(仮訳)ニュージーランド産Pannaria microphyllizansの再検討とP. athroophyllaとの比較、および3新種Pannaria cassaP. kantvilasiiP. wrightiorum
Elvebakk, A. 2022. Pannaria microphyllizans (Nyl.) P.M.Jørg. from New Zealand restudied and compared with P. athroophylla (Stirt.) Elvebakk & D.J.Galloway and the three new species Pannaria cassa, P. kantvilasii and P. wrightiorum. Australasian Lichenology. Available at: https://www.anbg.gov.au/abrs/lichenlist/Australasian_Lichenology.html [Accessed February 5, 2023] 【R3-10308】2023/2/5投稿

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3行まとめ

Pannaria microphyllizansについて誤った解釈がされてきたが、再検討により子嚢胞子のペリスポアが凸円形で頂部が長い尾状に伸長すること、薄層クロマトグラフィーで地衣成分が検出されないことを確かめた。
また、P. athroophyllaとの比較を行い、両種の記載文を修正した。
その過程で明らかになったニュージーランド産のP. cassaP. kantvilasii、およびP. wrightiorumの3新種を記載した。
New Zealand. South Island, Southland, Fiordland National Park, Lake Gunn

(新種)

Pannaria cassa Elvebakk
語源…空の、欠落した(地衣成分を欠くことから)
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【よく似た種との区別】
Pannaria patagonica
本種と異なりニュージーランドではなく南米などに分布する
本種より裂片の幅が広い
本種より子嚢胞子のペリスポア頂部の伸長部が短い
本種と異なり地衣成分が薄層クロマトグラフィーで検出される(ビカニシン)
Pannaria microphyllizans
ニュージーランドに分布する
本種と異なり初生菌糸体が知られている
本種より子嚢胞子が長い
Australia, Tasmania, Flinders Island, Walkers Lookout

(新種)

Pannaria kantvilasii Elvebakk
語源…タスマニアの地衣学者でホロタイプを含む標本の最終者であるGintaras Kantvilas氏に献名
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【よく似た種との区別】
Pannaria leproloma
本種より裂片の幅が広い
本種より裂片が”laciniate”である
本種ほど裂片表面に光沢がなく綿毛状である
本種と異なり裂芽を有する
本種と異なりフィリディアを欠く
本種ほど子嚢胞子のペリスポア頂部の伸長部が顕著なクッション形でない
本種ほど子嚢胞子のペリスポアが明瞭な小疣状でない
Pannaria wrightiorum
ニュージーランドに分布する
形態的に識別困難なほど類似している(本種が不稔の場合)
フィリディアの形態が類似している
地衣成分が類似している
本種と異なりオーストラリアにおける分布が知られていない
New Zealand, Marlborough, Sounds-Wellington Ecological Region, Sounds Ecological District, Queen Charlotte Sound, west up ridge from saddle between Resolution Bay and Ship Cove

(新種)

Pannaria wrightiorum Elvebakk
語源…キュレーターのAnthony Wright氏とその母でボランティアのMeryl Wright氏に献名
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【よく似た種との区別】
Pannaria microphyllizans
ニュージーランドに分布する
地衣体の形態が類似している
フィリディアの形態が類似している
地衣成分としてレプロロミンを含む
本種より子嚢胞子が短い
本種と異なり子嚢胞子の輪郭が若干レンズ形という特徴を欠く
本種より子嚢胞子側面の凸円の丈がずっと高い
本種ほど子嚢胞子側面の凸円が規則形でない
本種より子嚢胞子頂部の伸長部がずっと長い
本種より子嚢胞子頂部の伸長部基部が膨大する
本種と地衣成分が異なる
Pannaria athroophylla
ニュージーランドに分布する
本種と異なり子嚢胞子が顕著なレンズ形~卵状ではなく非常に不規則な楕円形
Pannaria kantvilasii
ニュージーランドに分布する
形態的に識別困難なほど類似している(本種が不稔の場合)
フィリディアの形態が類似している
地衣成分が類似している
本種と異なりオーストラリアにおける分布が知られている

(その他掲載種)

Pannaria athroophylla (Stirt.) Elvebakk & D.J.Galloway
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【よく似た種との区別】
Pannaria wrightiorum
ニュージーランドに分布する
本種と異なり子嚢胞子が非常に不規則な楕円形ではなく顕著なレンズ形~卵状

(その他掲載種)

Pannaria microphyllizans (Nyl.) P.M. Jørg.
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【よく似た種との区別】
Pannaria wrightiorum
ニュージーランドに分布する
地衣体の形態が類似している
フィリディアの形態が類似している
地衣成分としてレプロロミンを含む
本種より子嚢胞子が長い
本種と異なり子嚢胞子の輪郭が若干レンズ形
本種より子嚢胞子側面の凸円の丈がずっと低い
本種より子嚢胞子側面の凸円が規則形である
本種より子嚢胞子頂部の伸長部がずっと短い
本種ほど子嚢胞子頂部の伸長部基部が膨大しない
本種と地衣成分が異なる
Pannaria cassa
ニュージーランドに分布する
本種と異なり初生菌糸体が知られていない
本種より子嚢胞子が短い