(仮訳)ジョチュウギクの葉および根頭に感染を引き起こした2新種、Paraphoma chlamydocopiosaおよびParaphoma pye
Moslemi, A. et al., 2017. Paraphoma chlamydocopiosa sp. nov. and Paraphoma pye sp. nov., two new species associated with leaf and crown infection of pyrethrum. Plant Pathology. Available at: http://doi.wiley.com/10.1111/ppa.12719 [Accessed September 21, 2017].
【R3-04413】2017/09/21投稿

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3行まとめ

オーストラリア、タスマニア州においてジョチュウギクの葉および根頭の壊死部から分離された2種の菌を検討し、Paraphoma chlamydocopiosaおよびParaphoma pyeとして新種記載した。
前者は培養下で赤色色素を産生し、後者は顕著な2室の分生子殻を生じることなどで特徴づけられた。
両種とも接種試験で根組織に感染しバイオマスの顕著な減少を引き起こしたほか、葉には病変を生じた。
Australia, northern Tasmania, Table Cape

(新種)

Paraphoma chlamydocopiosa A. Moslemi & P.W.J. Taylor
語源…厚壁(胞子)が豊富な
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Paraphoma chrysanthemicola
同じキク科植物を宿主とする
形態的に類似している(この種に誤同定されたことがある)
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米、ヨーロッパなどにおける分布が知られている
本種と異なりTanacetum cinerariifoliumではなくChrysanthemum morifoliumなどを宿主とする
本種より分生子のサイズが顕著に小さい
本種と異なり培養下で厚壁胞子を豊富に形成するという特徴を欠く
本種と異なりPDA培地で赤色色素を産生するという特徴を欠く
本種と異なりOA培地で黄色色素を産生する
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Paraphoma vinacea
オーストラリア、タスマニアに分布する
宿主の根に病変を引き起こす
培養下で赤色色素を産生する
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で近縁
本種より分生子のサイズが顕著に小さい
本種と異なり培養下で厚壁胞子を豊富に形成するという特徴を欠く
本種より培養下で赤色色素を多く産生する
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Paraphoma pye
同所的に分布する(オーストラリア)
同じTanacetum cinerariifoliumを宿主とする
宿主の葉および根に病変を引き起こす
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子殻が顕著な2室のことがある
本種より分生子が短い
本種と異なり培養下で全く赤色色素を産生しないかそれほど産生しない
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Australia, northern Tasmania, Table Cape

(新種)

Paraphoma pye A. Moslemi & P.W.J. Taylor
語源…ジョチュウギク (pyrethrum) の俗称より
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Paraphoma chrysanthemicola
同じキク科植物を宿主とする
菌核様の厚壁胞子を生じる
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり北米、ヨーロッパなどにおける分布が知られている
本種と異なりTanacetum cinerariifoliumではなくChrysanthemum morifoliumなどを宿主とする
本種と異なり時に分生子殻が2室という特徴を欠く
本種と異なりOA培地で黄色色素を産生する
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Paraphoma vinacea
オーストラリア、タスマニアに分布する
同じTanacetum cinerariifoliumを宿主とする
宿主の根に病変を引き起こす
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子殻の孔口に細長い頸部を有するという特徴を欠く
本種と異なり時に分生子殻が2室という特徴を欠く
本種より分生子殻の殻壁がかなり厚い
本種と異なり培養下で赤色色素を産生する
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Paraphoma chlamydocopiosa
同所的に分布する(オーストラリア)
同じTanacetum cinerariifoliumを宿主とする
宿主の葉および根に病変を引き起こす
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なり分生子殻が顕著な2室のことがあるという特徴を欠く
本種より分生子が長い
本種と異なり培養下で赤色色素を産生するかより多く産生する
ITS+EF1-α+TUBに基づく分子系統解析で明瞭に区別される