状突起を持つ
本種と異なりマレーシアではなくアルバニアに分布する
本種と異なりオニニセチビシデムシ属ではなくAnthroherpon属の昆虫を宿主とする
本種と異なり細胞Iが細長い(長さが幅の4倍)形状ではなく、長軸が最大幅よりも僅かに長い程度の太い形状をしている
本種と異なり細胞IIが細長い(長さが幅の4倍)形状ではなく、長軸が最大幅よりも僅かに長い程度の太い形状をしている
本種と異なり細胞IIIの外側の部分が非常に暗い褐色ではなく帯灰褐色
本種より細胞VIがずっと短い
本種と異なり細胞VIが楔形
Diphymyces appendiculatus
菌体に細長い突起を持つ
本種と異なりマレーシアではなくインドネシアに分布する
本種と異なりオニニセチビシデムシ属ではなくColonellus属 (?) の昆虫を宿主とする
本種と異なり細長い突起が子嚢殻の次端部ではなく頂部に位置する
Mimeomyces bicolor
形態が一見類似している
子嚢殻の柄の細胞(細胞VI)の形態が類似している
托の下部の形態が類似している
托が基部のみ僅かに透明で、それ以外はかなり不透明である
脚の幅が托の基部よりも広い
本種と子嚢殻の透明度が異なる
本種と異なり托が2つに分かれる
Diphymyces bidentatus
菌体が様々な程度に屈曲する
本種と異なりマレーシアではなくニュージーランドに分布する
本種と異なりオニニセチビシデムシ属ではなくParacatops属 (?) の昆虫を宿主とする
本種と菌体の典型的な色で容易に区別される
本種より細胞IIがずっと長い
本種より細胞VIがずっと長い
Diphymyces niger
タマキノコムシ科チビシデムシ亜科Ptomaphagini族の昆虫を宿主とする
本種と異なりマレーシアではなくヨーロッパに分布する
本種と異なりオニニセチビシデムシ属ではなくPtomaphagus属の昆虫を宿主とする
本種と異なり細胞VIが長軸よりも幅の方が大きな、短く太い形状をしている
Diphymyces pusillus
タマキノコムシ科チビシデムシ亜科Ptomaphagini族の昆虫を宿主とする
本種と異なりマレーシアではなくエクアドルに分布する
本種と異なりオニニセチビシデムシ属昆虫ではなくAdelopsis bioforestaeを宿主とする
本種と異なり細胞VIが長軸よりも幅の方が大きな、短く太い形状をしている
Diphymyces depressus
本種と異なりマレーシアではなくニュージーランドに分布する
本種と異なりオニニセチビシデムシ属昆虫ではなくParacatops campbellicusを宿主とする
本種と異なり子嚢殻に突起を欠く
本種と異なり細胞VIが長軸よりも幅の方が大きな、短く太い形状をしている