(仮訳)ナンキョクブナ属植物を宿主とする新属Aotearoamycesを含む、ファシディウム目の概観
Quijada, L. et al., 2018. Overview of Phacidiales, including Aotearoamyces gen. nov. on Nothofagus. IMA Fungus. Available at: https://doi.org/10.5598/imafungus.2018.09.02.08 [Accessed November 16, 2018] 【R3-05682】2018/11/17投稿

【お読みください】
大菌輪のコンテンツ「論文3行まとめ」は、あくまで論文の検索の補助として提供されている情報です。作成者は専門家ではなく、翻訳や内容の解釈が誤っている場合がありうるので、正確な情報は必ず元の論文で確認してください。また、このページのリンクは必ずしも有効ではありません(大菌輪未掲載の種や、MycoBank/Species fungorum未登録の種がありうるため)。

3行まとめ

ニュージーランドのナンキョクブナ林で採集された菌を検討し、新属新種Aotearoamyces nothofagiとして記載した。
本種は子嚢胞子が多細胞からなり、側糸の頂部が屈曲して部分的に螺旋状になり、托外被層が絡み合い菌糸組織で菌糸がゼラチン質に埋生することなどで特徴づけられた。
本種は分子系統解析でティンパニス科クレードに含まれ、子嚢胞子から直接分生子を生じないことなどで同科他属と異なっていた。
New Zealand, South Island, Craigiebrun

(新種)

Aotearoamyces nothofagi P.R. Johnst., J.A. Cooper & Quijada
語源…(属名)アオテアロア(ニュージーランドの現地名)の菌/(種小名)ナンキョクブナ属の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Holwaya mucida
nrSSU+ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じティンパニス科クレードに含まれる)
本種と異なり分生子が子嚢内部で形成される
nrSSU+ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Tympanis spp.
托外被層の形態が類似している
本種と異なり分生子が子嚢内部で形成される
本種と異なり托外被層の菌糸の間隙が広いという特徴を欠く
本種と異なり托外被層の菌糸がゼラチン化するという特徴を欠く
Claussenomyces spp.
子嚢の形状が類似している
子嚢胞子の形状が類似している
nrSSU+ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じティンパニス科クレードに含まれる)
本種と異なり分生子が子嚢胞子から直接形成される
nrSSU+ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Claussenomyces jahnianus
本種と異なり子嚢胞子が紡錘状円筒形~紡錘状棍棒形ではなく針状
本種と異なり側糸頂部が数珠状
本種と異なり側糸の隔壁が密
Myriodiscus spp.
托外被層が菌糸組織からなる
nrSSU+ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じティンパニス科クレードに含まれる)
本種と異なり子嚢盤が複数子座状基部を共有して生じるのではなく類球形の集まりをなす
本種と異なり子嚢盤が洋独楽形ではなく盤状
本種と異なり子嚢が多胞子性
nrSSU+ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Durandiella spp.
托外被層が菌糸組織からなる
本種と異なり子嚢胞子が紡錘状円筒形~紡錘状棍棒形ではなく針状~紡錘形
本種と異なり側糸頂部が屈曲状~螺旋状ではなく直線状
本種と異なり托外被層の菌糸の間隙が広いという特徴を欠く
本種と異なり托外被層の菌糸がゼラチン化するという特徴を欠く
Grovesiella spp.
本種と異なり側糸が螺旋状あるいは頂部が鉤状になることがない
本種と異なり托外被層が絡み合い菌糸組織ではなく多角菌糸組織~矩形菌糸組織からなる
Pragmopora spp.
本種と異なり側糸が螺旋状あるいは頂部が鉤状になることがない
本種と異なり托外被層が絡み合い菌糸組織ではなく厚壁菌糸組織からなる
Collophorina paarla
nrSSU+ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で近縁(同じティンパニス科クレードに含まれる)
本種と異なり内生分生子を形成する
nrSSU+ITS+nrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される