(仮訳)中国南西部から形態および分子データに基づき記載された新種Paxillus orientalisおよび新亜属Alnopaxillusの提唱
Gelardi, M. et al., Paxillus orientalis sp. nov. (Paxillaceae, Boletales)
from south-western China based on morphological and molecular data and proposal of the new subgenus Alnopaxillus. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-013-0919-1 [Accessed December 10, 2013].
【R3-00116】2013/12/11投稿

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3行まとめ

中国雲南省・四川省で採集されたヒダハタケ属菌を、形態比較および分子系統解析の結果に基づきPaxillus orientalisとして新種記載した。
本種はハンノキ属樹木と関係を持つPaxillus rubicundulus種複合体に含まれたが、必ずしもハンノキ属とのみ関係を持っているわけではなかった。
Paxillus rubicundulusおよびその類縁種に対して、ハンノキとの関連と傘表面が網目状亀裂~鱗片状になる特徴を基に、新亜属Alnopaxillusを提唱した。
中国雲南省大理ペー族自治州賓川県鶏足山

(新種)

Paxillus orientalis Gelardi, Vizzini, E. Horak & G. Wu
語源…東の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Paxillus rubicundulus(ムクゲヒダハタケ)
ハンノキ属樹木と関係を持つ
傘表面が鱗片状になる
肉が帯黄色~濃黄色
担子胞子が通常8 μmより小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁(同じAlnopaxillus亜属クレードに含まれる)
本種と異なりブナ科樹木や針葉樹と関係を持たず、発生がハンノキ属樹下に限られる
本種と異なり、子実体のどの成熟段階でも傘縁部により顕著な肋が生じる
本種と異なり露出した亀裂部分の肉が帯桃淡褐色~帯桃ベージュ色にならない
本種より子実層托が濃色の濃黄色になる
本種と異なり柄頂部が粉状になる
本種と異なり柄が桃色を帯びない
本種より肉が濃色の濃黄色になる
本種と異なり肉が桃色を帯びない
本種より担子胞子が僅かに大きい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Paxillus rhytidophyllus
本種と異なり傘が帯赤褐色~くすんだ褐色になる
本種と異なり子実層托がやや管孔状になる
本種より担子胞子が僅かに大きい
本種より縁シスチジアのサイズが小さい
Paxillus involutus(ヒダハタケ)種複合体
アジアの亜熱帯森林に分布しない
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘表面が鱗片状にならない
本種より担子胞子が顕著に長い
本種と異なり胞子紋が赤紫色を帯びる種が含まれる
Paxillus obscurosporus
アジアの亜熱帯森林に分布しない
本種より子実体のサイズが大きい
本種と異なり傘表面が鱗片状にならない
本種より担子胞子が顕著に長い
本種と異なり胞子紋が赤紫色を帯びる