(仮訳)ベルギー南部においてヨーロッパブナに見出された新種Ophiostoma arduennense
Carlier, F-X. et al., 2006. Ophiostoma arduennense sp. nov. (Ophiostomatales, Ascomycota) from Fagus sylvatica in southern Belgium. Mycological Research. Available at: https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0953-7562(06)00146-8 [Accessed September 25, 2019] 【R3-06621】2019/9/25投稿

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3行まとめ

ベルギーにおいてヨーロッパブナから分離された菌を検討し、Ophiostoma arduennenseとして新種記載した。
本種は養菌性キクイムシのXyloterus domesticusおよびX. signatusと関係していた。
本種は子嚢殻が球形で基部が小さなボタン状、頸部が長い円筒形で、子嚢胞子が小型の腎臓形、アナモルフを伴わないことなどで特徴づけられた。
Belgium, Walloon Region, Luxemburg Province, Chiny Forest

(新種)

Ophiostoma arduennense F.-X. Carlier, Decock, K. Jacobs & Maraite
語源…アルデンヌ産の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ophiostoma quercus
同所的に分布する(ベルギー)
同時に生じることがある
同じヨーロッパブナを宿主とする
Xyloterus属キクイムシがベクターとして知られている
子嚢殻に孔口毛を伴う
子嚢胞子が腎臓形
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり旧ユーゴスラビア、フランス、オーストリア、ドイツ、イギリスにおける分布が知られている
本種と異なりコナラ属植物から分離されている
本種より子嚢殻が長い
本種と異なり子嚢殻基部に小型のボタン状の装飾を欠く
本種と異なりコロニーが暗褐色ではなく淡褐色~黄金褐色
本種と異なりアナモルフが知られている
本種と異なりホモタリックではなくヘテロタリックである
本種と異なり生育適温が22°Cではなく25°Cである
本種より生育適温における生長が遅い
本種と異なり最大生長温度が32°C以下ではなく32°C以上である
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma piceae
ヨーロッパに分布する
生育適温が22°Cである
最大生長温度が32°C以下である
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりフランス、ポーランドにおける分布が知られている
本種と異なりマツ属植物を宿主とする
本種より子嚢殻が長い
本種と異なり子嚢殻基部に小型のボタン状の装飾を欠く
本種と異なりコロニーが暗褐色ではなく類白色で老成すると淡い帯褐色
本種と異なりアナモルフが知られている
本種と異なりホモタリックではなくヘテロタリックである
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma kryptum
ヨーロッパに分布する
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりオーストリアにおける分布が知られている
本種と異なりヨーロッパブナではなくカラマツ属およびトウヒ属植物を宿主とする
本種と異なりベクターがXyloterus属キクイムシではなくTetropium属カミキリムシである
本種より子嚢殻頸部が短い
本種と異なりアナモルフが知られている
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma minus
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりカナダにおける分布が知られている
本種と異なりヨーロッパブナではなくマツ属およびトガサワラ属植物を宿主とする
本種と異なりベクターがXyloterus属キクイムシでない
本種より子嚢殻頸部が短い
本種と異なりアナモルフが知られている
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Ophiostoma bacillisporum
同所的に分布する(ベルギー)
同時に生じることがある
同じヨーロッパブナを宿主とする
Xyloterus属キクイムシがベクターとして知られている
本種と異なりドイツにおける分布が知られている
本種と異なり子嚢胞子が腎臓形ではなく桿形
Ophiostoma verrucosum
ヨーロッパに分布する
養菌性キクイムシと関係を持つ
本種と異なりドイツにおける分布が知られている
本種と異なりコナラ属植物を宿主とする
本種と異なりXyloterus属キクイムシではなくXyleborus dryographusと関係を持つ
本種より子嚢殻頸部がずっと短い
本種と異なりアナモルフが知られている
本種と系統的に異なる
Ophiostoma dentifundum
ヨーロッパに分布する
養菌性キクイムシと関係を持つ
本種と異なりポーランドおよびハンガリーにおける分布が知られている
本種と異なりコナラ属植物を宿主とする
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なりアナモルフが知られている
Ophiostoma grandifoliae
同じブナ属植物を宿主とする
子嚢殻に長い頸部を有する
子嚢殻に孔口毛を伴う
子嚢胞子が小型
本種と異なりベルギーではなく北米に分布する
本種と異なりヨーロッパブナではなくFagus grandifoliaなどを宿主とする
本種と異なり子嚢胞子が腎臓形ではなくソーセージ形
本種と異なりアナモルフが知られている
ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(先行研究)
Ophiostoma rostrocoronatum
同じブナ属植物を宿主とする
子嚢殻に長い頸部を有する
子嚢殻に孔口毛を伴う
子嚢胞子が小型
本種と異なりベルギーではなく北米に分布する
本種と異なりヨーロッパブナではなくFagus grandifoliaなどを宿主とする
本種と異なり子嚢胞子が腎臓形ではなくソーセージ形
本種と異なりアナモルフが知られている
ITS2+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(先行研究)