(仮訳)新熱帯の帯桃褐色の胞子を有する際立ったイグチ類:ドミニカ共和国産のAustroboletus subflavidusおよびFistulinella gloeocarpa
Gelardi, M. et al., 2020. Outstanding Pinkish Brown-Spored Neotropical Boletes: Austroboletus subflavidus and Fistulinella gloeocarpa (Boletaceae, Boletales) from the Dominican Republic. Mycobiology. Available at: https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/12298093.2020.1843221 [Accessed November 22, 2020] 【R3-07893】2020/11/22投稿

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3行まとめ

ドミニカ共和国からAustroboletus subflavidusおよびFistulinella gloeocarpaを報告した。
前者はPinus occidentalisと関係を持ち、リターの間の土壌から単生、散生、または群生しており、分子系統解析で本種を含むクレードをAustroboletus属の「クレードII」と命名した。
後者はドミニカ共和国新産種であり、形態および地理的分布が近いF. jamaicensisF. mexicanaなどが本種と同種である可能性を指摘した。

(その他掲載種)

Austroboletus subflavidus (Murrill) Wolfe
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【よく似た種との区別】
Austroboletus niveus
子実体が淡色
本種と異なり北米、中米、南米、大アンティル諸島ではなくオーストラリア、ニュージーランドなどに分布する
本種と異なりマツ属、コナラ属ではなくナギモドキ属、ナンキョクブナ属、ユーカリ属、ギョリュウバイ属植物などと関係を持つ
本種と異なり傘表面に老成すると粘性を有する
本種と異なり傘がNH4OHで帯桃色に呈色するのではなく呈色しない
本種と異なり柄表面に老成すると粘性を有する
本種より担子胞子が僅かに長い
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が長類紡錘形~円筒形
本種と異なり担子胞子表面全体にごく微かに小粒状点状、小皺状の装飾を有する
本種より子実層シスチジアの幅が広い
本種と異なり子実層シスチジアが瓶形
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIではなくIに含まれる)
Austroboletus eburneus
子実体が淡色
本種と異なり北米、中米、南米、大アンティル諸島ではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なりマツ属、コナラ属ではなくAllocasuarina属、ユーカリ属属植物などと関係を持つ
本種と異なり傘表面が小区画状でない
本種より担子胞子の幅が狭い
本種と異なり担子胞子が長紡錘形~円筒状類紡錘形
本種と異なり担子胞子表面全体にごく僅かに小粒状点状、小皺状の装飾を有する
Austroboletus roseialbus
子実体が淡色
本種と異なり北米、中米、南米、大アンティル諸島ではなくオーストラリアなどに分布する
本種と異なりマツ属、コナラ属ではなくフトモモ科、モクマオウ科植物などの樹下に発生する
本種より子実体のサイズが一般的に小さい
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘表面に粘性を有する
本種より柄の幅が狭い
本種と異なり柄表面が綿毛状で微細な網目模様をあらわし、粘性を有する
本種より担子器のサイズが小さい
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子表面に胞状~網目状の赤道面の装飾を有する
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される(クレードIIではなくIに含まれる)
Austroboletus appendiculatus
子実体が淡色
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁(同じクレードIIに含まれる)
本種と異なり北米、中米、南米、大アンティル諸島ではなくインドなどに分布する
本種と異なりマツ属、コナラ属植物ではなくShorea robustaなどの樹下に発生する
本種と異なり傘が淡褐色
本種と異なり柄が卵黄色または黄金色~淡橙色
本種と異なり子実体の味が温和である
本種より担子胞子が僅かに短い
本種より柄シスチジアのサイズが大きい
本種と異なり柄シスチジアが類棍棒形~棍棒形または類便腹形
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(ドミニカ共和国新産種)

Fistulinella gloeocarpa Pegler
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【よく似た種との区別】
Fistulinella jamaicensis
アメリカ大陸に分布する
形態的に類似している(同種の可能性がある)
本種より子実体のサイズが小さい
本種より傘のサイズが小さい
本種と異なり傘表面がいくぶん小区画状
本種より柄のサイズが小さい
本種と異なり子実体に被膜を欠くように見える
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種より子実層シスチジアが短い
本種と異なり子実層シスチジアの頸部がアンプル形
Fistulinella venezuelae
アメリカ大陸に分布する
本種と異なり傘が中央部が黄褐色、縁部で類白色~帯黄色
本種と異なり柄上部が成熟時黄褐色~さび色を帯びる
本種と異なり柄の下部に淡い帯褐色~帯褐灰色の穀粉状の点をあらわす
本種と異なり肉が白色で周縁部が淡黄褐色
本種と異なり子実体が被膜に覆われない
本種と異なり子実体の味が若干苦い
本種より担子胞子がずっと長い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり担子胞子が細長い紡錘状円筒形
本種より子実層シスチジアが通常長い
本種と異なり子実層シスチジアに通常細長い頸部を有する
本種と異なり傘表皮が平行菌糸被
本種より傘表皮菌糸の幅がずっと狭い
Fistulinella mexicana
アメリカ大陸に分布する
ハマベブドウ属植物と関係を持つとみられる
形態的に類似している(同種の可能性がある)
本種と異なり時に材上生に見える
本種と異なり傘が帯黄褐色または帯灰色
本種と異なり傘表面が不規則な小区画状
本種と異なり柄基部につぼを有する
本種より担子胞子が僅かに短い
本種より側シスチジアのサイズが小さい
本種と異なり側シスチジアが紡錘状~便腹状紡錘形または瓶形ではなく棍棒形
本種と異なり縁シスチジアを欠く
本種と異なり柄シスチジアを有する
本種より傘表皮菌糸の幅が狭い
Fistulinella campinaranae
アメリカ大陸に分布する
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり腐朽材および腐朽した切り株、稀に腐植質~砂質土壌に生じる
本種と異なりつばを有する
本種より担子胞子の幅が僅かに狭い
本種と異なり担子胞子がデキストリノイド
本種より子実層托実質側層菌糸の幅が狭い
本種より傘表皮菌糸の幅が狭い
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fistulinella campinaranae var. scrobiculata
アメリカ大陸に分布する
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり腐朽材および腐朽した切り株、稀に腐植質~砂質土壌に生じる
本種と異なりつばを有する
本種より担子胞子の幅が僅かに狭い
本種と異なり担子胞子がデキストリノイド
本種より子実層托実質側層菌糸の幅が狭い
本種より傘表皮菌糸の幅が狭い
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fistulinella cinereoalba
アメリカ大陸に分布する
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり子実層托が傷つくと褐変する
本種と異なり柄が傷つくと褐変する
本種と異なり柄表面にごく微細な小鱗片を伴い、基部に帯黄褐色の斑点を欠く
本種より担子胞子がはっきりと長い
本種より担子胞子の幅が僅かに狭い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり担子胞子が様々なデキストリノイド性を示す
本種より側シスチジアの幅が狭い
本種と異なり側シスチジアが紡錘状~便腹状紡錘形または瓶形ではなく針形~円筒形
本種より子実層托実質側層菌糸の幅が狭い
本種より傘表皮菌糸の幅が狭い
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Fistulinella ruschii
アメリカ大陸に分布する
形態的に類似している(同種の可能性がある)
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり傘が橙褐色~栗褐色
本種と異なり傘表面が綿毛状でほとんどの場合乾燥している
本種と異なり傘がNH4OHで帯赤橙色に呈色する
本種と異なり柄が帯桃クリーム色
本種と異なり柄がNH4OHで黄色に呈色する
本種より担子胞子が長い
本種より担子胞子の幅が狭い
本種より担子胞子のQ値が大きい
本種と異なり側シスチジアが紡錘状~便腹状紡錘形または瓶形ではなく広円筒形
本種と異なり側シスチジアに複数の隔壁を有する
本種より子実層托実質側層菌糸の幅が狭い
本種より傘表皮菌糸の幅が狭い
nrLSU+ITS+RPB2に基づく分子系統解析で明瞭に区別される