(仮訳)分子系統解析データおよび形態に基づき特徴づけられた、ヨーロッパ産のオークに生じた新種、Ophiostoma dentifundum
Aghayeva, DN. et al., 2005. Ophiostoma dentifundum sp. nov. from oak in Europe, characterized using molecular phylogenetic data and morphology. Mycological Research. Available at: https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S095375620860235X [Accessed August 14, 2020] 【R3-07592】2020/8/14投稿

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3行まとめ

ポーランドおよびハンガリーにおいてオークから分離され、従来O. stenocerasとされてきた菌を検討した。
分子系統解析の結果から、この菌がO. stenoceras複合種において独自の系統を形成することを示した。
本種を新種O. dentifundumとして記載した。
Hungary

(新種)

Ophiostoma dentifundum Aghayeva & M. J. Wingf.
語源…歯の基部の(分生子基部の形状から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Ophiostoma fusiforme
ヨーロッパに分布する
同じコナラ属植物に生じる
子嚢殻基部の直径の範囲が重なる
分生子形成細胞の形態が非常に類似している
分生子の形状が非常に類似している
コロニー表面が平滑で微細な羊毛状
コロニーに気生菌糸を有する
本種と異なりポーランドおよびハンガリーではなくアゼルバイジャンおよびオーストリアなどに分布する
本種と異なりヤマナラシ属、クリ属、カラマツ属植物などにも生じる
本種より子嚢殻頸部のサイズが小さい
本種より孔口毛が長い
本種より孔口毛の幅が広い
本種より子嚢胞子が長い
本種より分生子形成細胞が短い
本種より分生子形成細胞の幅が広い
本種より分生子が短い
本種と異なり分生子が紡錘形で時に僅かに屈曲し、基部が尖るか歯牙状になるのではなく滴形~紡錘形
本種と異なりコロニーが初め無色、のちに白色で子嚢殻の黒点が混じるのではなく白色で鈍白色または帯黒色になる
ITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIに含まれる)
Ophiostoma lunatum
ヨーロッパに分布する
コロニー表面が平滑で微細な羊毛状
コロニーに気生菌糸を有する
本種と異なりポーランドおよびハンガリーではなくオーストリアなどに分布する
本種と異なりコナラ属ではなくクマシデ属、カラマツ属植物などに生じる
本種より子嚢殻基部の直径が小さい
本種より子嚢殻頸部のサイズが小さい
本種より孔口毛の幅が狭い
本種より子嚢胞子が長い
本種より分生子形成細胞が短い
本種より分生子が短い
本種と異なり分生子が紡錘形で時に僅かに屈曲し、基部が尖るか歯牙状になるのではなく屈曲した三日月形
本種と異なりコロニーが初め無色、のちに白色で子嚢殻の黒点が混じるのではなく白色で鈍白色または帯黒色になる
本種より培養下における子嚢殻形成開始時期が遅い
ITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIに含まれる)
Ophiostoma stenoceras
ヨーロッパに分布する
形態的に類似している(従来同種とされてきた)
子嚢殻基部の直径の範囲が重なる
子嚢殻基部の形状が類似している
子嚢殻頸部の長さの範囲が重なる
子嚢殻頸部の形状が類似している
本種と異なりポーランドおよびハンガリーではなくノルウェー、南アフリカ、ニュージーランドなどに分布する
本種と異なりマツ属、ユーカリ属、アカシア属植物などにも生じる
本種より子嚢殻頸部の幅が狭い
本種より孔口毛の幅が広い
本種より子嚢胞子が短い
本種より分生子の幅が広い
本種と異なり分生子が紡錘形で時に僅かに屈曲し、基部が尖るか歯牙状になるのではなく広楕円形で基部が尖る
本種と異なりコロニーが初め無色、のちに白色で子嚢殻の黒点が混じるのではなく白色または帯灰色
本種と異なりコロニーが平滑で微細な羊毛状なのではなくかなり扁平で酵母状または粥状
本種より培養下における子嚢殻形成開始時期が早い
ITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIIではなくIIに含まれる)
Ophiostoma inflata
ITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で近縁
ITS+β-チューブリンに基づく分子系統解析で明瞭に区別される